10月5日 – ゾウさん達と共に🐘奇跡の楽園スリランカ
2023年10月5日/Srieko配信
皆さんこんにちは
私たちの住むスリランカ西海岸は、最近雨が多くそろそろ季節の変わり目です。・・そして例年11月中旬頃には長い雨季も終わり、待ちに待った乾季がやってきます。
この時期は、世界遺産シギリヤロック周辺国立公園のゾウさん達が、より住みやすい環境を求め国立公園から国立公園へ大移動する季節・・国立公園や周辺の森林帯に住んでいたゾウさん達は、幹線道路、農地、田んぼ、など人間の住む地域に多数出没し、人間社会と接することが多くなり、農作物の泥棒、交通事故、列車事故などいろいろな摩擦が起きています。
●ゾウさん達は幹線道路や村・街に出没
折しも9月28日には、別々の場所2か所で4頭、2頭の計6頭が列車事故で犠牲になり、今年最大のゾウさん事故が起きてしまいました。・・・●約7000 ●2割増 ●約5% ●約360はそれぞれ、ゾウさん達に関わる数字で、●約7000(スリランカの2023年現在の総数) ●2割増(10年前と比較したゾウさんの数の増加率) ●約5%(年間ゾウさん達の死亡率) ●約360(ゾウさん達の2023年死亡予想数:全原因含む)が上げらており、限られた森林(ゾウさんの住む場所)で今後彼らが増え続けると、人間の住む場所への出現率が増し、犠牲になるゾウさんは指数的に増えていくと予想されます・・実際、北海道の8割ほどの国土にゾウさんが七千頭、更に近年の人口増加、都市開発によりゾウさんの住みかである森が伐採され、居場所の少なくなったゾウさん達が周辺の田畑や住民の村に出現するのも仕方のない事なのかもしれませんね・・・
人間の住む場所での出現率が増せば、高いお金をかけて国立公園サファリに行かずゾウさん達に会える絶好の機会とも言えますが、いやいや実際は住民にとって、実った作物を泥棒されたりと死活問題・・今までこの問題に寛容だったスリランカ政府も重い腰を上げ、早急に対策を検討し始めています。
例えば列車事故防止のためには、現在の視認システムでは限界があります。例えばゾウさん達の進む速度が4㎞/hとすると秒速約1mとなり線路の幅が4~5mとすると渡るのに4~5秒かかるわけです。一方列車は時速80㎞とすると秒速約23m進むわけですから、4~5秒で100m進みます。つまり、線路を渡るゾウさん達が100m先に列車を見つけても渡り切る前に列車にぶつかるという予測がつくわけです・・ちなみに80㎞の列車は停止するのに1㎞程かかるといわれていて、100m前のゾウさんに高速で衝突するのは避けられません・・さてどうしたものか・・ゾウさん達の世界には踏切なんてありませんので、人間側が対応しないとならない訳ですが、ゾウさん達の行動をGPS観測するだとか、高圧線で線路に入れないようにするだとか、いろいろ多案が出ているようです・・ただ私が思うに、ゾウさん達の生息地はほぼ集中しているので、その区間だけ徐行するのが一番の解決策になるのではと思うわけです。
スリランカの鉄道は普段から1~2時間遅れなどザラでして、更に国民は時間に寛容ですので、特にこの国に限っては、ゾウさんの住む地域を徐行するのは何でもないことだと思うのですが・・元々のんびりな国なのですから😊
●ゾウさん達と共に
仏教徒が7割以上を占めるスリランカでは紀元前五世紀の仏陀誕生に際し、母君(摩耶夫人)が白いゾウさんが胎内に宿る夢を見て仏陀誕生となった伝説があることから、ゾウさんは、仏の使いと信じられているようです。
スリランカの寺院の門や塀には必ずゾウさんの彫刻や像があり、仏教行事(例えばペラヘラ祭など)には必ずゾウさんが参加しますし。もっと言えばゾウさんが住んでいる寺院もちらほら・・恐ろしいことに番犬ならぬ番ゾウも散見します(笑)。
さらに遡れば紀元前十世紀から始まったインドのヒンズー教・・そろそろデワリの季節ですが、お祭りに登場するガネーシャ神は、インドでは「困難や障害を取り除き福をもたらす神」として知られており顔はゾウさんですよね・・このようにゾウさんは神や仏の化身として、古代から私達の住む南アジア全体の困難や障害を取り除いてくれていたのかもしれません。
2019年同時爆破テロ、2020~2022年コロナ、2022年~経済崩壊と、丸三年以上の天中殺のごとく困難と障害に直面していますが、この国は世界のどの国よりもゾウさん達を大事にし、また仏陀の教えである「生きとし生けるものは皆幸せであれ」を実践している国ですので、きっと神や仏のご加護で立ち直れるのではないかと信じています😊
安全に旅してこそ楽しいご旅行 by Srieko Holidays
2023年10月1日 山倉義典