Vol.101 – 2020年スリランカ、みんなみんなランカ流!(第一話)
皆様、こんにちは。 そろそろ日本はお盆、コロナの自粛ばかりではつまらないという方は、お盆休みを利用して帰省、旅行に出かけられている方も多くいらっしゃると思いますが、皆様お元気にお過ごしでしょうか。 スリランカは8月の国政選挙も終わり、コロナ・パンデミックも他国に比べ比較的落ち着いていることから、8月10日より学校関係が一斉に始まりました。 子供を大切にするスリランカでは、学校が始まるかどうかが安全かどうかの一つの目安になり、今回の学校再開をもって、一先ず安全だと判断してよいでしょう。 あとは空港の一般再開がいつになるのか?今もスリランカ人の帰国希望者が多く、毎日のように数百人が特別便で帰国し、帰国した者の中には感染者が少なからずいるため、政府の施設やホテルで厳重な隔離対策(2週間隔離+2週間自主隔離の計4週間)が行われていることから、今後旅行者の安全確保にはまだまだ時間がかかりそうな状態です。 政府はコロナの状況を見ながら、間もなく空港の一般再開を行うと思いますが、状況によっては9月まで延期される可能性もあります。 さて今回は、記念すべき創刊100号の後の第一歩という事で、10年近くスリランカに住んで、これは!という話題を集めてみました。スリランカに長く居ないと、なかなか分からない事や常識を私の独断と偏見で選んでみました。 ●血統の良さそうな犬君を見ると話しかけてきて… 仏教国スリランカには、いたる所に野良犬君がいるんです。旅行に来られた方は、専用車で目的地から目的地までダイレクトで移動する人が多いので、野良犬君の多さに気付かない方もいらっしゃると思いますが、仏教の大事な教えである「生きとし生けるものは、全て幸せであれ」という教えが国民に浸透しており、スリランカの人々は野良犬君といえども、慈愛合いの心で接しており、毎日誰かしらがご飯を上げるため、犬君たちは野良犬風情ではあるものの、一様に毛並みもそこそこ、人懐こく旅行者に付いて一緒にお散歩するチャッカリした犬君も多いのです。 さらに、多くの家で番犬やペットとして自分の犬君を飼っているのですから、スリランカ人の犬君好きは相当なもの...中でも、血統の良さそうな犬君は特に大好きで、約10年前にラブラドールレトリバーとして生まれた犬課長も例外ではありません。 私達は空港近くのリゾート地ニゴンボに住んでいて、犬課長の小さなころからビーチへお散歩に行っていますが、ビーチをお散歩している時や、犬課長とひと泳ぎした後ホテルのプールサイドでくつろいでいる時に、必ずといってよいほどスリランカ人が声をかけてきて、静かなひと時を中断されてしまいます。 「毛並みの良い綺麗な犬ですね」「噛みませんか、触ってもいいですか」「一緒に写真を撮っていいですか」「名前は、歳はいくつですか」「何を食べさせているのですか」「プレグナントですか(犬課長は太っちょなのです)」と声をかけてくるのです...最近は少なくなりましたが、数年前までは必ずと言って良いほど最後に「いくらで買いました?」とニコニコしながら平気で聞いてきたものです。 最初の頃は、初めて会った人に「いくら?」とは、こいつらどういう神経してるんだ!とムッとしましたが...聞いてきた意図は単なる好奇心なのでしょうかね~「そんな事あなたに関係ないでしょ、余計なお世話です」とはっきり言いたいところを我慢して、「友達から頂いたので、分かりません」とにこやかに度々返答したことを思い出します。 しかしスリランカでの10年を振り返り、スリランカ人の犬君好きを考えると、丁度あの頃は、経済的な余裕が少し出てきた時期で、彼らも血統の良い犬君を飼いたいと思い始めた頃なのかなと思ったりもします。 そういえば最近はビーチで毛並みの良い、大きな犬君を連れたスリランカ人も見かけるようになりましたし、10年という月日は、そういういろいろな事が見えてくるものなのかもしれませんンね。