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スリーエコ・ニュース (Srieko News)

Vol.57 – スリエコ流 スリランカ旅行考察!安さにはそれなりの理由がある!?

February 18, 2016 at 11:52 am

 

皆様

 

早いもので2016年も、ひと月が過ぎました。今年の冬は暖冬だと言われていたにもかかわらず、先月、日本ばかりか韓国でも大雪となったばかりか、南に位置する台湾では、雪と寒さのため80人以上が死亡したという報道を耳にしました。

 

悲劇をもたらしたのは、こうした予想はずれの寒波ばかりではありません。

日本ではバス事故のため、多くの若者の命が失われたというニュースがありました。楽しいはずのスキー旅行が一転、こうした惨事に変わってしまうのは、ご家族、ご親族でなくても、悲しい思いでいっぱいになります。

自然災害のようにある程度は避けられない悲劇であるなら、何かしらの慰めの言葉が浮かんでも、旅行を企画した会社や運行したバス会社等に問題があったというニュース報道を耳にすれば、ご遺族の無念や怒りを想像するだけで辛くなってきます。

旅行業という同業者としてまず驚いたことは「よくこんな値段でツアーが組めるものだなあ・・。私自身も、スキーが好きな若者だったら、値段に引かれて参加しただろうなあ・・」という思いでした。そして次に感じたことが「日本はデフレ期間があまりに長く、物ばかりでなく、サービス業も含め、全てに“安さが流通している”感がある。けれど価格競争にばかり固執していたら、安い価格を実現させるために、どこかにひずみ(この場合、バス会社による無理のある運行らしい)がきて当然だろうなあ・・。あってはならないことであるけれど・・。」という思いでした。

 

こちらスリランカと日本では、旅行事情や形態も変わってきますが、私が常日頃、夫やスタッフと話していることは「何かあってからでは遅い。常に“もしも”のことを考えて、お客様に旅の提案とオペレーションをしなければいけない。」という“危機意識”ともいうべき考えです。

スリランカは自然、文化、人々との共存が美しい、とても魅力ある国だと信じており、もっともっと日本の皆様にこの国を旅してほしいと願っています。

 

その一方で、この国は発展途上国の国。道路インフラが整っていない上、車の運転は乱暴。こちらが気を付けていても、相手がぶつかってくることもあります。交通事故のニュースは絶えません。

田舎道では牛の他、ゾウなど野生動物も現れます。

“もしも”という危機意識の考えから、Sriekoでは夜間遅くの走行はしていません。

旅行の時間を惜しむお客様の方からリクエストがあっても、きっぱりとお断りしています。確かに夜間に走れば、道も空いています。宿代も時間も節約できるでしょう。でも、夜間、道路に何が飛び出してくるかわかりません。またスリランカ人のドライバーもプロとはいえ、日本人と同じで夜間に運転するのは疲れる事なのです。何かあってからでは遅いのです。

できないことはできないと、はっきりお答えすること。それが、現地旅行会社の義務であると確信しています。

 

また“もしも”が及ぶのは、車ばかりではありません。

ゲストハウスと言われる安宿ではレイプ事件も耳にします。こうした小さな宿は、個人経営がほとんどなので、管理が行き届かず、庭先で毒虫にかまれることもあります。

旅行シーズンならば、それなりに宿泊者もいるかもしれませんが、オフシーズンの宿泊者が少なくなる時期など、朝食に古い食材が使われて、腹痛や食中毒の問題も起きています。

こうしたマイナス面にもかかわらず、インターネットでのオンライン予約で簡単に申し込みができるため、安さがルアーになって、旅行者に結構な人気となっているようです。

ですが、スリランカのホテル業界では、こうした小さな宿は「unclassified」と言われ、宿として登録もされていないケースが多く問題になっているのです。

もちろん、小さな宿には、大きなチェーンホテルにはない、スリランカの素朴な魅力がある宿も多いのでしょうが、旅するお客様、特に女性だけの場合など“もしも”の場合を考え、しっかりとした宿選びをする必要があるのです。

 

Sriekoでは以前からこの紙面も使って「バスなど公共手段で移動を考えている方は、事故が多いので気を付けてください。宿選びには慎重になってください。“ローカルめし”を口にしたいと思われている方、衛生面の問題から食中毒がよく起きています。体調の悪い時は避けてください」等の注意とアドバイスをさせて頂いています。

旅行は安全に過ごしてこそ楽しいもの。何かあってからでは遅い。“もしも”のことを考えなければならないのです。

“安さ”の代償に、けがしたり、命を落としては、取り返しがつかないのです。

 

スリランカはインフラが整っていない分、日本と同じレベルを期待すると、高く感じる方もいらっしゃるかもしれません。しかし“安さ”だけに、目を奪われると、楽しいはずの旅が、どういう形に変わってしまうかわからないのです。

私の稚拙な文章に目を通して下さった読者の方、特に「スリランカ旅行って、思った以上にけっこうお金がかかるのね。」と思っていらっしゃる方、これを機に、もう一度、あなたの旅のスタイルを考えて頂ければ幸いです。

 

2016年2月2日

山倉 理恵子

www.sriekov2.loc も宜しくお願いします。

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