Error: Contact form not found.

スリーエコ・ニュース (Srieko News)

Vol 11 – なるほど!ザ、スリランカん気質 その2

October 25, 2011 at 9:20 am

父親のバイクで通学途中の少女(ニゴンボ)

皆様

 

日本は10月に入り、秋たけなわと言ったところでしょうか。

今日は秋風を感じながらの読書の代わりに「教育と教養について」をご一緒に少しだけ、思考・考察して頂きましょう。(前回の続き)

「教育はあるが、教養のないスリランカ人」と、日本に帰化されたA氏は定義されました。

教養とは(いろいろな解釈の仕方があるでしょうが)一般に、基礎学問プラス、学者などその道のプロとまではいかないところで、様々な分野の、様々な知識を持つことを言葉の意味として使っているのではないでしょうか。

確かに教養があるということは、さまざまな“判断の引き出し”がその人に備わっていて、「皆がそうしているから私も・・」ではなく、「この場でもしこんな対応を取れば、人の迷惑になるだろう・・」とか「今こうした行動に出れば、将来きっとよい結果をおよぼすだろう・・」とか、とっさの、かつ先を見据えた独自の判断がとれるということでしょう。

ただ私は、ポイ捨てが当たり前であるとか、車の運転のマナーが悪いなどいうことは、教養以前の問題であるように思います。

「子供は親の真似をする」のは確か。しかし、親の世代も教育だけはある程度以上受けているのがスリランカ。

となるとこの場合、教育を土台として、さらにその上に乗るものは、教養というより道徳(モラル)でないかと思います。

道徳は、仏教、キリスト教、イスラム教など、それぞれの宗教教育の元でも教えているのでしょうが、結局は身についていないため、夫や私、他の外国人のストレスへと派生していきます。

ではどうして、スリランカ人に道徳は身につかないのか?

ここで前述のA氏のお話にあった、もう一つの言葉が解決の糸口になりそうに思います。

「スリランカは英国の植民地であった国。植民地政策がどういうことであったかというと、つまりは一致団結するということを極力避けたのです。国民が団結すれば、大きな力となり、英国にとって大変なことになったでしょう。ですから、スリランカ人は日本人のように、力を合わせて何かをするという概念がないのです・・」

仕事より、家族が大切なスリランカ人。家族を気遣っても、一方、他人のことは構わない。

もしかして、西側の個人主義の考えが、アジア人であるスリランカ人に、サイズもセンスも合わない洋服をあてがわれたように、ゆがんだ形でなじんでいったのかもしれません。

加えて、国民性ということも考慮に入れるべきでしょう。

スリランカの多数派・シンハラ人は、キャンディー(Kandy)という比較的、気候温暖な山の手で、キャンデイー王朝のもとで生きてきた末裔たち。よく、インド人と比較され“あまりにのんびりしていて、やる気のない国民“と評されていますが、敵の侵略に怯えることなく、たわわに実る果物のおかげで飢えを感じることもなく、生きてきた人々。

この国民性と、英国植民地政策を持ってすれば、今回の考察と思考は、教養という言葉を持ち出すより、納得がいく気がします。

さて、植民地とは無縁の読者の皆さんは、教育を、教養を、国民性をどのように解釈されるのでしょうか。

 

 


もっと知りたい! ???のスリランカ・ニュース

 

 

** 先月は27%増の旅行者がスリランカ入り **

 

観光業で新たな「5年計画」を打ち出し、250万人の旅行者を呼び込もうと意欲的なスリランカ政府。先月9月は、昨年同期に比べ27.2%増で、6万人を超える旅行者数だったと発表しました。

今年9か月間でみると、昨年に比べ34.3%増の60万近い旅行者数であり、政府は12月までの1年で、新記録の78万人に達するとみています。政府の旅行業からの歳入は、8か月間で昨年の49%増、52千万ドルを超えることになります。

5年計画で、27億5千万ドルの歳入を目標にしている政府、目標達成となるかは??

 

** スリランカ沖で石油に続いて、天然ガスが・・ **

 

大統領ラジャパクサ氏は、スリランカ北西部の海で天然ガスが見つかったと発表しました。

すでにこの海域で石油が発掘され、8月からはインドの関連会社により採掘工事が始まっています。うまくいけば、2014年までに10億バレルの採掘が見込まれるとのこと。

この天然資源をめぐりインドの他、中国が採掘権等で関与していますが、ロシアも「遅れを取っていられない・・」とばかり、商談のためスリランカを訪問しています。

30年続いた内戦が終わり、好景気のスリランカは、西側の不景気など、どこ吹く風。天然資源までみつかり、スリランカ・パワーが延々燃え続けるかどうかは、政治のかじ取り次第でしょうか。

  

** 次なる政府開発のターゲットは紅茶の里  **

 

大統領ラジャパクサ氏は10月初め、“紅茶の里”ヌワラエリヤ(Nuwara Eliya)を訪問し、この地域の開発計画を発表しました。

具体的な内容は、(紅茶関連ビジネスに関わる)スタッフ・トレイニング・センターの建設、アクセスに問題があるこの地に、旅行者をより多く呼び寄せるための国内線空港の建設が上がり、どの場所が空港建設に適しているのか、すでに街の担当者に打診していると、説明を加えました。

ヌワラエリヤは野党勢力が強い地域。スリランカ国内でさらなる地盤固めを進める大統領は、国営病院のレベル改善、この地域のハイウェイ建設、また県道の整備など、多額の国費をすでにこの地域に費やしていると強調。多忙を縫って街を散策したり、学生との対話の時間を持ったり、町民サービスに余念がありません。

 

次回もSRIEKO NEWSをお楽しみに!!

www.sriekov2.locも宜しくお願いします。

                                20111015

山倉 理恵子

|
お問い合わせ