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1月25日 IMF再生融資と中国の影響@スリランカ

2023年1月25日/Srieko配信

 

スリランカ政府の動きがザワザワしてきています。

 

債務再編への中国の協力

今週に入り、主要メディア各社がこぞって取り上げているのが、スリランカ再生のカギを握るIMF再生融資の最終合意が纏まりそうだという話題・・昨年9月頭に実務レベルで合意されたIMF再生融資でしたが、中国の債務再編への非協力的な態度で、最終合意が昨年末の当初のターゲットまで纏まらず延び延びになっており、この先いつ纏まるのか懸念が噂されていた矢先の事でした。

依然、経済危機による燃料不足による停電(昼1時間、夜1時間半の計2時間半程)は連日続き、デモなどの政府に対しての抗議行動もコロンボを中心に頻繁に起きており、急激なインフレのなか市民の不満は爆発寸前なのは周知のとおり、一刻も早く再生融資が始まり経済復興してほしいのは、市民の切実な願いなのです・・そしてここに来て、最後まで債務再編に非協力的だった中国は、国際社会のスリランカ救済の機運には逆らえなかったようで、国際社会からの非難をかわすためか先週から渋々ながら協力姿勢を見せていました。

これでIMF再生融資開始の最低条件であった債務再編が進み、融資が始まればスリランカ経済は、立ち直っていくのではないかと期待したいところです。

 

協力はIMF再生融資の必要十分条件なのか?

ただし、前ラジャパクサ政権と現政権に期待を裏切られ続けている野党は、今回の中国の協力姿勢への転換を懐疑的に見ています。また私もかなり懐疑的に見ています。

というのも、各社報道によると中国政府の協力案は、1月19日付けでスリランカ財務相宛に中国輸出銀行から書簡で届き、融資の元利金(28億3000万米ドル)支払いを2年間猶予するとともに、スリランカがIMF再生融資を受けられるよう後押しするという内容でしたが、元利(約28億米ドル及び9%と言われる高利)を減額していない事、中国輸出銀行からの協力だけで中国からの他債務(2国間債務は2022年6月時点で約73億米ドル)に言及していない事、2国間債務全体での償還期限の抜本的な見直し(延長、免除など)を言及していない事などから、スリランカ政府は、大きな期待に反し小手先でお茶を濁された形となっています。

 

 

貸した方にも責任がある

問題は、IMFがこの中国の対応を受け止めて、どう融資の承認をするかどうかという事です。報道によれば、事情に詳しいスリランカの関係者は、今回の書簡だけではIMFからの融資承認を得られないかもしれないと懸念を示しているとの事・・また、更なる債務再編要求を中国にすれば、政府は北京から今まで以上の圧力を掛けられるのは必定で、なんとも現スリランカ政府にとっては難しいかじ取りを迫られる事となりそうです。

開き直るわけではないですが、返済できない程のお金を貸し付け、返済できないと領土を搾取する中国の「債務の罠」に陥ったわけですので、貸した方にも責任が有るはずです・・北京のスポークスマンや在スリランカ中国大使がいつも言っているように、スリランカの将来を考え、真の友達としてスリランカを一貫してサポートする意志が本当に有るなら、このような小手先だけの茶番は止めて、大国らしく「出世払いに切り替えましょう!」くらいは言って欲しいものです。いままで十数年に渡りラジャパクサ政権と組み、十分すぎる程、この国民の利益を搾取してきたのですから・・。

 

追伸

日本政府は、IMF再生融資の目途が見えたと思ったのか、コロンボ国際空港第二ターミナル建設(デフォルトによりIMF再生融資が始まるまで建設を中断)を先週再開しました。在スリランカ日本大使も出席し、建設再開の調印をしたのでしょうが、IMF再生融資絡みで再度中止とならない事を願うのみです。

 

 

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