Vol.103 – (上)犬課長、野生の王国珍入@ヤーラ珍道中膝栗毛
皆様、こんにちは。
日本は大型台風の季節到来で、各地で大きな被害が出ていますが、お元気でお過ごしでしょうか。被災された地域の一刻も早い回復を願っております。
スリランカは、国内の新規コロナ感染者の落ち着きをうけ、経済活動もほぼ正常となり、市民は休日、祝日を利用して旅行に出かけるなど、リラックスできるようになりました。
TVでのコロナ関係の放送もすっかり減り、最近は国政選挙に大勝した与党(SLPP)による憲法改正や、国内の制度改革に焦点を当て放送されています。
しかし油断は禁物、諸外国では第二波、三波が起きている事、スリランカ人帰国者からは少なからずコロナ感染者がいる事を考えると、政府として空港での一般観光客受け入れには、慎重にならざる得ないところです。
さて今回は、8月末に南部高速ハンバントタ線の業務開始の確認と称し、ヤーラ国立公園に出かけ野生動物達の領域へ足を踏み入れた時のお話です。お楽しみください。
●2020年8月27日(木曜)の夕食時8時半頃
ホテルの野外レストランにて夕食のコースメニューを頂いている時の事
灼熱の昼間とは違い、涼しい風が心地よい..アカシヤの下に二人用のテーブルをセットしてもらい、ちょうど前菜の後のクラブスープ(ちなみに妻はクリームスープを選択)を飲み終わった頃でした..海辺にあるホテル周辺に生い茂るブッシュと言われる低木は、月明かりで大小さまざまなシルエットを浮かび上がらせています。
ブッシュの先にもケロシンを使った篝火が灯っており、バトラーは度々野外レストランから料理や飲み物を持って出入りしている事から、近くの丘でパーティーやっているのか..丘の方から楽しそうな歌声が聞こえてきます。
「ここのホテル食事は美味しいね~しかもコースだけど毎日選べるメニューが変わって、一週間いても飽きないかもね」とワインを飲みながら心地よくメインの料理を待っていると..妻が不思議そうに眼だけ動かせて、そこを見て!というように無言で私の後ろ側を指さしています。
何だなんだと、さしている指の先をたどってみると..「ううっ!」声にもならないような唸り声をあげ唖然とした私..月明かりに浮かび上がるブッシュをバックに、高さ3メートル半はあろうかという巨大なゾウさんが15メートルほど先に!しかも私達の方にゆっくり向かって来ます。
●私からはこんな感じに見えました。(あまりの驚きで、写真を撮る余裕はありませんでした😊)
直観的に危ない!と思う間もなく体が反応し、椅子から転げ落ちた私は、足元でくつろいでいた犬課長を連れて妻と逃げようとするのですが、とっさの事でテーブルから2メートルほど逃げるのがやっと..犬課長は私達の異変にやっと気付いたらしく、「ワンワン」吠え始めています..もうもうやばい!と思った瞬間、ゾウさんは突然方向を変え、駆け足で右側のブッシュへ消えていきました。
ウエーターさん達は慌てて助けに来てくれましたが、時すでに遅し!ゾウさんの影はなく、野外レストランで食事を楽しんでいた人達も、私達の尋常ならぬ状況を見て、何が起きたのか?とかなり騒然となっています..ゾウさんの逃げて行ったブッシュ側に集まって、まだ近くにいるのではと観察している人もいましたが、一瞬(私には一分以上に感じました)の出来事でしたので、ブッシュの方向からは、既に何事もなかったがごとく夜虫の声が聞こえてくるだけでした。
素早く逃げ、比較的冷静に状況を見ていた妻によれば、振り向きざま目の前へのゾウさん出現で、私はあまりにびっくりして一瞬腰が抜けたような状態になり、その騒々しさにびっくりした犬課長は、私に向かって吠えてたとの事😊..な~んだ、犬課長は私を守るためにゾウさんに吠えていたのではなかったのね~..な~るほど!たしか数年前家に泥棒が入った時も、寝室で大鼾をかいて寝ていて、翌日の警察の現場検証の時も、「犬は吠えなかったんですか?」と不思議がられた、「お墨付きのバカ犬」だったと改めて認識した次第です。(笑)
興奮冷めやらぬ私達は、ゾウさんの出現で余計お腹も空いたため、再びテーブルセッティングをしてもらい、メインコース(妻はビーフ料理、私は海鮮料理)、それぞれ好みのデザート等を頂きながら、その日はゾウさんと犬課長の話で盛り上がったのは、言うまでもありません。
レストランのマネージャーの話では、今回出現したゾウさんはホテル周辺のブッシュ帯に度々現れ、カバリエと命名されている大変危険なゾウである事、ホテルスタッフは、このカバリエに何度となく追い回されたり危害を加えられている事、またホテル周辺の一帯には計4頭の野生のゾウさんが生息しており、そのうちの一頭(ナッタコッタ)は、唯一おとなしい性格であるとの事でした。
食事も終わり、本館から離れにあるサファリキャンプへ帰ろうとすると、マネージャーさんがブッシュの中を歩いて帰るのは危険だという事で、カートを用意してくれました。
犬課長もいるので、恐縮しながらカートに乗り込み、サファリキャンプに戻りながら、「もし再び手前のブッシュからカバリエが出てきたらどうしよう」と、妻と話しながらコテージに着いてまたびっくり!ドライバーにチップを渡し、カートを降りるとホテルのレストランマネージャーさんと、フロントオフィスマネージャーさんがカートの後ろに立っているではありませんか..私達を心配してくれて、後から付いてきてくれたんですね~。
一息ついて、コテージのベランダから真っ暗なブッシュに見入ると、あまりの静かさに心臓の鼓動さえ聞こえてきます..今夜の夕食時に起こった事は本当だったのか?幻だったのか?..その答えはカートの後ろについて送ってくれたマネージャーさん達..
美味しい食事を頂き、スリリングな体験までできた8月27日の夕食は、私達にとって一生の思い出となることでしょう。驚愕の体験とは、まさにこのことでしょう..😊
<弊社プロフィール>
安全に旅してこそ楽しい旅行、Srieko Holidaysはいつもお客様の安全を第一に考えて旅行のお手伝いをしています。
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9月15日 山倉 義典
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