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スリーエコ・ニュース (Srieko News)

Vol.55 – スリランカ再発見!Part-1

October 31, 2015 at 12:21 pm

インド洋に沈むダイナマイト級のサンセット@スリランカ(ニゴンボ)

皆様

日本は紅葉が美しい時期ですね。11月のお休みには紅葉狩りを兼ねて、温泉旅行に出られる方も多いことと思います。

私も大の温泉好きですが、ここ南国のスリランカでは温泉はないに等しいので、天気のいい日は海辺のホテルのプールに入って“温泉気分”を味わう週末・・。プールとはいっても、泳ぐにしてはこの時期、水温が高いことが多いのです。

生ぬるい水につかりながら、ぼーーと空を見上げていると、目に入ってくるのは(紅葉ではなく)、元気よく茂っているココナッツの木々。リスたちがその木々を登ったり降りたり楽しそうに走り回っています。

バックグラウンドの音楽は、ヒューヒューとした木枯らしの音ではなく「カー!カー!」という低温のゆっくりしたカラスの鳴き声。

「ここはスリランカだからね!あなたの国と違って、皆のんびり動いているよ。物ごとが(あなたの国のように)進まないからと言って、怒っちゃいけないよ!・・」と、たしなめられているよう・・・。

地上を見渡せば、ホテルのゲスト達はプールサイドのデッキチェアでシエスタ(午睡)を楽しんだり、読書をしたり、・・。

芝生に面したお部屋のテラスの方に目をやると、おそらく紅茶を楽しんでいるのでしょう、カップを片手におしゃべりに興じている光景も目に入ってきます。

「ああ、ここはスリランカなのだなあ・・。私も遠い昔、彼らのように、一旅行者としてスリランカを訪れたのだなあ・・。そして良い国だなあ!と思ったのだなあ・・。」と、ぼんやり自分とスリランカの関わりの原点を振り返ってみたりします。

 

スリランカと関わるようになってもう20年近くになりますが、最近「ああ、スリランカのよさをまだまだわかっていなかったのだなあ・・」と思うことが2つあります。

一つはスリランカのセイロン茶(紅茶)のおいしさ、そしてもう一つが、スリランカの伝統医学・アーユルヴェーダです。

アーユルヴェーダに関しては、以前、夫が肩の痛みをこの療法によって治癒したので、その効力は信じていたものの、のんびり時間をかけて直さなければならないこと、そして個人的にはオイルによるマッサージが苦手なことから、積極的に弊社SRIEKOのお客様に紹介するのではなく、アーユルヴェーダにご興味を持たれている客様からのお問い合わせにお応えするという受け身の対応がほとんどでした。

しかし先日、スリランカの老舗アーユルヴェーダ会社のU氏と久しぶりにお会いした時のことです。U氏の話を聞いて、

「旅行会社として、アーユルヴェーダの今の受け身の対応ではいけない。スリランカの魅力をもっと日本人に知っていただくために、スリランカで生活することになったのだ。そのことで嫌なこともいっぱい体験したが、一方でここで生活することで、スリランカの魅力も(旅行者の域を超えて)知ることができた。おまえの使命はまだまだ達成されていいないではないか。怠けているのではないか?」と我に返りました。

 

日本つうのU氏は言います。

「この間、仕事で日本から帰ってきたばかりです。今日本は少しずつアーユルヴェーダが脚光を浴びてきているようですね。美容サロンに飽き足らない人達からの流れもありますが、うつ病などの心の病を抱えている人達にも興味を持たれているようです。日本は本当にストレスを感じている人達が多いですからね・・」と。Siddhalepa Waduwwa-4-210

スリランカのアーユルヴェーダは、皮肉にも、西洋医学のおひざ元である西欧でとても人気で、U氏の会社はヨーロッパにもアーユルヴェーダの施設を開いているぐらいです。

私が旅行会社の人間として不合格な“受け身体制”に甘んじている間に、日本でもそのよさが知られてきたとは・・。

日本にいる知り合いを見回しても「ストレスが強い生活なのだろうなあ。心が病んでいるのだろうなあ。他の病気を誘発しなければいいけれど・・」と思う人達が多いのです。そういう人達は、性格がいい“よい人達”であることが多いので、なおさら心配になってしまいます。

 

U氏の言葉に触発されて、旅行会社としてもう少しアーユルヴェーダの世界を勉強しなければと、その後、アーユルヴェーダ施設の多いスリランカ南海岸に何度か足を運ぶようになりました。

その集大成(?!)が「アーユルヴェーダの小部屋」です。

編集を手伝ってくれた夫は「あれ?小部屋1、小部屋2、・・といった形にするんじゃないの?」と怪訝な様子ですが、「そういう意味で小部屋と付けたのじゃないのよ。アーユルヴェーダは中国の東洋医学に匹敵するインド・スリランカの何千年にもわたる伝統医学。

本当は“大きな部屋”であるけれど、私達が日本の皆様に紹介できるのは、旅行会社としてほんのさわり。だから小部屋としたのよ・・」と。

 

オイルマッサージは苦手な私も、アーユルヴェーダのコンセプトのひとつには“医食同源”にはとても共感しています。

貧乏性の性格も手伝って「家で食事を作ることほど、安上がりで、ヘルシーであるものはないわ。“医食同源”よ!」と日々、口にして、飲み歩きたいだろう夫に“お家ごはん”を押し付けているほど・・。

ということで、旅行会社として(さわりだけでも紹介するための)アーユルヴェーダに関わるべき次なるステップは、アーユルヴェーダ食です。

アーユルヴェーダ施設の一つで頂いたフルーツ・ジュースのそのあまりに優しく、濃厚な味は、私のスリランカ初体験!“

外出すると、暑いスリランカでは決まってフルーツ・パーラーでジュースを飲んでいたけれど、あの味とは似て非なる飲み物。

「ああ!これでコカ・コーラなみに冷やされていれば、スリランカのフルーツ・ジュースを堪能するためだけに、スリランカ滞在してもいいぐらい。エピキュリアンと呼ばれてもいい!冷たくしたお代わりが飲みた~い!・・」とLotus Villa-3-210思ったほど。

 

アーユルヴェーダでは冷たい飲み物、デザートは厳禁!個人的にも、冷たいものを極力取らないようにしていると、体調がよくなるとは感じていたけれど、“アーユルヴェーダのさわり”しか接していない身では、ついつい冷やしたものが飲みたくなってしまう。

ジュースを頂いた後で、使っているフルーツはオーガニックと知って納得です。

このジュースばかりでなく、こちらに滞在される弊社のお客様は「食事がおいしい!」とおっしゃいます。

味付けはカレー味ばかりだろうに・・。自宅でカレー料理といえば、日本のカレーを作っている自分が恥ずかしくなったものです。

ということで、今、時間ができると南海岸に向かい、少しずつアーユルベーダ食を勉強しています。

“さわり”だけでも皆様に、ご紹介できるようにならないと・・・。

「私はスリランカのことをよく知っているのだ。」と自負して、日本の皆様にスリランカをご紹介していた自分が、スリランカのアーユルヴェーダもセイロン紅茶の魅力も充分に理解せずにいたとは・・。

逆にお客様にそのきっかけや糸口を作って頂くとは、人生とはわからないもの。学ぼうとする謙虚な姿勢でいることが社会に役立って生きていくための、唯一の王道のような気がします。

次回に、私の人生になくてはならない嗜好品となったセイロン紅茶のお話しをさせてもらいます。

 

2015年10月31日

山倉 理恵子

 

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