3月6日 カード停止・・侵略戦争の代償と影響
2022年3月6日/Srieko配信
ウクライナに侵略戦争を仕掛けるロシア、西側諸国の力を借りながら何としても自国防衛に成功したいウクライナ・・ロシアの侵略が始まって一週間以上経ち、皆さんご存知の通り大変な状況になっています。
西側諸国一体となって、ロシアに対しかつてない程の異次元経済制裁(銀行から資産家まで取引停止・資産凍結・Swift除外など・・)を行っていて、制裁は経済だけではなくスポーツに至るまで、ありとあらゆる分野で始まっているわけですが、ここに来て、VISA・Master等の大手カード会社がロシアとの取引を停止するというニュースは、西側諸国の本気度を改めて感じています。
ご存知のように旅行をする時に必ず使うクレジットカード・・現代では航空券購入、ホテルの支払、ちょっとした買い物などには、現金より大切で便利な決済手段ですので、これを止められると海外では何も出来なくなるというものです。
スリランカは周りの国(タイ・マレーシアなどの観光王国)に比べ、早めの入国規制緩和が功を奏し、またロシアとの国交65周年を記念して直行便半額キャンペーンなど行っており、年末より白人・インド人を中心に多くの観光客が訪れています。その中でも、半額の効果は絶大なのか、ロシア人が訪問者数トップ、それにインド、UKなどが続いています。
例の侵略戦争が始まってもロシア人のスリランカ訪問は止まっておらず、現在のロシア人滞在者は1万2千人弱・・一方戦争が起こり国際便が停止に追い込まれ祖国に帰れなくなっているウクライナ人滞在者も4千人弱となっており、スリランカ政府は、3月頭に両国の滞在者について、2か月間の滞在ビザ無料延長の優遇処置を決定しました。
●スリランカは依然ロシア人観光客を歓迎 Daily Mirror 3月2日
侵略され空港が閉鎖されているウクライナ人に対しての優遇処置は人道的に十分わかります。しかし問題はロシア人への優遇処置・・「何故空港が閉鎖されておらず、帰ろうと思えば帰れるロシア人を!?」という有識者の意見は多く、政府のこの措置に私自身も腑に落ちないところは多々あります・・概ね政府は某国からロシア援助の指導をされているか、何か政治的・経済的な下心あっての事と予想できますが・・
もしロシア人とウクライナ人が同じホテルに宿泊していたら、お互いに良い気はしないでしょう!騒動が起きる可能性すらあり、普通に考えれば、ロシア人にはビザ無料延長などせず、当初の予定に沿って帰国を促すのが、この国の取る道ではないでしょうか。
案の定ここに来て、ロシア人への観光ビザならぬVISA・Masterカードのサポート中止です。
●米ビザとマスターカード、ロシア事業停止 ウクライナ侵攻受け ロイター通信3月6日
ロイター通信社によれば「米クレジットカード大手のVISAとMasterは5日、ロシアでの事業を停止することを明らかにした。ロシアによるウクライナ侵攻を受けた対応。ロシアでの全取引の停止に向けて、クライアントやパートナーと調整するとしている。 VISAは、ロシアで発行された同社カードは数日以内に海外で使用できなくなり、ロシア国外で発行されたカードはロシアで使えなくなると説明。Mastercardも、ロシアの銀行が発行した同社カードは今後、マスターカードの決済網でサポートされないとしたほか、ロシア国外で発行された同社カードは、ロシアの商店やATMで使えなくなるとした。」とあり、スリランカ政府と宿泊サポートをしているホテルなどは、この報道を受けどうするつもりでしょうか!?・・
VISA・Masterカードを利用するロシア人がどれだけいるか分かりませんが、少なくとも回収リスクが上がる事は否めません・・スリランカ政府はこの事に対してコメントはしていませんが、そういう状況も想定して無料ビザ延長措置をしているのなら問題ないと思います・・さてどうでしょう!
世界情勢を考えれば、銀行資産凍結、Swift排除となれば、カード会社自体の決済方法が限られてくるので、カード会社はカード利用のサポートを止めるのは必須です・・スリランカ国内では経済危機に直面し、停電、薬・燃料・輸入品の不足、急激なインフレなど数々の問題が起きており、外貨が喉から手が出るほど必要なのは分りますが、ロシア人への滞在ビザ無料延長措置は、結果、復活の兆しが見える旅行業界に、大きく水を差す結果になりそうです。
スリランカのホテルは、お金のない人間には結構シビアに対応します。無料滞在ビザ延長で優遇されていたロシア人も今回突然のカード・サポート打ち切りで途方に暮れるのでは・・その怒りが独裁者プーチン氏に向かってくれれば、良いのですが・・ビザで優遇され、VISAで苦しむ・・まさに「天網恢恢疎にして漏らさず」とはこの事だと思います。
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