😊 ●ランカ流レジ袋の使い方 スーパーなどでお買い物をすると、店員さんが買ったものをレジ袋に入れて渡してくれますよね~~お買い物に手ぶらで行けて、家に帰って買ってきた物を出すと、今度はゴミ袋に使えるという大変便利な袋ですが、買い物回数が多いと結構溜まるもの...我が家では、余ったレジ袋を車のドアポケットに数枚入れておき、車内のごみ袋、露天商や魚市場などでのお買い物袋として使っています。 私達は当たり前のように、袋は袋として使っているのですが、数年前にスリランカの人がランカ流?と呼んだら良いのでしょうかね~ちょっとユニークな使い方をしている人に出くわしたのでした。 当日は買い物とお散歩でニゴンボの街に出かけました。買い物を済ませ外に出ると空が真っ暗になりっていて間もなく熱帯特有の激しいスコールが来ました。私達は幸運にも雨の降る前に、車に乗り込むことが出来たのですが、前も見えないような激しい雨、小降りになるまで待とうということでスーパーの駐車場で待つ事にしました。 後部座席で、早くお散歩に連れて行けとグズる犬課長をなだめながら約20分、小降りになって来たので、散歩予定のビーチに移動しようと、ニゴンボ市内の時計台の前を運転していると、前方に小雨のなかサロンを巻いたオヤジが、自転車に乗って前をフラフラ運転しています...頭には何やら白いスイミングキャップのような物をかぶっています。 この手のオヤジは経験上、突然転んだりするので注意が必要!徐行しながら安全にオヤジをパスしたと思った瞬間、助手席の妻が「あっ!」と大声を上げるではありませんか...オヤジを轢いてしまったかと焦った私は、ブレーキをかけ「どうした、どうした?」と妻に確認すると...「かぶってる」と車の横を通り過ぎるオヤジを指さし言うではありませんか。 そうなんです、よく見るとその白いスイミングキャップのような物は、レジ袋! 車内に張り詰めていた緊張感がとけ、一瞬間をおいた後一同大笑いとなりました。「いや~こういう使い方が有るんだね」といやに納得した私、「あれはどういう風にかぶってるんだろう」と興味津々の妻、なんか分からないけれど早くお散歩したい犬課長、それぞれ一応に納得しながらビーチに到着したのですが、残念ながらまだ小雨が降っています。 どうしてもお散歩がしたいという犬課長に、妻はニコニコしながら「大丈夫!」と言って、小雨の降る中、車の外に出ていきました。 つられて私も外に出てみると、妻と犬課長の頭には白いスイミングキャップが...😊 ●ランカ流友達、知り合いの類 スリランカ人との会話で、会議であれ、商談であれ、よもやま話であれ、いたる所で話の流れに関わらず、「XX大臣とは古くからの友人」「XX長官は私の親族」などと言う人と会った事が有る方は、多くいらっしゃるのではないかと思います。 普通大臣、長官..のような結構な人と友達、知り合いなどと言う人は、そうそういないと思われますし、そもそも友達や知り合いであっても、簡単に人には言わないのが一般常識というものですが、しかしここスリランカでは、初めて会った人に自己紹介をするがごとく「XX大臣とは古くからの友人」「XX長官は私の親族」といった、物騒な会話を度々耳にします。 本人としては、私はその手の有力者と人脈があり、社会的に信用のおける人間だと言いたいのでしょうが、余りにもこの手の話をする人が多いため、私的には興味が無くまた退屈であり、最近はこの手の話が出る度に、話題を変えるように心がけるようになりました。 もちろん私も、スリランカに来たばかりで会社を興した10年前は、この手の話を聞いて、「そうか、その人脈を利用できれば、何でもできるかもしれない」と淡い期待をいだき、ウカウカしたものですが、毎度毎度、もれなく期待を裏切られてきましたので、次第に時間とお金の無駄に気付き、この手の人々との距離を置くのが得策と心得るようになりました。 それでは、なぜこのようにスリランカの人々は、このような物騒な話を簡単にしてしまうのでしょうか? 