6月8日 アエロフロート機差し押さえ、他・・👨
いや~スリランカいろいろ起きますね・・特にデフォルト後、ラニル・ウイクラマシンハ新首相に代わってから、頻度が上がっている様な気が・・これも新政府が内外に対して激しく動いている結果なのかもしれません。アエロフロート機の差し押さえ命令から、IMF融資・・・
6月1日 オッ洒落~ランカのニュートレンド🐶
最近自転車乗る人増えたね~迷惑顧みず、狭い道を2列3列で並んで楽しそうに話しながら走る「ランカ流チャリ並走」も困ったものだけど、幹線道路の追い越し車線を堂々と走っている「ランカ流唯我独尊・迷惑チャリ」もあったりして・・・
Vol.124 – ガソリン価格推移から見る国民の困窮👦
最悪の経済危機に直面するスリランカは5月18日、30日間の債務返済猶予期間が過ぎ、遂にというかやっぱりというかデフォルトしましたね・・ デフォルト自体は4月12日の「対外債務の部分的支払い放棄宣言」で、外貨を必需品(燃料・薬・食料など)の購入に充て、対外債務は当面返済できないと政府が宣言した通りでしたので、既に市場は織り込み済みだったようです・・ 燃料など政策的な価格アップは若干あったものの、急激な通貨安などの混乱はありませんでした・・今年に入り、ほぼデフォルト状態で急激な通貨安や超インフレがおきていましたので、スリランカ経済は既にデフォルトによる混乱を先取りしていた感じでしょうか😊 さて、独立以来最悪といわれる経済危機の元凶「債務の罠」の現況を作った、ラジャパクサ一族のマヒンダ・ラジャパクサ元首相の退任を受け、5月12日野党UNP(United National Party)のラニル・ウイクラマシンハ氏が新首相(一つ前の連立政権を含め今回で2回目)として就任し、前首相の内閣が行ってきた杜撰な財政運営内容を「国民への約束」という形で明らかにしました。 歳入の割に歳出が肥大化しており、公官庁にさえ費用が支払われていない現状、燃料など補助金の垂れ流し、スリランカ航空など国営企業の赤字垂れ流し等々・・一般に公表された内容は一言で言うと「放漫財政運営」といって良いでしょう・・ 今回は放漫財政運営の中でも、市民生活に直結するガソリン価格の動向に特にフォーカスして、ここ一年の価格推移と当時の出来事を見ながら、あ~でもない、こ~でもないと話を勧めたいと思います。 ◆ガソリン価格(92オクターン)推移と当時の出来事 *黄色枠が92オクターン・ガソリン価格の推移 ①-2019年9月10日 1リットル137ルピー:ゴタバヤ・ラジャパクサ大統領一族政権開始の直前の価格で、この時は原油価格が底値安定しており、それから 間もなくコロナ・パンデミックが始まった事から、その後2年近く価格は安定。 ②-2021年6月11日 1リットル157ルピー:コロナの終息が見え始め世界的に規制緩和が始まり、経済が動き始めた事によって原油価格が上がり始めた時期で、スリランカ政府がインフレ抑制の目的で、意図的にルピーの固定為替取引(USD1.0=200ルピー)を始めた時期に重なります。有識者が外貨準備高減に警告を出し始めた時期です。 ③-2021年12月20日 1リットル177ルピー:固定為替取引の影響で、ルピーの市場為替取引レートと固定為替取引レートのギャップが拡大、USD1.0に付き50ルピー以上と言われ、外貨(送金・投資・貿易)収入が急激に減り、外貨準備高は危機的状況になった時期です。 ④-2022年3月11日 1リットル254ルピー:外貨不足が激しくなり、長時間停電、ガス・ガソリンを始めとする燃料、医薬品、食料の不足と急激なインフレ、市場為替取引レートと固定為替レートのギャップに耐えられず、変動為替制へ急遽戻すも、急激なルピー安が進行し、それに伴いガソリン価格もアップ、一般市民は政府への抗議行動を始めます。 ⑤-2022年4月18日 1リットル338ルピー:ラジャパクサ大統領一族政権に対する市民の抗議活動が全国で活発になり、大きなデモ活動が行われ、次々に一族とその取り巻きが退任させられた時期、また4月18日は対外債務償還期限の日でしたが返済できず、30日の猶予期間に突入。ルピー安続伸。 ⑥-2022年5月24日 1リットル420ルピー:5月に入りラジャパクサ大統領の兄、マヒンダ・ラジャパクサ元首相がやっと退任し、新首相にラニル・ウイクラマシンハ氏が就任、前首相政権の「放漫財政運営」による危機的財政状況と問題点を国民に公表、この値上げは政府補助金の相殺調整(1リットル84ルピー)によると思われる。5月18日に30日の猶予期間でも対外債務を払えずデフォルト確定。 ●考察 *物価は上がれど、収入は上がらず・・ ①~⑥のデータから、ここ1年弱でガソリン価格は約3倍となっており、なるほど米・小麦・魚・肉などの基本生活必需品の物価上昇(約3倍~3.5倍)とほぼ一致します。一方、原油価格は一年前と比べルピー建てで約3.7倍になっていますが、ガソリン価格はそこまでアップしていない事から、精製に関わる人件費は相当抑えられているのではと予想され、「給料は推して知るべし」と言えるでしょう。 *1リットル500ルピーはすぐそこ・・ ⑥の政府補助金の相殺調整により、1リットル420ルピーとなりましたが、変なフィルターが無くなり、原油価格・為替を加味した真の実力値として今後のベンチマークとして使え、今後デフォルトの影響でルピー安進行、原油価格の更なる上昇が続くと・・例えばUSD1.0=400ルピー、原油価格1バレル=USD120になった場合、ガソリン1リットル500ルピー以上の時代がそこまで来ています。 ●市民生活の逼迫 スリランカ人一般中流家庭の月収が10万~15万ルピーと言われていますが、物価は1年前の3~4倍・・つまりは給料が差ほど上がらない=実質月収は三分の一から四分の一に激減しており、一般市民の生活苦が理解できます・・ ちなみに通勤などで車やバイクを使用することの多いスリランカ、一家でガソリンを一か月100リットル消費するとすると、その家計に占める割合は3~4割となり、他光熱費、教育費・食費・雑費を考えれば、これ以上のガソリン価格アップは、家計崩壊を意味します。 また、下層の家庭では既に一日一食の生活の家も出てきている事を考えると、待ったなしの状態と言えるでしょう。 そんななか、ロシア産原油を輸入というスクープが世間を賑わせていますが、スリランカは、ここ半年ほどインドから信用取引で原油・精製油を活発に融通してもらっていますので、国内で流通している燃料のほとんどは、インドから来てるとはいえども、ほぼ間違いなくロシア産・・既にロシア産にどっぷり漬かっている状況なのです。 また、ロシア産原油を積んだタンカーも、支払い待ちで数週間コロンボ港沖に停泊させられていたことを考えると、今さら「帰れ」ともいえず、どうしようも出来ない状況と言えます。今回の輸入は国際的道義上どうかと思われますが、短期的には安い原油の輸入は歓迎といったところでしょうか!?・・おかげで2か月以上停止していたサプカスカンダ精油所は5月28日より稼働再開できており、ガソリン不足も少し解消しそうです😊 ●今後の展望 新首相に就任したラニル・ウイクラマシンハ氏は経済相も兼任し、日本をはじめとする欧米諸国と対話、G7を始めとする各国からの経済援助の動きが活発化しています。一方、IMF再生プランについても、ラニル氏が経済相として交渉に当たっており、早ければ6月~7月に導入開始し融資が始まりそうです。