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スリーエコ・ニュース (Srieko News)

Vol.58 – 奇跡の楽園スリランカで今「何かが起こってる!!」

April 27, 2016 at 12:17 pm

商業都市コロンボの街並み 中央はコロンボを象徴するツインタワー(コロンボ)

皆様

 

日本の美しい桜の季節もほとんどの地域でおしまいとなり、次なる楽しみはゴールデンウイークという方も多いと思います。今年の連休は、長いお休みが取れる方も多いそうで、「スリランカを旅行しよう!」という方が増えていらっしゃるようです。

Srieko Holidaysを立ち上げて5年、立ち上げ当初は「スリランカ?どこにあるの?インドと違うの?どんな魅力があるの?危ないんじゃないの?衛生状況も心配・・」と、日本の方にとって、スリランカはとても遠い国でした。

1998年からこの国を知っている私としては「欧米人にはこんなに人気の国なのに、どうして日本人には知られていないのだろう? 内戦中はしかたないにしても、平和になった今、どうして?」と不思議でした。

「日本人にも、この国の魅力を知ってほしい。インド洋を眺めながら、ヤシの木の下でゆっくり過ごす。そんな数日にあきたら、歴史あふれる文化三角地帯を訪れる。遺跡の暑さにまいってきたら、アーユルヴェーダをこころみる、ジャングルからの風を感じながら、サファリを楽しむ。スリランカ中どこへ行っても感じることは、ローカルの人々ののんびりさと、いい加減さとキラキラとした大きな瞳から漏れる笑顔・・。人と自然、文化が共存する、魅力ある国スリランカを日本の方々にどうしたら伝えられるだろうか・・。」

日々の努力のみ、というのがその答えでした。縁あって関わった国・スリランカを旅行会社という仕事を通じて、地道に紹介していくこと。5年がたった今、その思いが日本人旅行者の増加という事実を持って少しずつ形になっており、うれしい限りです。

「10年ひと昔」と言いますが、今は“5年ひと昔“の時代。5年の間に、スリランカも少しずつ変化が訪れています。

国をあげて観光立国を掲げているスリランカ。旅行者をもっともっと増やそうという国の計画の元、自然に関して、ここ数年で残念なことがいくつか起きています。

 

Leopard-2 Yala-170一つは国立公園内で、動物が犠牲になってしまっていること。サファリを楽しむ旅行者の増加に伴って、サファリ・ジープも数が増え、スピードの出し過ぎなど、そのマナーの悪さから、動物がひき殺されてしまうのです。

希少動物の豹なども犠牲の対象となっており、「どうして旅行者が来てくれるのか?何をもって自分たちが生計を立てることができているのか?」と、サファリ関係者の“動物に対しての意識改革”が起きて、マナーが改善されることを願うばかりです。

残念に思う対象は、“動く自然”ばかりではありません。

前政権の方針で、各国から投資が集められ、3~4年前からホテル建設ラッシュとなりました。建設が遅れに遅れていたその対象のホテルが今、出来上がったり、ほぼ出来上がりつつあります。

旅行者にとって新しいホテルは泊まって気持ちのいいもの、また発展途上国でまだまだ水の出やお湯の出が気になるスリランカにあって、いろいろな面で、大型高級ホテルは安心して泊まれます。

しかし先日、久しぶりに南海岸を訪れた時、「スリランカの自然は将来、大丈夫なんだろうか・・」と、また不安がよぎりました。

弊社でご紹介している人気ツアーの一つ、クジラツアーの町ミリッサの近くに建設中だった、欧米系資本のホテルを視察に行ったのでした。「クジラツアーを楽しみにスリランカにいらっしゃるお客様に、自信を持ってお勧めしたい。もうそろそろ完成の頃ではないか・・」と。

期待に胸を膨らませて見に行ったホテルは、まるで都会のコロンボに建てる予定ではなかったかと思えるほど、周りの景色と全くもって不釣り合いな、中層階のあまりにモダンな外観でした。

たかだか5~6階建てではあるものの、近辺のホテルは平屋がほとんど、せいぜいで2~3階建てとあっては、違和感を覚えるのは私だけではないはずです。

欧米人を中心に、年中旅行客でにぎわっている南海岸は、自然と人々のその田舎っぽさと素朴さが魅力であると信じていた私にとって、“ショッキングな風景”でした。

 

田舎ばかりでなく、都会のコロンボも大きく変わろうとしています。

豪華ホテルの並ぶインド洋に面した、ゴール・フェイス・グリーン。一度でもスリランカを旅行され、コロンボを訪れたことのある方なら、「ああ、あそこの場所か・・」と、すぐに思い当たると思います。

スリランカ市民の憩いの場であり、旅行者にとっては、インド洋の風を頬に受けながら、きれいなサンセットを見られる場所でもあります。

この場所の真横に「ポート・シティ・プロジェクト」という名の埋め立てプロジェクトが中国の資本で進められています。埋立地には将来、金融と経済の街“人口シティ”が造られる予定です。

あまりに中国寄りであった前政権が進めようとしたこのプロジェクト、現政権になって「スリランカの自然環境を著しく壊すものである」として、建設は一時中断状態でした。

それから1年以上経ち、先頃、中国の“金銭的協力”なくしてスリランカの財政は立ち行かなくなるとの結論に達したのか、現政権はこのポート・シティ・プロジェクトの建設許可を出しました。

中国の99年の租借地となるらしいこの埋め立てシティ、中国ばかりでなく、インドなど他の国の投資も歓迎!と政府はコメントしていますが、どの国が主導権を主張する“特別区”になるのか?

「あれ?ここはどこ?かつてインド洋に面したきれいなグリーンが広がっていた所では?ここもスリランカ?それとも中国領?」

なんていう言葉が思わず、漏れるかもしれません。昔と今を比べられることは、あなたの人生の証となります。

変わりつつあるスリランカ。まだまだ自然あふれる今のスリランカを、その目に焼き付けておきませんか?

 

 

2016年4月25日

山倉 理恵子

www.sriekov2.loc も宜しくお願いします。

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