普通でしたら、自己のセキュリティー上危険があるとか、相手の大臣、長官に余計な迷惑がかるかもしれないと考えられそうなものですが、そこには多分に、スリランカ人と私達日本人の友達、知り合いに対する定義に大きなギャップが存在すると感じています。...早い話が、友達、知り合い、というものにスリランカ流が存在するという事なのです。 私の勝手な解釈かもしれませんが、日本人の標準的な人は、「知り合い」と言ったら、お互いに面識があり顔と名前が一致する人だと思いますし、「友達」ともなれば、価値観をある共有し一緒に遊びに行けるような仲、更に「親友」となれば、一生に数人出来ればよい方だと思っています。 しかしここスリランカでは、「知り合い」と言えば、友達の友達の友達程度の会った事も無い人まで、「知り合いに」なってしまいますので厄介です。騙すつもりは無いにしても、「友達」「親友」となればなお厄介!決して淡い期待などせず、むしろ注意をした方が無難かと思います。 また、スリランカ人と仕事を進めていると、余りにも現実と、聞いている事とのギャップが大きく、しばしば翻弄される事がよく有ります。騙すつもりはないのでしょうが、事が進まず結果が出ない以上..ましてやお金が絡んでいる場合などは、結果的に騙したことになるという事を、彼らは分かっているのか、分かってないのか...この辺も微妙ですので要注意です。 特に日本語を流ちょうに話し、「XX大臣は私のマブダチ」、「一緒にビジネスをしましょう」などと甘い言葉で誘ってきた日には、「そうだ山倉は、ランカ流で何かブツブツ言っていたな」と思い出してください...皆様もご存じの通り「綺麗なバラには棘だらけ」って事です。 それでも、私だけは大丈夫と言う方は、仕方がありません「毒を食らわば..」という名言もございます。思う存分ランカ流をご堪能ください!😊 <弊社プロフィール> 安全に旅してこそ楽しい旅行、Srieko Holidaysはいつもお客様の安全を第一に考えて旅行のお手伝いをしています。
8月7日 2020年スリランカ・国政選挙結果
スリランカの国会議員(1院制、225議席)を決める国政選挙が8月5日に行われました。
翌日6日に開票が行われ、昨年11月に大統領に就任したゴタバヤ・ラジャパクサ氏のスリランカ人民戦線(SLPP)が全議席の三分の二に迫る145議席を獲得しました。
SLPPの党首は、大統領のゴタバヤ・ラジャパクサ氏の兄のマヒンダ・ラジャパクサ氏で、今後手続きを経て首相に就任の予定。
7月27日 2020年キャンディ・ペラヘラ祭り(7月25日~8月4日昼)
今年も7月25日から8月4日まで古都キャンディにてスリランカ最大のお祭りペラヘラ祭り(仏陀の歯を乗せたゾウさん達が街中を練り歩く雨乞い祭り)が開催されています。
いるもなら、ゾウさん達が練り歩く沿道には外国からの観光客、ローカル見物客が押し寄せ、熱気むんむん大変な盛り上がりとなるのですが、今年はコロナ・パンデミックの為、沿道からの見物は禁止!見物客もパラパラといったいった感じです。...
7月18日 学校閉鎖延長(開始8月10日、一部7月27日から)
スリランカ教育省は、Kandakadu Treatment and Rehabilitation Center(ドラッグ関係の治療更生施設)クラスター関係で国内感染が拡大している事態を受け、7月18日土曜日に、7月12日より行っている全国の学校閉鎖を8月10日まで延長すると発表しました。...
7月12日 コロナ第2波、全国の学校を閉鎖(7月13日~17日)
スリランカ教育省は12日、直近で発生したコロナ第2波の感染防止のため全国の学校を7月13日~7月17日の間閉鎖すると発表しました。
このコロナ第2波は、7月7日スリランカ北東部に位置する、Kandakadu Treatment and Rehabilitation Center(ドラッグ関係の治療更生施設)から、Welikada Prison(コロンボ市内の刑務所)に運ばれた囚人の中から...