😊 だだし直近で一番大事なのは、某国との蜜月の終わりと言える「債務の再編」と大型プロジェクトの一時休止を始めとする「緊縮財政」だと思います・・膨大な債務「債務の罠」を高金利で負っている以上、IMFの融資があろうと砂漠に水を撒くがごとしですので「債務の再編」は急務であり、また経済規模に基づいた財政再編「緊縮財政」も同様です・・ラジャパクサ一族が監修した飾られた経済成長(バブル)と決別し、自国経済の現状と実力を理解し足元を見つめ、分相応の生活を心掛けることが再生の早道かと思います・・30年続いた内戦中ですら市民の生活はいたって普通だったのですから・・ 住んでいる私が言うのは何ですが、東西のシーレーンの地政学上重要地点にあることから、東西文化が合流し融合してスリランカ独特の文化を形成しています。その2500年以上の文化と熱帯の大自然が奇跡的に調和するスリランカは魅力のてんこ盛りといって良いでしょう・・まだまだ捨てたものではありません・・ここ半年~1年程は本当に苦しい時間が過ぎるかもしれませんが、きっと日本を始め世界の国々からの助けがあれば復活できるはずです。 ラニル新首相の言う「この国すべての人々と、若い世代の未来を救うために」私も一助出来ればと思っています。 ●Srieko
5月30日 ガソリン価格推移から見る国民の困窮👦
ここ1年弱でガソリン価格は約3倍となっており、なるほど米・小麦・魚・肉などの基本生活必需品の物価上昇(約3倍~3.5倍)とほぼ一致します。一方、原油価格は一年前と比べルピー建てで約3.7倍になっていますが、ガソリン価格はそこまで・・
5月17日 スリランカ新首相の約束👨
政治・経済大混乱の中、退任した前首相のマヒンダ・ラジャパクサ氏に代わり、先週の5月12日(木)に野党UNP(United National Party)のラニル・ウイクラマシンハ氏が新首相として任命され、早速週明けの5月16日(月)に国民への演説を行いました・・・
5月10日 スリランカ再び外出禁止令 国家危機迫る
コロンボを中心に全国的に反ラジャパクサ派市民による大規模な抗議行動が平和的に行われていましたが、昨日マヒンダ・ラジャパクサ首相の退任で、親シンラジャパクサ派市民による、反ラジャパクサ派市民への過激な暴力行動が起こり、コロンボ市内は軍隊が出動する暴動状態・・・
5月6日 異色のパンツ・パンティー抗議行動始まる🐶
抗議行動が活発化する中、昨日も学生による大暴動が起きた国会議事堂前で、ついに異色の抗議行動ともいえるパンツ・パンティー抗議行動が国会議事堂前で起きてますよ~中には褌男・ズロースなども登場、国会議事堂前に作られたバリケードに・・・
5月1日 「債務の罠」脱出可能か、国家再建の願い(後編)
前編では、IMFへの緊急融資要請、債務の罠になぜ嵌まったのか、経済危機に直面する国民の抗議行動を紹介しましたが、後編では、スリランカ大手企業の対応、スリランカ国民の国家再建への願いを配信します。・・・
Vol.123 – 「債務の罠」脱出可能か、国家再建の願い(後編)
前編では、IMFへの緊急融資要請、債務の罠になぜ嵌まったのか、経済危機に直面する国民の抗議行動を紹介しましたが、後編では、スリランカ大手企業の対応、スリランカ国民の国家再建への願いを配信します。 ●スリランカ大手企業の対応 スリランカ大手企業はその歴史・資本力・政治力をバックに、この経済危機でも苦しいながらも比較的安定した収益を上げているようです。その中でも中堅に位置する比較的新しい会社Softlogic社が素晴らしい声明文を出しています。一企業がこれだけ国民の事を考え、国を変革していこうと強い意志で国民の後押しを行っている事に、共感を覚えます。 このSoftlogic社は、ICT(情報通信産業)、健康関係、小売、金融サービス、自動車、レジャーに従事するスリランカの多様な複合企業です。私達はデパート(Odel)やスーパー(Glomark)などでお世話になっています。 