1月28日 ひたひたと迫る財政危機と生活難!
三日に一度は、燃料不足による停電騒ぎ・・明日の事は中央銀行やエネルギー相に聞いてくれ!とばかり電気の供給が不安定で、責任のなすりつけ合いが起こっています。先日はセイロン電力庁総裁の突然の辞任劇・・いったい何が起きてるんでしょう。
セイロン電力庁の発電所は、水力発電、火力発電(液体燃料、石炭)が主力となっており、政府の外貨不足により発電用の燃料が慢性的に不足し、各火力発電所が臨時停止・・安定した電力供給が出来ない状態に陥っています。
季節的に西海岸では3月末頃まで乾季続くため、3月には水力発電の能力も落ちると予想され、しかも一年で一番暑い季節を迎えるためエアコン需要が増えると想定されており、火力発電の能力が上がらない限り、深刻な電力不足が起きそうです。
*一日の発電能力とピーク時の需要・・発電能力の26%を水力発電で担っている。
現在も今夜から停電か!?明日からか?という報道が毎日行われていて、市民は心休まる暇がないほど・・新聞報道ではアフリカ最貧国並みの停電が起きるかもしれないと言われており、今後の経済への悪循環が心配されています。
●スリランカ、3月より電力不足に、割り当てになる可能性あり 1月27日Daily Mirror記事
一方、これから収穫期(2月~4月:マハ・シーズン)を迎える米をはじめとした農作物も大問題・・
昨年5月から始まった大統領肝煎の有機農業推進で、化学肥料を急に輸入禁止にし肥料不足が発生したため、多くの農作物が予想したような収穫を得られず、食料不足が既に起きています。ミャンマーなどから米の緊急輸入をしたり、中国からコメの寄付があったりと前向きな報道はされていますが、一度壊れた土壌は直ぐに回復するものでもありません・・今後の米、野菜、果物などへの影響を考えると、直近では食料輸入に頼るとしても、中長期的にも食糧事情が大変心配になってきます。
●迫りくる食糧危機にフォーカス 1月20日 Daily Mirror記事
更に、欧米諸国や日本で感染爆発している武漢ウイルス・オミクロン株、スリランカでも徐々に感染が広がっていると思われ、今後政府の対応次第では欧米、日本のような状況になるかもしれません・・今のところデルタ株、オミクロン株の新規感染者は日に千人弱との報道ですが、PHI:Pablic Health Inspector組合の話では実際には二千人近く出ていて、病院は過密状態との事・・PCR検査自体が七千件程と低く、検査母数を増やせばかなりの感染者数となる事は自明です・・この辺も今後の動向に十分注意が必要といったところでしょう。
●武漢ウイルス感染者急増、病院は過密状態 1月27日 Daily Mirror記事
一見、建設業、輸出業、観光業共に回復基調にあるように見えるスリランカ経済ですが、長期に渡るパンデミックによる外貨不足が深刻化しており、各業種に与える影響は、仕入れ価格の増加という形でボディーブローのように効き始めています・・食料品、ガソリン、建設材、薬品など必需品が不足、急激なインフレを伴いながら、スタグフレーションが進行中・・一方政府は、どれだけ野党や知識層からの忠告にもかかわらず、頑なにIMF再生プランを拒んでおり、外貨準備高をはるかに上回る債務を抱えながら、目先の支払が済んだからと強気の発言をして国民の注意を逸らしているように見えます。
●スリランカ中央銀行総裁、IMF救済は必要ないと発言 1月24日 CNBC記事
スリランカは、今後どんなに感染爆発が進んでも経済活動を停止(ロックダウン)することはないでしょう・・
*最近開通した新ケラニ橋・・美しいライトニングだが、この灯りはいつまで見れるであろうか!?
もっと分かりやすく言えば、経済を動かし外貨を稼がないと国家がデフォルトを起こす危険性があるため、経済活動を止める訳にはいかないと言った方が良いかもしれません。
そういう意味では、今本当にクリティカルな局面に入っていると思っています・・政府の財政は危機的な状況で、綱渡り状態です。再生をするには、私達を含む企業、国民へ相応の大きな苦しみを与えるかもしれません・・しかしこの機を先延ばしにすると、子供、孫の代まで債務に苦しむのではないでしょうか・・ここは政府要人の方々に大英断をして頂き、一刻も早くIMF再生プランを採用し、国民にも返済計画を明確に説明、国民と共に国の財政を立て直す時期だと感じています。
綱渡り的な人生という生き方もありますが、あくまで個人での事・・やはり国というものは堅実かつ信用が一番でしょう。さもなければ遅かれ早かれ「ならず者国家」に転落です・・どの世界でも大人は、子供達、孫達に、誇りを持って幸せに暮らせる国を残してやりたいと考えていると思うのですが・・
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