Vol.100-後編 ジェームス・テーラーとトーマス・リプトンの紅茶
👉 Vol.100-前編からつづく ●お次はトーマス・リプトン 紅茶の話で、トーマス・リプトンと言えば、気付いた方もいらっしゃると思いますが、そうなんです、あのリプトン紅茶のリプトンさんのお話です。 1850年スコットランド・グラスゴー生まれのリプトンさん、一代で紅茶王と呼ばれるまでになりましたが、19世紀の紅茶史に華麗なサクセスストーリーを刻んでいます。 ご両親はアイルランドの農民で、1840年ころに起きた大飢饉でスコットランドに逃げ延びてきた難民だったそうです。ご両親は難民先で卵、バター、ハムなどを売る小さな食材店を営み、リプトンさんも小さい頃から店を手伝って、その頃から既に商才を発揮していたそうです。 彼の商才はオリジナリティーのあるユーモアのセンスにあふれ、大衆の心をつかんで楽しく買い物をしてもらう、現代にも通じる商売の原点!現代に生きていても、相当なサクセスストーリーを刻んでいるのではないかと思います。 15歳にしてアメリカに渡り、タバコ園の農夫を皮切りに次々と仕事を変え、やがて一番やりたかった百貨店の食品売り場に就職、商品の仕入れから、販売、接客、宣伝と商売の方法を学び、19歳になるとリプトンさんは、突如仕事を捨てご両親の待つグラスゴーにもどります。そして21歳にアイルランド食品を扱う自分のお店を開くんですね。 アメリカで学んだ商売の方法と、彼の天賦の商才が加わり、お店は大繁盛!開店から10年後リプトンさん31歳の頃には20店舗、従業員800人と大成功をおさめていました。 ●紅茶商への道 リプトンさんの店が繁盛していた頃は、折しもセイロン紅茶の生産が始まった時期と重なります。 イギリスで紅茶の消費量が増加の一途をたどっていた時期で、商人が紅茶を売る工夫などしていない事に目を付けたリプトンさんは、早速、紅茶を前もって小分け袋詰めにし、量り売りの手間と時間を省き、お客さんが来たらすぐに手渡しできるようにします.. 袋入りの紅茶は宣伝にも役立ち、茶葉の品質やリプトンのロゴを入れることにより、店の名前やイメージ、信用などを定着させるのに役立ちました。 また、リプトンさんは紅茶の価格にも目を付けます。 「商品は直接生産者から買いなさい」とお母様からの教訓を受けていた彼は、日常に大量に飲むものとしては、まだまだ紅茶の値段は高いと感じ、仲介人を通さず少しでも安い紅茶を仕入れられるような流通経路を探し出し、薄利多売は見事に成功!一気に取扱量が増え、これを機に本格的な紅茶商の道が開かれたのでした。 更に、紅茶の味は水質(硬水、軟水)によって変わるため、いろいろな種類の茶葉をブレンドすることによって、その土地に一番合う紅茶を販売し始めたのです。 例えば硬水に合うロンドンブレンド、軟水に合うスコットランドブレンドなどが生まれ、「紅茶を飲んだ時に故郷を感じる」と、リプトンのブランド・イメージは紅茶愛好家の間で大きく広がっていきました。 ●そして紅茶王への道 そして遂にリプトンさん、1890年に母上の教訓を実行すべくセイロン島に乗り込みます。 最初は、紅茶の栽培地を調査する旅でしたが、途中茶園が売り出されて農園主を募集している事を知り、農園の状態を見ると状態は想像以上に良好!リプトンさんは今後のロンドン紅茶市場の拡大を見据え、ここで紅茶を栽培、製造してリプトンブランドで販売すれば、安くて良質な紅茶を世界中の人々へ供給できると、回転の良い頭で考えたことは想像に難くありません。 「よ~し買った!」といったかどうか分かりませんが、当時のお金で十万ポンド以上をポンと気前よく支払い、スリランカ南東部山岳地帯のウバ地方に広がるダンバテン、レイモントット、モーネラカンデ茶園を含む千二百ヘクタールもの茶園を手に入れたのでした。 私も近くまで行った事が有りますが、周辺は一面のお茶畑、特にリプトンさんが直接経営に乗り出したダンバテン紅茶園には、リプトンシートという美しく風光明媚な名所があり、ここから渓谷に広がる広大な紅茶園を眺めながら、次々と経営の妙案を実行していったと思うと、彼の行動力にはただただ頭が下がるばかり..紅茶好きの私としては、リプトンさんに足を向けて寝られないというものです。 