Error: Contact form not found.

11月17日 ガス不足&高インフレ・・次はガソリン!?

 

 

昨年3月の武漢ウイルス・パンデミック以来、4回のロックダウンを経て先月10月頭に再開したスリランカですが、経済活動低迷が続いたことによる外貨準備高不足はいよいよ進み、国内では急激なインフレが起きており、またこの先、深刻な燃料不足に見舞われそうです。

世界的にはガス、原油をはじめとする燃料の供給不足による価格の高騰が起きており、燃料資源の無いスリランカは、もろにその影響を受けていています・・担当大臣は「燃料不足にはならない」と言っていますが、3か月程前から続くガス不足に加え、今回は外貨不足で原油を買えないため、国内最大の精油所が操業停止とあっては、国民感情は穏やかではありません・・

 

 

ガス、ガソリン、ディーゼル、灯油などの基本的生活インフラの不足は、最悪の場合、電力供給が停止する事態も想定されるため、スリランカ経済や市民生活の崩壊を意味します・・私達は、大変危険な状況になりつつあると受け止めていますが、政府はこの深刻な状況をどう対策し乗り切るつもりでしょうか!?

担当大臣が述べている様な、場当たり的というか、綱渡りというか・・目先だけの小手先対策ではなく、IMFといった国際基金から資金融資を計画的に受けるなど、抜本的対策を講じなければならないタイミングにきているのは間違いないでしょう。

 

以下は関係記事の要約です。

 

 

スリランカ政府当局は、原油不足のため11月15日(月)より50日間、サプカスカンダ精油所(スリランカ最大の精油所:1969年操業開始)を開業以来初めて停止すると発表しました。

*参考)サプカスカンダ精油所では、ガソリンとディーゼルを43%、炉油とナフサを37%、ジェット燃料と灯油を19%の割合で生産されています。

 

 

ウダヤ・エネルギー大臣は記者団に対し、「この決定は、限られた外貨準備金を、(原油購入だけではなく)必要な物の輸入等に配分するためである」と述べました。

また、大臣は以下の理由から、「精油所の閉鎖による影響で、燃料不足のパニックに陥る事はない」と断言しています。

●最近の豪雨により総電力の50%以上が水力発電で供給されており、電力省は今は発電に燃料を使用する必要がない。

●ジェット燃料は、長距離便にはスリランカが燃料供給し、短距離便は出発地の空港でジェット燃料を入手することが出来る。

●サプカスカンダ精油所はガソリン総需要の17%、ディーゼル総需要の29%を供給している。貴重な外貨準備金は、(原油ではなく)精製されたガソリン、ディーゼル、その他必須アイテムの輸入に使う予定。

同エネルギー相は、国際的格付けで下位に位置するスリランカにとって、融資を確保するのは難しい状況であり、いくつかの国と協議を行っているが、毎月の燃料輸入に3億5千万米ドルを必要としているとしています。

 

 

一方、石油会社のセイロン・ペトロリアム社(CPC)は、メディアに対して、「エネルギー大臣には必要な原油の在庫を買い付ける力が無い」と批判、「灯油は今まで100%国内製造してきたので、製油所の閉鎖により灯油が不足することになるだろう」と述べています。

また、ガソリンとディーゼルだけは定期的に発注しており、ガソリンは1月まで十分にある予定だが、ディーゼルの在庫が今月以降に国に届くかどうかは大臣次第・・との事です。

更に、セイロン・ペトロリアム貯蔵ターミナルのモハメッド・ウワイス会長は、「あと2週間程の十分な燃料備蓄があるが、原油供給業者が我々の入札に応じないため必要な原油がスリランカに届いていない状況」と述べ、「貯蔵タンクには、ディーゼルとガソリンの在庫が、最大で12日間あるが、今後は精製されたガソリンとディーゼルを輸入&流通させる処置をとる」「灯油が不足するようであれば、精製された灯油を輸入する処置をとる」としていますが、こんな小手先対応で本当に問題ないんでしょうか!?知識層は誰も信じていないようですが・・・

 

◆追伸 11月18日

今週の閣議では、外貨危機が深刻化し、燃料や調理用ガスなどの必需品の輸入が困難になっている中、国際通貨基金(IMF)の支援を求めることの是非について、幅広い議論を行ったとの事ですが、最終的な決定には至っていないとの事・・

外貨準備高は10月末時点で22億7000万米ドルで、9月末の27億米ドルから更に減少しています。加えて来年以降、毎年40億米ドル以上の対外債務を抱えており、アナリストは現在の状況下では、政府はIMFの支援を受けて債務再編プログラムを開始せざるを得ないと考えています。

この危機的状況下で、政府は何故IMFの債務再編プログラムに舵を切れないのか・・もし「個人的な利権」「某国の債務の罠」が理由だとしたら、今後大きく国益を損なう事になるでしょう。

10月頭から続く肥料の件もそうですが、政府が判断を躊躇するのは多くの場合、某国絡みの案件のようです・・国民は現政府が行っている事を胸に刻み、良く眼を見開いて、次の選挙はスリランカの国益にかなう正しい判断をする必要がありそうです。

 

参考資料

●サプカスカンダ精油所原油不足のため閉鎖 11月14日Daily Mirror

●サプカスカンダ精油所が50日間閉鎖、担当大臣は燃料不足に陥らないと保証 11月15日News 1st

●内閣がIMFプログラムの可能性について幅広い議論を行う 11月17日Daily Mirror

 

安全に仕事してこそプロのお仕事 by Srieko Holidays

 

 

お問い合わせ