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10月2日 マクロ経済と金融システム安定@スリランカ👨

 

 

先月に任命された、CBSLスリランカ中央銀行Ajith Nivard Cabraal(アジット・N・カブラル)総裁は、昨日10月1日「マクロ経済と金融システムの安定に向けた6か月ロードマップ」を発表しました。

【概要】

マクロ経済安定政策と金融システムの安定

●一桁台半ばのインフレ率を維持し、金利と為替レートの安定性を確保

●マルチ商法やその他の金融詐欺を抑制するための措置を継続

●市中銀行(許可のある)のITリスク対応の強化(ハッキング対策など)

●CBSL中央銀行のバランスシートは、段階的な原点復帰対策と、対外準備金の積み増しで強化

●モニタリングを強化し、金融機関のガバナンスを含むリスク管理の枠組み強化

●国民の意識改革を高めるとともに、グリーン基金を開始

●地域開発の取り組み強化、金融法に基づく消費者保護に関する新しい規制を策定

●CBSL中央銀行のサイトやSMSを通して、オンライン苦情受付ポータルを導入

●経営難の企業を支援、不良債権の増加防止策の為の「株式基金 Equity Funds」の設立促進及び「クレジット相談所 Credit Counseling Centres」と「投資相談所 Investment Advisory Centres」を地域事務所に設置予定

●9月に外貨制限として出された、必需品以外の輸入品L/Cに対する現金証拠金の要求は、直ちに撤廃

●2022年1月および/または2022年7月に満期を迎えるISB(国が発行している債券)については、市場で高い割引率が得られるのであれば、発行済みのISBをすべて買い戻す可能性も検討

 

*中央銀行新総裁アジット・N・カブラル氏

また、一桁台半ばのインフレ率を維持し、金利と為替レートの安定性を確保するという6か月ロードマップに従い、減少する外貨準備高を補充するための具体的処置をとると発表しました。

●昨今の外貨規制にもかかわらず、輸出収益の大部分が本国に送金されておらず、ルピーへの変換がされていない事を問題視しており、本国への送金や換金を行っていな輸出業者の収益には、優遇税率14%ではなく、通常のを28%の税率を課税するよう政府に要請

*参考

輸出業者へは2021年2月18日より以下の内容が義務付けられています。

●出荷日から180日以内に輸出されたすべての商品について、スリランカで輸出代金を受け取る

●輸出業者は、本規則で定められているようにスリランカで輸出代金を受領した場合、直ちに、スリランカで受領した当該輸出代金の総額のうち25%を、認可された銀行を通じてスリランカ・ルピーに変換しなければならない。

 

 

◆記事原文 現地メディアAdaderana News 01Oct2021 

Central Bank unveils six-month road map for Sri Lanka’s economy

◆課税率変更の件原文 現地新聞Daily Mirror 02Oct2021

Mandatory conversion of export proceeds to be strengthened

◆参考の件原文 現地メディアNews 1st 20Feb2021

25% of export proceeds must be converted to LKR; says CBSL

 

 

👨産業構造の脆弱さからくる慢性的な外貨不足のスリランカ、パンデミックによる経済的な打撃も深刻で更に外貨不足が進んでいます。

一般市民の賃金は下がり、物価は急上昇している中、9月に突如、中央銀行総裁が交代し、昨日6か月のロードマップが発表されたわけですが、内容は金融引き締め傾向・・経済活性化に必要な金融緩和への政策に乏しく、 場当たり的で斬新さにかけるように感じました。

ただ今回、9月に外貨制限として出された[必需品以外の輸入品L/Cに対する現金証拠金の要求]は直ちに撤廃し、今年2月に発行された、[輸出業者の外貨収益に関する本国送還とルピーへの変換の規制を今後強化]するという内容は、対象が輸出業者の外貨収益という事で金額的パイも大きく、中央銀行がしっかり輸出業者取り締まることが出来れば、短期的な外貨獲得には大変有効だと思います。

しかし中長期的に重要な事は「マクロ経済の安定」であり、資源が乏しく地場産業の限られるスリランカでは、新たな産業を含め産業構造を多方面に大きく拡大するために、やはり外国資本を無くしては語れません・・そういう意味では、中長期的にバランスよく金融緩和を進めて行かないと、外国資本は集まるどころか逃げ出してしまうのではないでしょうか・・

なんだかんだ言っても、外貨を中長期にわたり潤沢に獲得してこそ経済が安定するというもの・・ロードマップが絵に描いた餅にならぬよう願いたいものです。

 

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