急斜面にロープウエー作って、摘んだばかりの茶葉を安全に早く大量に運ぶ運搬改革を行い、製茶工場の機械も最新のものを入れ生産効率を上げたことにより、どこよりも衛生的で良質な茶が大量に安価で生産されるようになりました そして翌年、こうした努力の結果ダンバテン茶園の紅茶葉は、ロンドン紅茶市場にて史上最高値を付け、それはリプトン紅茶の信頼の証となったのです。 ●「名言」迷言? そしてリプトンさんは素晴らしい「名言」を残しています。 「紅茶園から直接ティーポットへ」、まさしくお母様からの「商品は直接生産者から買いなさい」という教訓を守り、更に自身の茶園を持ち紅茶の生産まで発展させる溢れ出るパワーに感服です。紅茶園からティーポットまで独自の流通経路を作り上げたリプトンさんは感無量だった事でしょう。 また、リプトンさんは素晴らしい「名言」迷言?も残しています。 生涯独身を通したリプトンさんに、ある人が結婚しない理由を尋ねた時、「紅茶の値段が、妻を養うにはあまりにも安すぎるから」と答えたそうです。 紅茶で大富豪になったリプトンさんの、あまりにもユーモアあふれるこの回答、良質のものをより早く、より安く提供したいという彼の商売に対するにじみ出る信念を感じます。 そうなんです、21世紀にも通じるリプトンさんの信念、「美味い」「早い」「安い」は、今も吉野家をはじめとするファーストフードにも受け継がれているんですね。 いや~本当に素晴らしい事だと思います!こんなことを書いていたら、吉野家の牛丼が食べたくなってきましたが、残念ながらスリランカに吉野家はなし..残念!😊 安全に旅してこそ楽しい旅行、Srieko Holidaysはいつもお客様の安全を第一に考えて旅行のお手伝いをしています。 *インド洋を優雅に泳ぐシロナガスクジラ観察 *「ウミガメの産卵ツアー」大好評 *高原列車で紅茶畑&紅茶工場巡り大好評 *GTフィッシング 7月10日 山倉 義典
Vol.100-前編 ジェームス・テーラーとトーマス・リプトンの紅茶
皆様、こんにちは。 コロナ・パンデミックにより、世界中が混乱して経済活動に大きな影響が出ておりますが、皆様お元気にお過ごしでしょうか。 スリランカは、3月20日から続いていた外出禁止令が6月下旬に完全解除され、経済再開と8月1日より旅行者受け入れ開始、8月5日の国政選挙に向け徐々に動き始めています。 ただし今も、スリランカ人帰国希望者が多く、6月7月とチャーター便にて帰国した者の中には感染者が少なからずいるため、政府の施設やホテルで厳重な隔離対策(2週間隔離+2週間自主隔離の計4週間)が行われていることから、今後旅行者の安全確保にはまだまだ時間がかかりそうな状態、8月1日受け入れ開始は、9月まで延期される可能性が大きくなっています。 さて今回は、記念すべき創刊100号という事で、話題は何にしようかと考えたところ、コロナで外出は必要時以外出来るだけ控え、家にいる時間が多くなっている昨今のご時世...きっとご自宅で紅茶を楽しまれている方も多いだろうと勝手に思い、セイロン紅茶のお話を! ●ジェームス・テーラー ジェームス・テーラーと言えば、スリランカ好きの皆さんはともかく、「誰、その人?」と思われる方は多いのではないかと思います。実は私もそうで、せいぜいスリランカで紅茶を作り始めた人くらいの印象だったのですが、調べてみるとなかなか頑張った人物なのです。 簡単に略歴を追えば、1835年スコットランドの北部の小さな村に生まれ、父は車大工、母は彼が9歳の時に亡くなり、6人兄弟は新しい母を迎えました。 幼いころから頭が良く14歳にして既に学校の補助教員として教えて給料をもらっていたという秀才、さぞかし将来を嘱望された少年時代だったのでしょう。 ところが、何を思ったかテーラーさん、1852年の17歳の時、突然従兄弟の誘いに乗り他のスコットランド人十数名とセイロン島に渡ります。そして当時は高原地帯でコーヒー栽培全盛期のコーヒー農園で働き始めるわけです。 このテーラーさん、植物栽培にも才能が有ったらしく、テーラーさんにかかればコーヒーの苗も瞬く間に成長したとの事、農園主はテーラーさんを雇って本当に良かったと思っていたんでしょうね~~しかし、仕事というのは「一寸先は闇」と申しましょうか、1867年、テラーさん32歳の時、コーヒー園に錆病が蔓延して他の農園同様にコーヒー園は全滅状態となります。 