Vol.105 – 2020年スリランカ、みんなみんなランカ流!(第三話)
皆様、こんにちは。
日本は秋も深まり紅葉の綺麗な季節かと思いますが、お元気にお過ごしでしょうか。夜もひんやりとなるこの季節、コロナは心配ですが、こっそり温泉宿にでも引き籠りたくなるというものです。
スリランカは、10月頭に2か月ぶりの国内大型クラスターの影響を受け、ロックダウンか各地域で始まり、すっかりリラックスムードはなくなりました。
また諸外国のコロナ・パンデミックの状況を受け、観光大臣が「来年第一四半期(2021年1月~3月)まで、コロンボ国際空港の業務再開はしないであろう」と発表したこともあり、たとえ今回の大型クラスターが終息したとしても、コロンボ国際空港が通常業務に戻るには、まだまだ時間がかかりそうです。
さて暗いムードを早く一掃したいな~という願いを込め、「みんなみんなスリランカ流!(第三話)」を発刊しました。
スリランカに滞在した事のある人は、見たことある!と言うケースが多いのでは。😊
●カーフュー(CURFEW外出禁止令)について
コロナ第二波は、気温の下がった欧米諸国を中心に猛威をふるい、皆さんご存知の通りカーフュー(Curfew外出禁止令)が世界各国で再び出ています。
スリランカも例外に漏れず、10月頭頃から第二波の襲来を受け、全国的に感染が蔓延していて、首都圏を中心に感染者の多い地域でカーフュー(外出禁止令)が再度発令されています。
おりしも10月頭と言えば、インドでは死者10万人を超えた時期と重なり、いかに四方が海に囲まれた島国スリランカとはいえ、隣国インドで猛威をふるうコロナの影響は、少なからずあると考えるのが普通だと思います..
が、政府は「輸入者症例を除き国内では二か月以上コロナ市中感染者はなく、コロナウイルスは市中にはいない」とポジティブキャンペーンを張り、国民は安心しきって、マスク、手洗いをしない人が多くなり、これで本当に大丈夫なのか?と心配していた矢先でした。
いわば突然襲ってきた第二波は、不意を突かれた様なものだといって良いでしょう。
それ以降、感染者の多い地域でCurfew(外出禁止令)は断続的に発令されていますが、第二波では「Normal Curfew」と「Quarantine Curfew」の二種類あると、先日のラジオで話していました。
第一波(3月末~6月末)の時は、3か月間完全に外部との接触を遮断され、基本的に在宅を強いられ、食料や生活必需品は玄関まで配達してもらっていましたが、ラジオによればこの超厳格な人権無視も甚だしいと思われる「完全外出禁止」のカーフューの事を「Normal Curfew」と呼んでいるとの事..
一方、第二波当初のカーフューは「Quarantine Curfew」という言葉で分けられていて、食料や生活必需品の購入をする以外の「不要不急の外出は禁止」との事でした。
私はこれを聞いた時に、不謹慎でありましたが思わず苦笑いしてしまいました..というのも、スリランカンの性格上、このQuarantine Curfew(不要不急の外出禁止)というのが、本当に通用するのか!?と思ったからです。現にラジオのコメンテイターは「外出しても良いCurfewでしょ!?」などとギャグネタにする始末!😊
普段から、物事を都合よく考える性格のスリランカンが「不要不急の外出禁止令を、守れるわけない..断言できる!」と思った通りでした..
ニゴンボでは、既にQuarantine Curfew(不要不急の外出禁止令)が出ているにも拘らず、一部の大型店は閉まっているものの、市中繁華街にある中小のお店はファッションショップ、中古車から飲食屋まで何事も無いように開いていましたし、街の中心部はいつもにも増しカオスのごとく混んでいて、皆マスクはしているもののソーシャルディスタンスどころではありません!
