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5月17日 スリランカ新首相の約束👨

2022年5月17日/Srieko配信 写真Daily Mirrorより

 

激動のスリランカ・・連日の長時間停電に嫌気がさし、2か月ほど前に発電機を購入、「快適快適これで乗り切ろう」と思っていたら、最近はガソリン・ディーゼル・石油等燃料入手に3時間以上かかることもざら・・「まさかここまでになるとは、燃料無ければ意味ないじゃん・・」と愚痴を言っても始まらない・・ちなみに調理用ガスも一般市場でほとんど無くなり、空のガスシリンダーが販売店前に虚しく並べられている・・置物・飾り物じゃないんだからさ!とぼやいてしまう。

おまけに医薬品、食料が不足、外貨不足による急激なルピー安で物価は一年前の3倍、4倍に・・一般市民は三食ままならず、一食になっている人もいるらしく、刻一刻と一般市民の生活環境は悪化の一途・・こんな事が平気に身近で起きているんですから、これが「債務の罠」の現実だと言われれば、そうなんでしょうけど、なんだか納得できず平衡感覚がおかしくなるというものです。

モンスーンの影響で風雨の強い日が続きまが、雨の日も風の日もガス供給車を待って置かれている空のシリンダーを見るにつけ、哀れで寂しい気持ちになるのは私だけでしょうか・・

 

*モンスーンで雨の降る中、数時間並ぶ・・

*数時間並んでやっと購入できるのはバイク約6リットル、トゥクトゥク約9リットル、車約24リットルの上限

 

深刻な経済危機を引き起こしているラジャパクサ大統領一族(4兄弟)の独裁政権は、2か月近く続く国民の激しい抗議行動により、一人崩れ、二人崩れと、少しづつ政権崩壊が見えてきましたが、最後に残る本丸ゴタバヤ・ラジャパクサ大統領が粘りに粘っており、このままでは国民の崩壊が先か、政権崩壊が先かと根競べのような持久戦状態になってきました。

 

 

先週は首相のマヒンダ・ラジャパクサ首相が退任させられた事に不満を持つ政権擁護派市民が、政権反対派市民への大規模な暴力行動を行った事が発端となり、コロンボを中心に全国的に大きな暴動へ発展、国家非常事態宣言・外出禁止令が発令され、少し落ち着いてきましたが治安の不安定が続いています・・

大統領の退陣を求める国民の抗議活動は増々激しくなっており、今後更なる治安悪化も予想されるため、外出は出来るだけ効率的に済ますよう心がけています。

 

かくの如く政治・経済大混乱の中、退任した前首相のマヒンダ・ラジャパクサ氏に代わり、先週の5月12日(木)に野党UNP(United National Party)のラニル・ウイクラマシンハ氏が新首相として任命され、早速週明けの5月16日(月)に国民への演説を行いました。

 

*首相任命式・・左ラニル・ウイクラマシンハ新首相 右G.ラジャパクサ大統領

 

ラニル・ウイクラマシンハ氏は一つ前の連立政権で首相経験があり今回が二度目・・国際感覚豊富で透明性のあるクリーンな政治家というイメージ・・スリランカの政治家では異色の学者肌でインテリゆえに敵も多く、前連立政権では政権内で政策調整がうまく進まず、結局斬新な政策を何も打てなかった印象ががありますが、今回は少し周りの環境が違うようです・・

というのも今回の経済危機は、ゴタバヤ・ラジャパクサ政権の「楽観的で甘すぎる現状認識」、「不透明すぎる短・長期政策の断行」、「莫大な負債=債務の罠の原因となった某国寄りの政策」等により国民は普通の生活が出来なくなり、将来も見えない不安な状態に怒っているわけです・・いつまで我慢すればこの苦痛から回復できるのか?将来子供たちが安心して住める国を残せるのか?国民には明確な目標(再生計画)と希望(将来像)が必要なのです。

そういう意味では、国際感覚を持ち合わせ透明性のある政治が持ち味のラニル氏は、某国頼り一辺倒の政策を断ち切り、世界の国々とより広く関係を広め協力し合い、国民に今後の再生政策を分かりやすく伝える事が出来ると期待できそうです。

 

 

しかし政治は首相一人で出来るものではありません、しっかりした骨太の内閣があってこそラニル首相の目指す政治が出来るのだと思います・・前回のラニル氏が何もできなかったような連立政権にならぬよう、今度こそ国民は二千万人の目でこれから行われる政策を注視し、バックアップして行く必要があるのではないでしょうか・・

ただ今回私はあまり心配をしていません・・なぜなら、ここ数カ月の政府への抗議行動で、スリランカ国民の心は結束し、進むべき方向がはっきりしているからです・・ラニル新内閣がこの方向性に沿いながら、具体的な正しい政策を策定する限り、国民は彼らを支えていくでしょう。

問題は国の最高権力者のゴタバヤ・ラジャパクサ大統領・・95%以上の国民が抗議行動などで退陣を迫っていますが、この状況でも権力の座にしがみついています・・ラニル・ウイクラマシンハ新内閣の政策決定にも大きな影響があると考えられ、今後大きな問題となりそうです・・

スリランカの真の再生は国民の意志で為されなければなりません。そういう意味では、抗議行動の本当の本番はこれからだと言えると思います。

頑張れスリランカ国民!