手塩にかけたコーヒー園の枯れはてた光景を見たテーラーさんは、何を思った事でしょう。15年間丹精込めて育ててきたコーヒー畑を失った失望感は、計り知れないものだったのでは。.. ●身を捨ててこそ浮かぶ瀬もあれ しかしここであきらめないのが凡人と違うところ!逆境にもめげず今度はお茶の栽培を始めます。植物栽培には自信がったんでしょうね! 当時キャンディ郊外のペラデニア植物園では、インドのアッサム地方からのお茶の木が栽培されており、そこから農園主のつてで苗木を手に入れたとの説と、インドアッサム地方から直接苗を手に入れたという説の二説ありますが、いずれにしても、農園主の依頼でキャンディ東部のルーラ・コンデラという山岳地帯を開墾しながら、当時セイロン島ではまだ大規模な栽培方法が確立されていなかったお茶のプランテーションに取り組んだのです。 ブルドーザーなど勿論ありません、今のようにガガガーと一気に整地できれば楽なんでしょうが、当時はそうはいきません。ゾウさんと人手を使って、土を掘り起こすことから始めたわけですから、さぞかしご苦労な事だったと思います。 苦労のかいあり間もなく、テーラーさんの開墾した農園にはお茶の苗木が根付き、茶園は一面に広がっていきました。 更にこのテーラーさん、茶の栽培だけでは飽き足らず、紅茶も製造してしまえ!という事で、インド・ダージリンで紅茶の製法を学びます。 紅茶の味わいを決めるのは、茶葉の質(どの葉を摘むか)と発酵を促す揉捻(どのように茶葉を揉むか)と言われており、当時英国で好まれていた濃厚で味も香りが強く、色の濃い発酵の強い紅茶をバランスよく効率的に製造するにはどうしたらよいか、テーラーさんは独自の経験と工夫を凝らし様々な実験と改良を重ねたのでした。 こうして完成したテーラーさんの紅茶は、良質で美味しいと評判を得て、ロンドン市場で中国からの紅茶、アッサム地方の紅茶と並んで、めでたく高値で取引されることとなったのです。 ●ちょっと変わり者 セイロン紅茶造りに、四半世紀を捧げたこのテーラーさん、身長180センチ、体重100キロの巨漢だったようです。小柄なスリランカ人の中では、当時ガリバーのような大きな人で、人柄は大らか、紅茶の栽培と製造をしながら地元の人と親密に和気あいあいと生活をしていたんだろうな~と勝手に思い込んでいましたが、実はちょっと変わり者だったようです。 セイロン島に来てからは一度も母国スコットランドに帰らず、セイロン在住のスコットランド人の会合には一度として参加したことはなく、はたまたセイロン農園主からのセイロン紅茶への功労賞授与パーティーですら断っています。 人と会い、話をして過ごすのが苦手だったのでしょうかね~ただただ、静かにルーラ・コンデラの茶園の小屋に住み続け、一生独身を通し、1892年52歳でその生涯を閉じています。 考えてみれば、テーラーさんにとって紅茶園を開墾したルーラ・コンデラが父母であり、見渡す限りの紅茶園が妻であり、そして出来上がった良質で美味しい紅茶が娘だったのかもしれませんね。 いや、今スリランカで一杯の紅茶を飲んでいると、テーラーさんが近くで「どうだい、俺の造った紅茶は?」と話しかけてくるようです。本当に美味しんです! Vol.100-後編のトーマス・リプトンへ続く 👉 安全に旅してこそ楽しい旅行、Srieko Holidaysはいつもお客様の安全を第一に考えて旅行のお手伝いをしています。 *インド洋を優雅に泳ぐシロナガスクジラ観察 *「ウミガメの産卵ツアー」大好評 *高原列車で紅茶畑&紅茶工場巡り大好評 *GTフィッシング 7月10日 山倉 義典
7月8日 ミンネリヤ国立公園にゾウの双子の赤ちゃん🐘
最近、この国立公園に新しい小さな命が生まれました。それも大変珍しい双子ちゃん😊
今年はコロナのため観光客はほとんどいませんが、その分この赤ちゃんたち人目を気にせずお母さんに甘え放題のようです。
ゾウさん生まれたばかりの赤ちゃんは、自分のお鼻が何か分からず、お鼻をブラブラさせて色々なものに触りながら遊び周り、時間と伴に自分のお鼻だと分かってくるのです。カワイイっすね!...
