8月7日 2020年スリランカ・国政選挙結果
スリランカの国会議員(1院制、225議席)を決める国政選挙が8月5日に行われました。
翌日6日に開票が行われ、昨年11月に大統領に就任したゴタバヤ・ラジャパクサ氏のスリランカ人民戦線(SLPP)が全議席の三分の二に迫る145議席を獲得しました。
SLPPの党首は、大統領のゴタバヤ・ラジャパクサ氏の兄のマヒンダ・ラジャパクサ氏で、今後手続きを経て首相に就任の予定。
兄のマヒンダ・ラジャパクサ氏は、2009年にスリランカの30年にも及ぶ内戦を終了させた国民の英雄です。2005年~2015年に大統領を務め、中国一帯一路政策にのり巨大インフラ整備(ハンバントタ港開発、マッタラ国際空港開発、コロンボポートシティー開発など)を押し進めスリランカ経済の活性化を策定しましたが、残念ながら今も国の経済を飛躍的に引き上げる成長産業は育っておらず、中国からの莫大な債務のみが残っています。
今回の総選挙の結果、ラジャパクサ一族の政権支配(大統領ゴタバヤ氏、首相マヒンダ氏、他、兄弟子供も政権の要職)が強まる事が予想され、SLPPの議席も憲法改正が可能な三分の二に迫っているため、今後の政局が偏った方向に行かぬか一抹の不安がありますが、議員の方々は「民衆は今回の選挙で、今後のスリランカの復興を今一度ラジャパクサ一族とSLPPの議員さん達に託したのだ」と考えて頂き、スリランカの人々がよりよい生活を送れるよう、透明性の高い政権運営と出来るだけ早い経済の復興を願いしたいと思います。