スパイス・トレール Sri Lanka
スリランカの食生活において、スパイスは重要なポジションを占めています。
スリランカ料理に用いられるカレー粉が、そのスパイス数種を原料としているせいですが、スパイスの量・混ぜ合わせ方によって、千差万別のカレー粉が出来上がるからです。
各家庭それぞれに秘伝?のブレンドの仕方があり、それによって、スリランカ・カレーも様々な味が生まれるわけです。
一方スパイスによっては、スリランカの伝統医学アーユルベーダの薬として使われる場合もあります。スリランカでスパイスは、料理のみならず、人々の生活と密接に関わり合う宝物なのです。
😊マダムSriekoのツブヤキ 某アーユルヴェーダ・クリニックのオイルはカレー粉の香りが。代々続く秘伝のオイルらしい。スパイス=宇宙の神秘か。
代表的なスパイスご紹介
●ターメリック(Turmeric) : 日本名 ウコン
- クルクミンという黄色い色素をもつため、着色料として、色付けに使われる。
- スリランカ人は、なぜか“サフラン”(インドでとれる高価なスパイス)と呼んでいる。
アーユルベーダ : 体を温める。殺菌作用をもつ。胃潰瘍、咳、湿疹に効く。
●タマリンド(Tamarind)
- 酸味がとても強い。
- 肉、魚のカレー、もしくは砂糖漬けとして使う。
●カプシカム(Capsicum Chillies)
- トウガラシの一種でピーマンに近い。
- 他のチリに比べ、辛さが強くないため、スパイスというより、野菜として用いられる。
●カリーリーブス(Curry Leaves)
- 炒めると、独特の香りがでる。
- 各種カレーに香り付けとして用いる。
アーユルベーダ : 体を温める。解毒・殺菌効果がある。消化を助ける。コレステロールを下げる。
●コリアンダー(Coriander) : 日本名 コリアンダー
- セリの仲間。その香りと苦みで肉、魚の臭みを取る上、防腐剤の役目も果たす。
- 茶として飲むこともある。
アーユルベーダ : 解熱、頭痛,風邪に効く。利尿作用がある。
●サフラン(Saffron Crocus)
- クロッカスの花のめしべで、きれいな赤色をしている。主に、インド原産。
- 最も高価なスパイスといわれ、スリランカではターメリックを代用する。
- サフランライス等、料理の着色(黄色)として用いる。
●シナモン(Cinamon) : 日本名 桂皮
- クスノキ科の常緑樹の樹皮。上品な甘みとかすかな辛みがある。
- 菓子に用いられる他、コーヒー、紅茶、カレー料理にも用いる。
アーユルベーダ : 体を温める。消化を助ける。
●ライム(Lime) : 日本名 ライム
- ミカン科。レモンのような香りだが、酸味がもう少し強い。
- ジュース、ドレッシング、魚の揚げ物にふりかける。
アーユルベーダ : 水分補給・ビタミンC補給。整腸作用。虫さされに、殺菌作用がある。
●フェンネル(Fennel)
- セリ科の種子。甘さがある。
- 菓子の他、カレー(主に魚)、漬物にも用いられる。
アーユルベーダ : 胃腸の働きを助ける。
●ペッパー(Pepper) : 日本名 胡椒
- 未熟の果実を乾燥させると黒胡椒、完熟果実をしばらく水につけ、外皮を取り除くと白胡椒となる。
- 肉料理を中心に用いられる。防腐効果があるので、肉の保存にも用いられる。
アーユルベーダ : 体を温める。生理痛、糖尿病に効く。胃を丈夫にする働きがある。
●レモングラス(Lemon Grass)
- レモンとしょうがに似た味で、茎の部分は、特に香りがよい。
- タイ料理で広く使われる他、ハーブティーにも用いられる。
- カレーの香辛料の他、肉、魚の臭みをとるために使う。
●クミン(Cummin)
- セリ科。香りが強く、苦みもある。
- そのまま油でいため、カレーに使う。粉にして用いる場合もある。
- チーズやパンに用いることもある。
アーユルベーダ : 体を温める。胃腸の治療に用いる。
●グリーンチリ(Green Chillies) : 日本名 唐辛子
- ナス科。細く、緑が強いほど、辛さが強い。
- レッドチリを使わないカレーに用いる。
アーユルベーダ : 体を温める。食欲を促す働きがある。風邪に効く。