6月28日 次々と国内規制緩和@スリランカ 大丈夫か!?
●6月28日 スリランカ大統領府から,本28日から夜間外出禁止令を解除する旨の発表がありました。 これにより,3月20日から発出されていた外出禁止令が全土で完全解除されることになります。
●また既に発表済みですが、明日6月29日より7月下旬にかけて学校が段階的に始まります。
これにより、スリランカ国内は経済的に通常の状態に近づく事になります。
*今のところ政府発表では、一般の旅行者の受け入れ開始は...
Vol.99 – スリランカ風ニューノーマル!?チェックイン&アウト
皆様、こんにちは。 世界中にコロナウイルスが蔓延し、今日も世界各地で多くの人々が亡くなっています。 アジア、ヨーロッパ、北米、オセアニアでは新たな感染者は出ているものの、一部の地域を除き、少しずつ感染対策規制を緩和している国が出てきているようですが、第二波、第三波に直面している地域もあり、南米、アフリカでは今も感染が拡大している事を考えると、今後も十分な対策を継続してゆく事が一番大切なのではないかと思います。 スリランカでは、5月26日より昼間の外出禁止令が緩和(夜間のみ外出禁止)され、徐々にではありますが経済活動が始まり、一般市民も何はともあれマスクをするとか、手洗いをするとかといったニューノーマル的制約はありますが、概ね普通の生活に戻ってきています。 6月に入り、国内在住者を対象にホテル、レストラン(お持ち帰り中心)なども、ちらほらと営業を開始し、公共交通手段も6月中旬より通常運行に戻る予定です。 街の様子はこのように、少しづつコロナの前の平常状態にもどっていますが、旅行業界に身を置く私としては、しっかりコロナ対策が行われているのか、気になるところ!? 早速、近所で営業を開始しているホテルへ、ニューノーマルの確認へ犬課長を連れて行ってきました。 訪問したホテルは全国に素敵なホテルを持つ、スリランカの観光業を代表するホテルチェーンで、コロナの前から接客、客室のスタンダードは折り紙付き、ちなみに私達もこのホテルの会員で、プール、ジムなどを利用させてもらっています。😊 当日は、視察の連絡をすることもなく、旅行者のごとく直接メインエントランスに直行!ベルボーイが車のドアを開けてくれて下車..まず最初は、スリランカ風の手を合わせる挨拶(アーユボーワン!)です。 早速ベルボーイがマスクをしていません!?その辺は結構うるさい日本人..私が「マスクは?」と笑顔で言うと、あわててマスクを取りに行きました(笑) ホテルは営業を再開したばかりで、訪問客がほとんどなく、しかも暑い事を考えると常時マスクをしているのも辛いんだろうなと同情。😊 ● アーユボーワンの挨拶の後は、早速メインエントランス横にある特設の洗面台で手洗いです。洗面台下にアクセルのようなものが付いており、水を出したり止めたりするのは、足で行います。手で操作しないので清潔! ● 手洗いが済んだら、今度はメインエントランスにあるのカーペットの上に上がり、靴裏の消毒と検温です。検温は非接触タイプなので安心です。 ● 検温中に、ベルボーイが荷物を車から降ろし、所定の場所(写真)で消毒を行います。大きな荷物はボーイがお部屋まで運びます。 検温で問題がなかったら、手荷物を持ってチェックインカウンターへ。 ● さあレセプションにてチェックインです。 用紙に消毒済のボールペンで必要事項を記入、パスポートと一緒に手続きを行ってください。ご使用済みのボールペンは、消毒液の入った入れ物へ、チェックインの手続きが済んだ後は、備え付けの消毒液を使って念のため手を消毒してください。 ● チェックインが終わりましたら、クラークがお部屋へご案内いたします。 