「不要不急の基準が曖昧で、だれが違反者か見分けがつかない..逮捕されないと分かれば、街に出るよね~この人達!これではウイルス蔓延するね~」と妻とひどく心配したものです。
間もなく政府は拙い政策だったと気付いたのか!?テレビでは「Quarantine Curfew(不要不急の外出禁止)」という言葉は使われなくなり、今週頭11月2日から正式なアナウンスも無く、いつの間にか「厳格な外出禁止令Normal Curfew」に戻したようです。
やはり不法外出者を逮捕するNormal Curfew(完全外出禁止令)がスリランカンには合っているような気がします..なんだか不発だったQuarantine Curfew(不要不急の外出禁止令)は、もう二度と耳にすることはないのでは..
という状況をなぜ私達が観察できるのか?と思われた方もいらっしゃると思います。
実は、Curfew Pass(外出禁止令中の通行手形)という例外があり、私達はBOI企業としてその通行手形を取得しているからなのです。とは言え怖いので、なるべく家にいる事にしていますが..。😊
●予告がないのがランカ流(相手の事はお構いなし..)
お題を見て妙に「合点承知の助」と言う人も多いのでは..
ここスリランカでは一般市民から政府役人まで、手帳を持って予定、約束事を付けていないのでは?と疑いたくなるほど、予定、約束事は簡単に反故にされます。逆に、予定、約束無しに急に...という事は日常茶飯事。..
私の「ランカ出来事記録帳」には、こういうのを「思い付きで動いている人達」として記しているのですが、スリランカ二千万人と言われる子供から大人まですべてが例外なくこの調子、ここまでくると大したものです!これで社会が回っているんだから尊敬の念さえ覚えます。😊
例えば、スリランカ人の知り合い、「近くまで来たので顔を見に!」などと言いながら、連絡も取らずいきなりバナナとか手土産を持ってやって来るのはしょっちゅうです..もしも私達が家に居なかったらどうするのだろう?とこちらが心配するくらいです。
また、最初のコロナでのロックダウンもそうでしたが、当日の昼に「本日の夕方18:00からロックダウン」という事がりました..こういう国なので日頃から必要な物は多めに買っているのですが、この時は少し大変な事に..
ロックダウンの情報が入って直ぐに、妻と犬課長を乗せ「必要だと思ったら買え!」を合言葉に買い物に出かけたのですが、少々出足が遅れたのかどこのスーパーも入場制限が始まっており長蛇の列、しかも誰もソーシャールディスタンスなどだれも守っていません!
これを見て買い物に時間が掛かりそうだと「必要だと思ったら買え」から「迷ったら買え」に戦略変更..スーパーの列に並ぶこと数時間、やっと入場を果たした時には、びっくり~~「迷ったら買え」どころではありません、目的だった野菜、魚、肉の棚はスッ空カラン、他米、小麦コーナーも売り切れ..敗北感に苛まれ、気付いたら既に夕方18時近く、冷凍コロッケと高くて売れ残ったしなびたレタスを持ってレジに並んでいました。(笑)
二回目のロックダウンの時もそうでした。前回の失敗を踏まえ、外国人である私達にとってスーパーのハードルは高いと判断..必要最小限の野菜と魚を求め田舎の市場を狙おうという事になり、田舎の方向へ出かけました。
前回の惨敗をふまえ、購買戦略もいつの間にか「迷う前に買え」に..町の名前も定かでない市場に突入して、片っ端から野菜と魚を買った結果、家に帰ってびっくり..料理方法も知らない初めて見る野菜、どっから見ても干からびたトマト、名前も知らない熱帯魚などなど..我ながら買った事すら覚えていません..ドサクサに紛れて他の人のお買い物袋を持ってきたかも?..と反省の念を持ったものです(笑)
せめて前日に告知してもらえたら、ゆっくりお買い物もできるのに、あまりの唐突なロックダウンに、ついつい腹が立ったというものです!
スリランカでは各種税制改正でも予告なし!ガソリン、電気料をはじめとする公共料金変更も予告なし!政府の重要決定事項実施開始日も予告なし!予告なし、容赦なしで、ある日突然その日はやってきます。
この国では、どんなに偉大な賢人でも、その時の気分で動いているのではないか?はたまた人を驚かせることに生きがいを感じているのか?と勘繰りたくなる程です。
そういえば、数年前車を自己輸入した時、輸入税を予告なしに上げられ、五十万円近く多めに支払った時はビックリさせられました。どうりで船がなかなか着かないのでおかしいと思ったが..