●クローブ(Clove) : 日本名 丁子
- 丁子のつぼみを乾燥させたもの。香りは強いが、バニラの香りも含む。
- 殺菌力、防腐力が強く、肉料理を中心に用いられる。デザート料理にも用いられる。
アーユルベーダ : 体を冷やす。歯の痛みに効く。コレステロール、心臓病によい。 防虫効果がある。
●ココナッツ(Coconut Palm) : 日本名 ココヤシ
- ヤシ科。ココナッツの木や葉から、300種ものさまざまな生活用品が出来上がる。
- 花のつぼみから絞り出した液を発酵させ、アラックというローカルの酒をつくる。
- 花の蕾や茎は野菜、果肉は食用油、果肉(ココナッツミルク)はカレーに用いる。
- スリランカの生活でなくてはならないスパイス。
アーユルベーダ : 体を冷やす。解毒に用いる。養毛・発育に効果がある。
●コッチ(Kochchi)
- ナス科。トウガラシの中で一番小さいが、辛さは強い。
- 主に、肉料理に用いる。辛さが強すぎ、色が出ないため、カレーにはあまり使われない。
●ディル(Dill)
- セリ科。甘い香りがする。主に、魚料理に使う。
- 生の葉と種子を酢につけ、ドレッシング(ディル・ビネガー)として用いる。
アーユルベーダ: 体を温める。睡眠効果がある。種を煎じて健胃剤とする。体内のガスを取る働きがある。
●ドライレッドチリ(Dried Red Chillies) : 日本名 鷹の爪
- グリーン・チリが熟し、赤くなったものを乾燥させたもの。
- ほどよい辛さときれいな赤色から、さまざまなスリランカ料理に用いる。
アーユルベーダ : 体を温める。食欲を促す。防カビ効果がある。風邪に効く。
●ナツメグ(Nutmeg) : 日本名 ニクズク
- ニクズクの木の実の種子を乾燥させたもので、ほのかな甘い香りがある。
- 肉料理の臭みを取るために使われる。カレー、デザートにも用いる。
アーユルベーダ : 体を温める。整腸作用、胃を丈夫にする作用がある。
●カルダモン(Cardamon)
- ショウガ科。ミントを甘くしたような香りがする。
- 肉料理を中心に、カレー、スープ、ピクルスにも用いる。
- 粉末をパンやコーヒー・紅茶に入れる。
アーユルベーダ : 体を冷やす。殺菌作用、利尿作用がある。肥満防止に効果がある。消化を助ける。
●スターアニセ(Star Anise) : 日本名 ハッカク
- シキミ属トウシキミの果実を乾燥させたもので、セリ科のアニスに似た香りを放つ。
- 肉、魚料理の臭み消しに使い、スリランカ料理には欠かせない。またお茶としても飲まれている。
アーユルベーダ : 消化促進、食欲増進、吐き気予防、利尿作用、生理痛に緩和などに効く。また心を刺激し、活性化させ元気を与えてくれる。
●ガーリック(Garlic) : 日本名 ニンニク
- ユリ科。ビタミンABC、硫黄、ヨウ素を含み、強壮作用がある。
- 肉、魚料理の臭み消し、もしくは薬味として用いられる。
アーユルベーダ : 体を温める。疲労回復、生理痛に効く。高血圧やコレステロールにも効果がある。
●マスタード(Mustard) : 日本名 カラシ
- カラシ菜の種子を乾燥させたもの。種子に辛みはなく、粉にして練ることで辛さがでる。
- 酢を加え種をつぶして、カレーに入れる。揚げ物の際は、油の中に粒のまま入れる
- 粉末は練ってから10分前後に辛さがほどよくなる。時間がたつと、辛みは薄くなる。
アーユルベーダ : 体を温める。殺菌、防腐効果がある。
●ミント(Mint)
- シソ科。香りと味がハッカに似ている。
- ペパーミント、スペアミント、パイナップルミントなど種類が豊富にある。
- 肉料理を中心に、デザート、ミント・ティーなど、さまざまに用いられる。
アーユルベーダ : 口臭防止、解熱作用がある。胃を丈夫にする働きがある。
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*大航海時代、西欧の列強諸国はスパイスを求めて、東へ東へと航海しました。遠い古を思い、お気に入りのスパイスを求め、スリランカ巡りされるのもまた楽しい旅になる事でしょう。