お部屋は24時間前に消毒済みですので、安心してご利用いただけると思います。レストラン、館内トイレ等全ての入り口に消毒液が置かれています。(写真は館内トイレ) 外出時は、マスク、手洗い、うがいを忘れずに。😊 ● チェックアウト時は、フロントにお電話をして頂きベルボーイに大きな荷物を玄関まで運んでもらってくださいね。 ここまでが、今回の視察で確認(チェックイン、チェックアウトの安全性&快適さ)したいところでした。 ニューノーマルとしての慣れない不自由さは多少ありますが、さすがスリランカを代表するホテルだけあり、チェックイン&アウトの安全性と快適さは確保されており合格点でした。 この基準をベースに他のホテルも、視察していきたいと思います。 さて、視察の後はもちろん犬課長と目の前に広がるビーチへ直行! 妻は3か月ぶりのプールでゆっくり!犬課長は波が高いため泳ぐことが出来ず、残念ながら私と一緒に潮干狩り~~ 例年6月はオフシーズンで人が少なくなる季節なのですが、私達の他ビーチやプールに観光客が一人もいないとなると、なんだか居心地が悪いものです。 デッキチェアーが片付けられたプールサイドの広々とした場所に、何事もなかったようにリスが現れ、何かを食べています。ホテルのスタッフと交わす短い会話と、妻との話声以外は聞こえない静かな空間。(犬課長はほとんどミュート😊) モンスーンの風に煽られた、ヤシの葉がカサカサ音を立てているだけの静けさは、夏の賑わいの終わった、日本の9月の海のような寂しさがあるものだなと感じました。 先週、政府観光局は8月1日より世界各国からの、観光客受け入れを開始すると発表しました。 しかし内容は、入国前、入国時、旅行中の規制が多く、安全性は確保されると考えられるものの、快適さを大きく欠いた内容になっており、果たしてこの内容で本当に旅行者に戻ってきてもらえるのか?大きな疑問が残ります。 ちなみに、この規制の内容に対して国民の反応は「2020年のスリランカの旅行業界は終わった!」、「出発3日以内にPCR検査を受けるなど無理無理!」などのネガティブなコメントが寄せられており、私もこの内容では、どのような旅行者が来るのか、イメージがわきません。 まあ、8月にスリランカへ観光客が来るのかどうか見てみたいと思います。😊 旅行で安全を確保するのは、基本中の基本ですが、旅行だけに快適さも重要な要素です。今の内容では余計疲れに旅行に来るようなもので、心の休まりなど得られないのではないでしょうか。 難しい問題ですが、政府にはその辺も加味してもらい、最善の案を再考してほしいものです。 スリランカ政府観光局、観光客受け入れ態勢詳細
6月6日 2020年8月1日よりスリランカへのご旅行者受け入れ業務開始!?
6月5日 スリランカ政府観光局は8月1日よりご旅行者の受け入れ教務を開始すると発表いたしました。
しかし内容は、入国前、入国時、旅行中の規制が多く、安全性は確保されると考えられるものの、快適さを大きく欠いた内容になっており、果たしてこの内容で旅行者が戻ってきてもらえるのか?大きな疑問が残ります。
ちなみに、この規制の内容に対して国民の反応は「2020年のスリランカの旅行業界は終わった!」...
6月1日 コロンボ国際空港(CMB)、本日よりPCR検査開始
観光、航空大臣を兼務するPrasanna Ranatunga大臣は、コロンボ国際空港(カトゥナヤカ国際空港)への到着者全てに対して、6月1日よりPCR検査(コロナ検査)を行い、検査結果に基づき隔離(14日間)又は入院をしてもらうと発表しました。
メディアでは8月よりコロンボ国際空港を再開し、観光客の受け入れを始める予定...