Vol.91 – 今年は天中殺か!?2019年スリランカの状況
皆様、お元気にお過ごしでしょうか。
上半期も終わり、そろそろ日本は紅葉の季節、食欲の秋到来と言いたいところですが、台風19号で甚大な被害を被った地域もあり、今も自衛隊や消防の方々による復興作業が続けられていることと思います。犠牲者のご冥福を祈るとともに、一刻も早い復興を期待しています。
さて、ここ常夏のスリランカは、8月中頃から天候が崩れたまま、雨の無い日は稀でなかなか天候が安定しません。地球規模の異常気象といわれ始めてからずいぶん経ちますが、今年のスリランカはご多分に漏れず、例年とは比べられない程の異常気象となっています...今日も朝から雨が降っていますが、天候の回復が待ち遠しい今日この頃です。
さて今回は「天中殺か!?2019年スリランカの状況」と題して
天中殺を辞書で調べると、「干支において天が味方しない時」とあります。つまり私達人間がいかようにしても、好転することのできない天からの試練といえるでしょう。これはどれくらい続くのか調べてみると十二年に一度、最長で約2年程だそうです。
2018年10月以前は、景気は良いとは言えないにしろ、それなりに頑張っていたスリランカは、昨年(2018年)10月末の政局不安(大統領の、違憲首相指名問題)に始まり、株価、通貨共に暴落しました。また今年の4月末には、世界中を震撼させたイースター・サンデーアタック(同時爆破テロ)が起き外国人旅行者を含む多くの犠牲者を出し、今もその後遺症が各業界に広がっています(この事件は、2018年10月末の政局不安に乗じてISがテロ準備を進めたと言われています)。また、犠牲になった方々へのスリランカ国民の涙なのか、8月中旬から天候が崩れたまま2か月が過ぎ、水害による地滑り被害、天候不順による野菜等の物価上昇、ゴミ置き場不足による衛生状態悪化、長雨で蚊が増えたことによるデング熱の蔓延などなど、市民生活に大きな影響が出てきています。
一方、このような散々たる状況のなか来る11月16日には、大統領選挙が行われます。候補者は35人ともいわれており、各候補はテロ事件での責任のなすりあい、貶し合い、怒鳴るような声の演説を聞くたびに胸が悪くなり、再び政局不安が起きるのではと心配の種が尽きません。更に来年中頃には国政選挙が行われる予定...資金のかかる行事が続きます...本来、市民生活や産業の復興をするために使われるべき資金は、どこかへ行ってしまうのではないか心配でなりません。このような状況を見ると、国としてある程度の落ち着きを取り戻すのは、大きな問題が起き始めた、2018年10月末から数えて、確かに天中殺の期間である2年後となりそうです。
監査関係の税理士さんと話した時、2018年10月末に起きた政局不安の影響を受け、2018年下期の各分野各会社の業績は、輸出業の一部を除き軒並み赤字だと言っていたことを思い出します。コロンボではロータスタワーがオープンし郊外や海岸沿いの大手リゾート地では大型物件の建設が続いていて、一見景気がよさそうに見えますが、なかなかそう簡単ではないようです。更に今年は、同時爆破テロ、水害と予想だにしなかった大きな災難が続き、経済的には益々悪くなっています。これから大統領選挙、来年は国政選挙と続きますので、政局不安の要素を加味すると、スリランカ経済の復興はまだまだ時間がかるのではないかと考えています。
極身近な問題でも、停電、断水、下水道、ゴミ、デング熱などの風土病、インプレなど、いろいろな問題が山積みとなっており、何一つとして前向きな抜本的な対策がなされていないスリランカ、志を持ってこの地に来たのですが、「まだまだ」という強い気持ちを持ちながら、妻とは今は「忍」の時期と話しています。
米中経済戦争、ブレックジット、中東不安などなど、世界的に不安定要素が蔓延する中、スリランカは荒波の中に放り出された、箱舟のように漂い続けています。漂着する地は天国なのか、はたまた地獄なのか...天のみぞ知る!...今は自分達で出来る事をして、心静かに天命を待つ心境といったところでしょうか。
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