以下Softlogic社の声明文です。 ●Softlogic社声明文(原文) ●声明文要約 我が国は歴史上経験した事のないような経済危機に直面しており、一般市民の生活は崩壊寸前となっており、政府に対する前例のない抗議行動が起きています。 多くの国々が今まで経験した事のないパンデミック後の回復という課題に直面しており、どの国の政府も解決策を見出すのは容易ではありません。 わが国では、ガス・電気・水の供給が十分でなく、食料が高騰しているなど一般市民生活が難しくなっており、市民は助けを求めて声を上げています。このような抗議行動を鎮める事は無責任であり、むしろ何万人ものスタッフを抱える責任ある雇用者として、私達国民が現政権担当者に実行可能な効果的な解決策を実施するよう抗議行動を行う事を求めます。 私達の行動が正しいのか、間違っているのか求められているのです。私達は良心を持って行動しなければなりませんし、大衆の声は、しばしば解決策のヒントに役立つものであることは疑いの余地がありません。 ソフトロジックでは、ビジネス環境の中で、全ての人のためになるようなビジネス精神を貫いています、私達のモットーは、常に奉仕することです。お客様を第一に考え、従業員や株主は、間違いなくお客様に奉仕することで利益を得ています。同様に、国が利益を得れば、私たち全員が利益を得ます。 平和、自由、安全は、誰もが持つ基本的権利です。私達の社会は同じ信念を持つ複合企業のようであり、いつも同じ願望と同じ鼓動を持っており、私たちは世界最高水準の真実に裏付けされた普通選挙権(デモクラシー)の原則を守り抜かなければならないのです。 変化を求める強き志を持った抗議行動と人々の集まりは、今まさに深い真実の探求を求めています。私たちは助けを求める「国民の悲鳴」に耳を傾け、深い思いやりと正義をもって応えなければなりません。真の正義は、大衆が自らの行動の意味と願望を理解し、それぞれの宗教の根底に流れる教えを、自らの手で掘り起こすときにのみ発揮されることでしょう。 私たちは、多くの従業員を抱え、さらに多くの顧客を持つ責任ある組織として、真実の光が勝ち、歴史の中で最も暗い瞬間が、より深い理解、忍耐、信念、寛容をもって前進する転機となることを常に願っています。 今目にしている抗議行動は、この国を前進させ、大きな力で私達自らを変革することができるものです。今こそ本当の目覚めの時であり、団結の中にリーダーシップと共通の認識を見出し、平和、自由、安全を見出すことができるのです。 スリランカは、これまで何度も激動の時代を乗り越えてきました。友好国、二国間パートナー、多国間資金提供機関が危機感を持って支援すれば、同国の経済活動を正常化できるものと期待しています。この重要な時期に、私たちはすべての党派的な考えを排除し、超党派的に協力することを強く求めます。党派的な解決策を期待するのではなく、国を第一に考えることが、今求められているのです。経済の安定には、安定した政府が必要不可欠です。もし、国民の意志がまとまれば、国を良くするためにすべての力が結集され、私たち国家はかつてないほど強くなることを確信しています。 私たちは、スリランカの未来のために団結していきます。 おわり ●スリランカ国民の国家再建への願い 一般市民の生活と怒りは限界に来ていると思います。おりしも本日は5月1日メーデー、全国各地で大規模な抗議行動が起きており、警察・軍隊との衝突が危惧されます。 調理用ガス不足で、ガス価格は半年ほど前の3倍ほどに跳ね上がり、それでもガスを入手できれば良いほどで、市中にはガスがほとんど無い状態・・一部市民は薪で煮炊きを強いられています。ケロシン(石油)が手に入ったときはケロシンコンロを使うようですが、停電で真っ暗な中、蝋燭の僅かな光の下、焚き木で調理する生活を想像してみてください。