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スリーエコ・ニュース (Srieko News)

Vol.59 – ナゼ!?というのも野暮な話「いつもの物が当たり前のように手に入らない」

June 6, 2016 at 9:34 am

スリランカ、大手スーパーマーケット(コロンボ)

皆様

 

日本はそろそろ梅雨の時期でしょうか?うっとおしいシーズンではありますが、その後に待っているのは、日本では1年でほんの2~3か月しかない太陽ギラギラの夏!

この時期にしかできないスポーツや遊びに思いをはせれば、気分は少し晴れるのではないでしょうか?

こちらスリランカは先月5月、大雨のため、洪水や土砂崩れが起き、地域によって、村ごと飲み込まれ、多くの犠牲者が出てしまいました。

私の住んでいる空港近くの街、ビーチリゾートであるニゴンボでは大雨の数日後はいつも通りの光景、旅行者の姿も見かけるし、旅行者相手のレストランも9割がた開いていて、「天気が悪くて、海にもプールにも入れないなあ・・」と、呑気なものでした。

ただ、大雨の時は、深夜、自宅の屋根が落ちてくるのではないかと思うぐらい、雨音に怖いものを感じ、翌朝、表通りの様子を見に行ったものでした。

しかし、目に入ってくるものはいつもと変わらぬ朝の通勤風景、、ローカルのテレビ番組をつけても緊急ニュースが入ってくるわけでもなく、普段通り、映画や歌の番組ばかりで、「不安に思ったほどではなかった・・」と安心したものです。

あれだけの大雨であれば、被害の大きかった地域だけでも早い時期に「土砂崩れの危険があるので、避難してください・・」と村役場の指示があれば、もしくは自主避難の気持ちがあれば、命だけでも助かった人が多くいただろうに、国の緊急時のシステムが弱いばかりでなく、個々の災害時の危機管理の気持ちも薄く、「ここは発展途上国なのだなあ・・」と、改めて思い知らされたものです。

そう、かつては欧米人御用達のリゾート地であったスリランカ、そして今ではアジア圏でもその存在が知られてきて、日本でも観光立国として認められつつあるスリランカですが、悲しいかなここは発展途上国、インフラが整っていない、安全面でのスタンダードが確立していない等、発展途上国の代名詞の文句以外にも、実はいろいろなことが起きているのです!例えば・・。

 

今回の大雨とは関係なく、もう半年も前からある物がスーパーの棚から消えました。

お料理のお皿にかぶせたり、電子レンジに入れて温めるときの透明のラッピングペーパー。店のスタッフに聞いても「数日後に入荷する・・」と、商品がない時のいつもの決まり文句しか返ってきません。

外国人の多い都会のコロンボならば、さすがにあるだろうと足を運んでも、わが街・田舎(?!)のニゴンボと同じ状況、何件もの店を周ってみたものの、目にすることはできません。

手に入っていた時から、価格は日本の2~3倍。とても使い捨てになんかできないと、洗って再利用していたものですが、とうとう姿を消してしまうとは・・。

スリランカでは昨年の暮れから、課税に対する混乱が続いている状況なので、「輸入業者は税が上がってから放出するために、倉庫にため込んでいるんじゃない?」と、腹黒い推理を働かせてみましたが、真相はいかに?

 

さらに大雨とは関係なく、ローカルブランドのコーヒー豆が、こちらもスーパーから消えてしまいました。Coffee-210

スリランカは紅茶の国。紅茶の芳醇なアロマに包まれる時、「ああ、スリランカにいてよかった・・」と素直に思いますが、逆にコーヒーは、世界でも“ワーストXX”に入るのではないかと思えるほど、はっきり言って最悪・・。人それぞれ好みがある嗜好品に対して、私がここまで言い切るのは、あまりに同じことを外国人が口にするため・・。

パウダー状になったものがこの国で愛されているコーヒー、しかし、紅茶同様、コーヒー愛飲家である私が楽しめる味ではなく、そうかと言って、輸入ものの、スーパーの戸棚に埃をかぶっている値段の高いコーヒー缶を買う気にもなれない。

そんな中、見つけたのがローカルブランドの豆。味も値段もそこそこ。欧米客がこぞって押し寄せ、長期滞在者も多くなるクリスマス休暇となると、急に品薄になり、よく買いだめしたものですが、今となっては幻の商品か・・。

 

今回の大雨が関係するに至っては、料理用のガスボンベがその対象です。

電気代の高いスリランカ。家庭によっては、ガスと電気両方使えるタイプのキッチンネットが置いてありますが、電気の方など、たとえ1分でも使ってなるものか・・、と思うのは私ばかりではないでしょう。Gas(litro-and-laugh)-210

その点、ガスは本当に安い!しかし、スリランカNo,1のガス供給会社(黄色ブランド)で、ガスのストックが大雨の際、浸水したとかで、供給がストップしてしまったのです。

大雨が落ち着いて2週間たっても店に張り出されている「No gas (ノー ガス)」の張り紙がはがされる兆しはありません。

一方、別のガス供給会社(青ブランド)は雨の影響がなかったらしく、引っ張りだこ。この時期、スリランカで一番株価が上がっているのじゃないかと思えるほどの売れ行きですが、我が家でもともと使っているのは黄色ブランド。最初に購入の際、ガスボンベ本体の補償金が必要で、「ガスが安い分、この補償金で儲けているんじゃない?」と思ってしまうほどけっこうな値段です。

「黄色ボンベ2本抱えているのに、今度は青ボンベにまた高いお金払うの~?いっそのこと、黄色ブランドが復活するまで、外食で通そうか・・」と、意地になっているところです。

 

「この国が発展途上国である以上、次なる最悪ケースを想定しておかないと・・。それは何だろうか?そういえば、先週、飲料水会社Aがミネラルウオーターの配達に来なかった。最近、売り上げが悪いらしく、必要以上に御用聞きに来ていたのに・・。スーパーではいっぱい水を買っている人を見かけたし、大雨の影響をうけたところでは、飲料水の確保に追われているそうだから、飲料水が品薄になっても不思議はない?・・」

紅茶の美味しい国で、美味しいコーヒーが飲めないのは仕方ないにしても、早く、大雨の余波がおさまって、残りのガスの量を心配することなく、安心して“お家ごはん”が作れる生活がしたいものです。

どうです?以上が当地スリランカの生活。日本のうっとおしい梅雨の生活が、しっとり潤いのあるものに思えてきたのでは?

 

追伸)この文章をしたためた数日後、黄色ブランドのガスが少しずつ巷に現れるようになりました。飲料水の不足もないようです。うれしいことに、ようやくスリランカの生活は通常にもどりつつあります。

 

2016年6月1日

山倉 理恵子

 

www.sriekov2.loc も宜しくお願いします。

 

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