 

 

◆ラニル・ウイクラマシンハ新首相の国民への演説 2022年5月16日(月曜日)

 

◆原文(英語) 5月16日Daily Mirror

◆要約文

先週の木曜日、私は内閣総理大臣に就任しました。
この職務は、政治的リーダーとしてだけでなく、国民のリーダーとして、また、コロンボ大学やオックスフォード大学法学部での無償の教育の恩恵を受けてきた者として、引き受けることになりました。

現在、スリランカ経済は極めて不安定な状態にあります。

●国庫:現状認識

*今年の歳入予算は2.3兆ルピー⇒歳入見込1.6兆ルピーが現実的な予測である。

*今年の歳出予算は3.3兆ルピーであるが、金利の上昇と前政府の追加支出により、歳出は実際4兆ルピーとなる見込み⇒財政赤字は2.4兆ルピーとなり、この額はGDPの13%に相当する。

*政府で承認された債務上限は3200億ルピー。5月の第2週までに、1950億円を使いました⇒残りは1250億ルピー⇒国庫短期証券発行の枠を3000億から4000億に引き上げる案を国会に提出することが昨日閣議決定した。

*外貨準備高は2019年11月時点75億米ドルでした。しかし、今日、100万米ドル以下⇒ガス輸入に必要な500万米ドルを調達するのは困難

●燃料:現状認識

*ガス・ガソリン・ディーゼルなど燃料購入に関する長蛇の列を解消するためには、数日以内に約7500万米ドルを調達しなければならない。

*現在、ガソリンの在庫は1日分しかありません。ディーゼル不足は昨日入荷した分である程度解消されるでしょう。インドとの信用取引で、5月18日と6月1日に到着する予定です。また、ガソリンは5月18日と29日に2回入荷する予定です。

*40日以上にわたって、原油と燃料油を積んだ船3隻がスリランカの海域に停泊している。支払うために、公開市場でドルを入手するよう努力している。

*電力の4分の1は発電用油でまかなわれている。そのため、1日の停電時間が15時間になる可能性があります⇒危機を回避するための資金をすでに調達している。

*火曜日に到着したガス代金の支払いにも取り組みます。消費者にガスを供給するために、2,000万米ドルを直ちに調達しなければならない。灯油、燃料油の状況はさらに切迫している。

●医薬品:現状認識

*もうひとつの深刻な懸念は、医薬品の不足です。心臓病の薬をはじめ、さまざまな薬が不足している。
心臓病の薬や手術用具など、多くの医薬品が不足している⇒支払いは340億ルピーにのぼる。

*さらに、国(State Pharmaceuticals Corporation)が輸入した医薬品についても、4カ月間支払いが行われていない⇒結果、製薬会社はSPCをブラックリストに載せる措置をとっている。

*私たちが必要としている14種類の必須医薬品のうち、重要な2種類さえも供給することができない⇒心臓病の治療薬と抗狂犬病ワクチンで、後者は代替療法がない⇒新たな代替予算を検討。

●他:現状認識

*甚大な損失を出しているスリランカ航空の損失は2020-2021年だけでも450億ルピーにのぼる。2021年3月31日までに、損失総額は3720億ルピーに達している⇒民営化を提案。
スリランカ航空を民営化したとしても、これは私たちが負担しなければならない損失⇒この損失は、飛行機に乗ったことのないこの国の貧しい人々でさえも負担しなければならないものだ。

*現在政府は1リットル当たり、92オクタン価のガソリン約84ルピー、95オクタン価のガソリン約71ルピー、ディーゼル約132ルピー、スーパーディーゼル約136ルピー、そして灯油は約295ルピーを負担している⇒石油公団は、もはやこの損失には耐えられない。

*同様に、電力庁は1ユニット当たりの電気料金は17ルピーだが、生産コストは約48ルピーである⇒1ユニットあたり約30ルピーの損失があり、これも深刻な問題だ。

●国民との約束

*現状では、石油公社や電力公社でさえ支払いを受けていない⇒意に反する事だが、今は国家公務員の給与や必要物資・サービスの支払のために、お金を印刷することを許可せざるを得ない⇒しかし、お金を刷るということはルピーの下落につながることを忘れてはならない。

*私は、国民に嘘をついたり真実を隠したりする気は毛頭ありません。このような事実は不愉快であり、恐ろしいことですが、これが真実の状況です⇒これからの数カ月は、私たちの人生で最も困難な時期になり、逆境に直面することになるでしょう。多少の犠牲を払ってでも、この時期の難局に立ち向かわなければならない。

*しかし、その期間は長くはありません。今後数ヶ月の間に、海外の国々が私たちを支援してくれると約束してくれています⇒私たちは今後数カ月を辛抱強く耐えなければなりませんが、私たちはこの状況を克服することができます。そのためには、新しい道を歩むことが必要です。

*私たちは直ちに国民の意に沿った、すべての政党が参加する国民議会または政治団体を設立し、現在の問題の解決策を見出さなければない、そして、短期、中期、長期の行動計画を決定し、一定の期間内に国家を再建することができるようにします。

*私たちは、灯油やガス、燃料に行列しなくて済む国、停電のない国、農業が自由にできる豊かな資源国、若者の未来が保障される国、行列や闘争で人々の労働力を浪費する必要のない国、そして一日三度の食事で、誰もが自由に生活できる国を再生していきます。

*私は、この国のために挑戦を引き受けるのです。私の目標は、個人を救うことでも、家族を救うことでも、政党を救うことでもありません。この国のすべての人々と、若い世代の未来を救うことです。私は、必要であれば命がけでこの仕事を引き受け、私たちが直面している課題を克服していくつもりです。そして、どんな困難にも立ち向かっていきます。

皆様には、この取り組みにおいて、私への支援を拡大していただくようお願いします。私は国家に対する義務を果たします。

それが、皆さんとの約束です。

 

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ラニル・ウイクラマシンハ新首相らしい、誠実で真摯な国民への約束だと思います。

この国にも武士の様な政治家がいたのだなと思い、ホッコリいたしました😊

若者たちの素晴らしい未来に向かって、国の再生、再建に期待したいと思います。

 

 

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