しかも必要な食料も薬も十分手に入らず、スーパーに行けば毎度価格が上がっていては、「どうやって生活する?」どころではありません。 *物価は毎日上がるほどの激しさ、ほんの半年前2021年10月頃まではRs200で左のライスカレーが楽しめたのに、今では同じものを楽しむには2倍~3倍の価格・・今Rs200で右の侘しい食事が出来るかどうかも疑わしい・・差ほど収入の上がらない市民が怒るのも無理はない。 こんな危機的状態を引き起こした「債務の罠」、それに深く関わった張本人のゴタバヤ・ラジャパクサ大統領とマヒンダラ・ジャパクサ首相兄弟の退任を要求し、各地で増々抗議行動が激しくなっているのは、本当に共感できますし真実を突いていると思います。私の知り合いに確認した範囲では9割以上の人々がラジャパクサ兄弟の退任を求めています。 しかし大統領・首相兄弟の退任だけでは、この国の復活はありえません。政権を国民にもどすべく、国民の意志を反映した超党派からの大統領選出を行い、今後は国民の声が反映されるべく民主的権限や法整備を行うことこそ重要ではないでしょうか。 また今回の経済危機を引き起こした「債務の罠」に関わった国や人々と、今後距離を置くことも重要になって来ると思います。 更に今の巨大な債務を関係国・関係者と整理し、IMFや世界銀行から安定した融資を受けながら、計画的に再生していく道を選ぶのが良いかなと思っています。多少の不便や苦しみは伴うと思いますが、先の見えない今の危機的状況比べ、未来が見えているぶん国民も耐えられるのではないでしょうか。 親なら子供・孫の幸せな将来をいつも考えているもの・・国民主導のデモクラシーでこの国の国家再建を願うばかりです。 👉「債務の罠」脱出可能か、国家再建の願い(前編)に戻る ●Srieko ビジネスサポート ●Srieko Holidays🌺春のプロモーションツアー 安全に旅してこそ楽しいご旅行 by Srieko Holidays 2022年5月1日 山倉義典
Vol.123 – 「債務の罠」脱出可能か、国家再建の願い(前編)
●国際通貨基金IMFとの融資交渉、緊急融資を正式に要請、中国の恫喝外交・・ また始まりましたよ中国の恫喝外交、何の権利があってスリランカにここまで干渉してくるのでしょうかね!?・・そのやり方は、まるで闇金が「お金を大切にしなきゃ、可愛い娘さんもいるんじゃないか」と囁き、債務者を脅す手口となんら変わりません。 というのも、4月18日よりスリランカ財務相と中央銀行総裁一行様が米国に訪問、インドの仲介で国際通貨基金IMFとの融資交渉を行っていますが、スリランカ政府はIMFへ緊急融資を正式に要請、それを受け在スリランカ中国大使館の戚振宏大使が、ブルームバーグ紙のインタビューに「急な通知でスリランカがIMFに向かった影響は避けられない」「スリランカ向けの融資の可能性については今はコメントできない」と述べ現政権を揺さぶり始めたからです・・おりしも、中国は先月、中国への債務返済や中国からの輸入を援助するため、10億米ドルの融資と与信枠15億米ドルの計25億米ドルを検討、併せて人道的にスリランカ経済危機の救済を行うと発表していたばかりです。 スリランカが債務を負う国は中国だけではなく、このスリランカ政府への脅しともとれる行為は、他債権国の紳士的、協力的な態度と比べ、大変違和感があります・・なぜスリランカ現政府はそこまで、中国に干渉されなければならないのでしょうか・・一言で言ってしまえば「債務の罠」なのでしょうが、昨年の肥料の件もしかり、「中国の一大使」がスリランカの各大臣以上の影響力を持っているかの様な行為には、この国と現政権が想像以上の闇に包まれている事の裏付けと考えてよいのかもしれません。 