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5月1日 「債務の罠」脱出可能か、国家再建の願い(後編)

2022年5月1日/Srieko配信

 

前編では、IMFへの緊急融資要請、債務の罠になぜ嵌まったのか、経済危機に直面する国民の抗議行動を紹介しましたが、後編では、スリランカ大手企業の対応、スリランカ国民の国家再建への願いを配信します。

 

●スリランカ大手企業の対応

スリランカ大手企業はその歴史・資本力・政治力をバックに、この史上最悪の経済危機でも苦しいながらも比較的安定した収益を上げているようです。その中でも中堅に位置する比較的新しい会社Softlogic社が、この経済危機を乗り切るべく素晴らしい声明文を出しています。一企業がこれだけ国民の事を考え、国を変革していこうと強い意志で国民の後押しを行っている事に、共感を覚えます。

このSoftlogic社は、ICT(情報通信産業)、健康関係、小売、金融サービス、自動車、レジャーに従事するスリランカの多様な複合企業です。ちなみに私達はデパート(Odel)やスーパー(Glomark)などでお世話になっています。

 

 

以下Softlogic社の声明文です。

●Softlogic社声明文(原文)

●声明文要約

我が国は歴史上経験した事のないような経済危機に直面しており、一般市民の生活は崩壊寸前となっており、政府に対する前例のない抗議行動が起きています。

多くの国々が今まで経験した事のないパンデミック後の復興という課題に直面しており、どの国の政府も解決策を見出すのは容易ではありません。

わが国では、ガス・電気・水の供給が十分でなく、食料が高騰しているなど一般市民生活が難しくなっており、市民は助けを求めて声を上げています。このような抗議行動を鎮める事は無責任であり、むしろ何万人ものスタッフを抱える責任ある雇用者として、私達国民が現政権担当者に実行可能な効果的な解決策を実施するよう抗議行動を行う事を求めます。

私達の行動が正しいのか、間違っているのか求められているのです。私達は良心を持って行動しなければなりませんし、大衆の声は、しばしば解決策のヒントに役立つものであることは疑いの余地がありません。

ソフトロジックでは、ビジネス環境の中で、全ての人のためになるようなビジネス精神を貫いています、私達のモットーは、常に奉仕することです。お客様を第一に考え、従業員や株主は、間違いなくお客様に奉仕することで利益を得ています。同様に、国が利益を得れば、私たち全員が利益を得ます。

平和、自由、安全は、誰もが持つ基本的権利です。私達の社会は同じ信念を持つ複合企業のようであり、いつも同じ願望と同じ鼓動を持っており、私たちは世界最高水準の真実に裏付けされた普通選挙権(デモクラシー)の原則を守り抜かなければならないのです。

変化を求める強き志を持った抗議行動と人々の集まりは、今まさに深い真実の探求を求めています。私たちは助けを求める「国民の悲鳴」に耳を傾け、深い思いやりと正義をもって応えなければなりません。真の正義は、大衆が自らの行動の意味と願望を理解し、それぞれの宗教の根底に流れる教えを、自らの手で掘り起こすときにのみ発揮されることでしょう。

私たちは、多くの従業員を抱え、さらに多くの顧客を持つ責任ある組織として、真実の光が勝ち、歴史の中で最も暗い瞬間が、より深い理解、忍耐、信念、寛容をもって前進する転機となることを常に願っています。

今目にしている抗議行動は、この国を前進させ、大きな力で私達自らを変革することができるものです。今こそ本当の目覚めの時であり、団結の中にリーダーシップと共通の認識を見出し、平和、自由、安全を見出すことができるのです。

スリランカは、これまで何度も激動の時代を乗り越えてきました。友好国、二国間パートナー、多国間資金提供機関が危機感を持って支援すれば、同国の経済活動を正常化できるものと期待しています。この重要な時期に、私たちはすべての党派的な考えを排除し、超党派的に協力することを強く求めます。党派的な解決策を期待するのではなく、国を第一に考えることが、今求められているのです。経済の安定には、安定した政府が必要不可欠です。もし、国民の意志がまとまれば、国を良くするためにすべての力が結集され、私たち国家はかつてないほど強くなることを確信しています。

私たちは、スリランカの未来のために団結していきます。  おわり

 

●スリランカ国民の国家再建への願い

一般市民の生活と怒りは限界に来ていると思います。おりしも本日は5月1日メーデー、全国各地で大規模な抗議行動が起きており、警察・軍隊との衝突が危惧されます。

調理用ガス価格は半年ほど前の3倍ほどに跳ね上がり、それでもガスを入手できれば良いほどで、市中にはガスがほとんど無い状態・・一部市民は薪で煮炊きを強いられています。ケロシン(石油)が手に入ったときはケロシンコンロを使うようですが、停電で真っ暗な中、蝋燭の僅かな光の下、焚き木で調理する生活を想像してみてください。しかも必要な食料も薬も十分手に入らず、スーパーに行けば毎度価格が上がっていては、「どうやって生活する?」どころではありません。

 

*物価は毎日上がるほどの激しさ、ほんの半年前2021年10月頃まではRs200で左のライスカレーが楽しめたのに、今では同じものを楽しむには2倍~3倍の価格・・今Rs200で右の侘しい食事が出来るかどうかも疑わしい・・差ほど収入の上がらない市民が怒るのも無理はない。

 

このような危機的状況を引き起こしている「債務の罠」、それに深く関わった張本人のゴタバヤ・ラジャパクサ大統領とマヒンダラ・ジャパクサ首相兄弟の退任を要求し、各地で増々抗議行動が激しくなっているのは、本当に共感できますし真実を突いていると思います。私の確認した範囲でも9割以上の人々がラジャパクサ兄弟の退任を求めています。

しかし大統領・首相兄弟の退任だけでは、この国の復活はありえません。政権を国民にもどすべく、国民の意志を反映した超党派からの大統領選出を行い、今後は国民の声が反映されるべく民主的権限や法整備を行うことこそ重要ではないでしょうか。

また今回の経済危機を引き起こした「債務の罠」に関わった国や人々と、今後距離を置くことも重要になって来ると思います。

更に今の巨大な債務を関係国・関係者と整理し、IMFや世界銀行から安定した融資を受けながら、計画的に再生していく道を選ぶのが良いかなと思っています。多少の不便や苦しみは伴うと思いますが、先の見えない今の危機的状況比べ、未来が見えているぶん国民も耐えられるのではないでしょうか。

 

 

親なら子供・孫の幸せな将来をいつも考えているもの・・国民主導のデモクラシーでこの国の国家再建を願うばかりです。

 

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