あっ停電だ!もちろんこれも予告なし..なんでもかんでも予告なし、容赦なし😊
●ランカ流国民的娯楽(何歳になっても..)
「タコタコあがれ~」と言えば、ほとんどの人は子供の頃楽しんだ凧揚げを連想すると思いますが、一部のおなかの空いている人は、小料理屋の蛸揚げを思い浮かべるかもしれませんね~そんな事はどうでも良いのですが、この凧揚げ、スリランカでは老若男女問わず、国民的な娯楽となっている事はご存知でしょうか!?
大都市では年に一度は「凧揚げ大会」なるものが行われているお国柄、休日ともなると海岸に出て子供から大人まで競うように凧を飛ばしています。..よくよく観察すると、幼い子供達というよりも、大の大人の方が一生懸命になっているようですが..。😊
良い風が吹いているときなどは、大空に凧・凧・凧、色とりどりの凧は、大小形もかなり個性的..三角形のイカタイプだったり、ゲゲゲの鬼太郎に出てくるヌリカベタイプ、はたまた筒タイプと日本ではあまり見ない形の個性あふれる凧のオンパレード..
文化の違う南国スリランカの凧揚げは、日本のそれとは色の形もかくにも違うものかと感心しながら、犬課長といつもビーチを散歩していますが、小学生のころ、行きつけの駄菓子屋で買った四角い凧を改造したり、自分で竹割から始めオリジナルの凧を作ったりと、凧揚げでは悪ガキ仲間一番だった私の心がグラついたのは言うまでもありません。
「凧揚げやってみたいな~でも五十半ばも過ぎたオッサンがなんだか恥ずかしいな~」と思いながら、大空で見えなくなるほど遠くで飛んでいる凧を見ながら、凧糸にかかる重量感はいかほどのものか想像し、犬課長の散歩に付き合いながらも一人心の中で葛藤です..
帰宅後即座にPCを開き、凧揚げの写真を閲覧することもしばしば...日本の凧を見ながらうっとりしていると、なんとWikipediaに嬉しい事が書いてあるではないですか..「江戸時代には、大凧を揚げることが日本各地で流行り、江戸の武家屋敷では凧揚げで損傷した屋根の修理に毎年大金を費やすほどだった。」..ふむふむ江戸時代には、大の大人ばかりではなく、侍も揚げていたという事か!と妙に納得。😊
そしてある日、勇気を出して遠くまで大きな凧を飛ばしている人に声をかけたのでした..その20代半ばに見えるその青年は、私の奇妙なお願いにも嫌な顔ひとつせず、私の手へ凧糸を渡してくれました。
しばしの間ズシリと重い凧糸を無邪気に操っていると、田んぼしかない新潟の田舎町で育った悪ガキだった頃の思い出が、凧糸を通じてフラッシュバックしてくるようです..実に楽しい一時でした。
あっという間に時間が経ち、その青年には丁寧なお礼を言い凧糸を返すと、やがて中学生になり、他の遊びも覚え凧揚げへの情熱も、知らぬうちに衰えていったのだな~と、ふと思い出したのでした。
スリランカに来られた方は皆さん言います。
「スリランカの人達は、素朴で無邪気な笑顔が美しいですね」と、良くも悪くも、歳を重ねて素朴さと無邪気さを忘れないスリランカの人々..どうりで凧がどの国の人々よりも高く揚がるわけですね。
<弊社プロフィール>
安全に旅してこそ楽しい旅行、Srieko Holidaysはいつもお客様の安全を第一に考えて旅行のお手伝いをしています。
*インド洋を優雅に泳ぐシロナガスクジラ観察
*「ウミガメの産卵ツアー」大好評
*高原列車で紅茶畑&紅茶工場巡り大好評
*GTフィッシング
2020年11月1日 山倉 義典
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