俗にいう「債務の罠」を仕掛け、一国を崩壊寸前の経済危機に追い込んでおきながら、僅かな融資をちらつかせ、人道的に経済危機の救済を・・とは、放火した人間が消防隊のふりをして消火している、まさにマッチポンプと云うんですかこういうの・・スリランカ人も政府も相当舐められたものです 。 いずれIMF再生プランによる本格的融資は行われるでしょう、しかしこの辺のグレーな部分の整理が終わってからになるのではいでしょうか。 ●もともとは「債務の罠」が原因 外貨不足による、ガソリン・軽油を始めとする燃料不足、医薬品不足、食料不足、おまけに連日の長時間停電等々、スーパーに行くたびに値段が上がる急激なインフレで、市民の生活が成り立たない状況になってしまったのは何故なのか!?・・このような経済危機は、30年程続いた内戦の間でも無く、内戦下でも貧しいながらも比較的経済は安定していたところから、内戦後の経済政策に起因するところが大きいと考えられます。 内戦を終了(2009年)させたマヒンダ・ラジャパクサ元大統領(現首相)は、2000年代後半、過激な内戦終了政策で西側諸国と対立し、手を差し伸べて来た中国と接近、中国も将来の一帯一路政策で、スリランカを地政学的に利用価値のある地と考えていたのでしょう・・中国の後ろ盾を得たラジャパクサ元政権は、豊富な資金援助を得ながら、圧倒的な戦力で内戦を終了させ、並行して自身の地元にハンバントタ港・マッタラ国際空港・南部高速など巨大インフラ整備・開発を優先しました。 本来なら国民生活の安定を考え、内戦で傷んだ基本インフラ(ガス、電気、水道、高速道路など)整備を最優先に行うべきところなのでしょうが・・この頃から「債務の罠に」徐々に落ちて行ったのでしょう・・巨大インフラ整備で勢いづいた元大統領は、更にコロンボポートシティー・中北部高速・コロンボ港湾建設・諸々のリゾート建設など大型投資を、主に中国資本で促進させ、一見目覚ましい発展を遂げているように見えるスリランカには、外国諸国からの中大型投資が集まって来て、2010年代中頃は一種のバブルのような状況となりました。 *開発中のポートシティー(コロンボ)・・投資が集まらず苦戦中 しかし冷静になって見ると、内戦終了前までは、世界の最貧国に数えられ、さしたる産業も発展していないスリランカに残ったものは、首都圏からは遠く離れ、不便でほとんど使われていない港と空港、そして雪だるま式に膨れ上がった巨大な借金でした・・2015年頃から巨大な償還案件が目立つようになり、借金の返済に借金を重ねるという、いわゆる自転車操業に陥ります・・その頃ラジャパクサ政権は倒れ連立政権に移動、しかし連立政権だけに政権の政策決定が迅速に定まらず経済は停滞、次から次へと償還期の迫る巨大な借金に耐えられなくなったスリランカ政府は、遂にハンバントタ港・ポートシティーなどを99年租借で中国に差し出します・・どちらも地政学的に重要な地域で、俗に言う「債務の罠」にはまったわけです。 *99年租借でハンバントタ港を手に入れた中国、くつろいでいるのは勿論X近平・・・ 更にそれに輪をかけるように、2018年10月の政変問題、2019年4月の同時爆破テロ事件が起き、経済は大きく後退、連立政権の無政策ぶりに不満をいだく国民は、再び元大統領の弟ゴタバヤ・ラジャパクサ現大統領に政権を委ねましたが、2020年3月には世界的なパンデミックが起き、幾多のロックダウンでスリランカ経済は疲弊・・打ち出す経済刺激策は、次々と悪手で更に経済は悪化・・巨大な借金の償還に追われる現状は、まさに自力復活の万策尽きたといったところでしょうか。 ●活発化する国民の抗議行動 生活難に直面する国民は、問題の当事者ゴタバヤ・ラジャパクサ大統領とその長兄マヒンダ・ラジャパクサのラジャパクサ兄弟の退任を要求し、全国いたる所で、いろいろな業界の人達が連日デモをはじめとする抗議行動をしていますが、ほとんどの抗議行動は政治団体主導ではなくて一般市民から沸き起こっている「大きなうねり」となって全国に広がっており、事態の深刻さをうかがえます。 *スリランカ各地方都市での政府への抗議行動 例えば大きなところで言うと、国家行事などが行われるゴールフェイスグリーンでの抗議デモは、次世代を担う若者が中心になって「Gota(現大統領の通称) Go Home」をスローガンに3週間近く続いており、各主要都市でも「Gota Go Home」運動が活発になっています。また野党NPP主導の抗議デモ行進も南部都市ベルーワラからコロンボへ丸3日行われました。そして最大野党SJBは26日から抗議デモ行進を第二都市キャンディからコロンボに向かって行っています・・ 更に、この国民の激しい怒りを受け、野党や与党の一部議員も大統領の弾劾や内閣不信任へ活発に動き始めまています。 熱しやすく冷めやすいと言われるスリランカ国民の抗議行動が、なぜ長期にわたり継続拡大しているのか・・理由は前述のラジャパクサ兄弟とその一族による独裁政権での経済危機を生んだ失政のみならず、まことしなやかに囁かれている隠し財産の噂や、同時爆破テロ事件の背後にいる真の共謀者と呼ばれる人物を、公表しない政府に対する不信感と怒りも関係しているようです。 *隠し財産については、昨年21年にスリランカ航空に金塊・米ドルを詰め込んで、アフリカ大陸のウガンダに送ったという話・・ウガンダへは定期便が飛んでいないため、運行履歴とGPS履歴から疑わしい運行が発覚し、事が明るみに出ました・・航空機に金塊・米ドルですから相当な金額(100億米ドル以上)が輸送されたと噂されており、何処の誰からその大金を手に入れたのか・・その大金を国に使っていれば、このような危機的経済状況は可避出来たのではないかという疑念が起きて、抗議行動が活発化しています。 ちなみに、ウガンダの外貨準備高は2021年で15億米ドルから44億米ドルに増加しているとの事、何故なんでしょうね・・何があったのか、何もなかったのか、これに付いては大変興味があります。 *専用ジェットとスリランカ航空貨物便がウガンダへ・・どうなってんの!? 4月15日News1st *2019年同時爆破テロ事件については、スリランカ・カソリック教会のマルコム大司教が政府の対応に疑念を持っており、同時爆破テロ事件に何らかの形で大物政治家が関わっていたのではという噂話・・あまりに矛盾点が多く、攻撃の背後にいる真の共謀者と呼ばれる人物を公表しない政府に対する不信感と怒りから、カソリック教徒を中心に抗議行動が活発化しています。 *2019年同時爆破テロの正義を求める抗議行動 4月18日Aljazeera 👉後編 ●スリランカ大手企業の対応 ●スリランカ国民の国家再建への願い ●Srieko ビジネスサポート ●Srieko Holidays🌺春のプロモーションツアー 安全に旅してこそ楽しいご旅行 by Srieko Holidays 2022年5月1日 山倉義典
4月27日 「債務の罠」脱出可能か、国家再建の願い(前編)
また始まった中国の恫喝外交、何の権利があってスリランカにここまで干渉してくるのであろうか!?・・そのやり方は、まるで闇金が「お金を大切にしなきゃ、可愛い娘さんもいるんじゃないか」と債務者を脅す手口となんら変わりません・・・
2022年 4月 7日間 文化三角地帯周遊
4名様 (シンガポール在住)
この度は諸々のアレンジ有難うございました。
情勢が良くないと聞いていましたので、どうかなと思いましたが、ドライバーさんの快適な運転と、Srieko Holidaysさんのアドバイスのおかげで楽しく過ごすことが出来ました。宿泊したホテルはどこも食事が美味しく、清潔で安心して滞在することが出来ました・・・