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スリーエコ・ニュース (Srieko News)

Vol.67 – スリランカの未来について一考

July 11, 2017 at 11:28 am

 

皆様こんにちは。

 

日本は、梅雨の時期!湿度が高い中、気温が徐々に上がり不快な気候が続いているのではないでしょうか。九州では大雨が降り、土砂崩れ、洪水のため大きな被害が出ているとのこと、一刻も早い復旧が望まれます。
私の住むスリランカ西海岸は、南西モンスーンの影響で5月~9月の間、海は荒れ、湿度が高くなります。天候的には熱帯のシャワーと呼ばれる猛烈な雨が1^2時間たまに降る程度、日本の梅雨のように一日中雨が降る事はめったにありません。この時期は気温もさほど高くなく、湿度さえ気にならなければ、過ごしやすい季節かも知れません。

 

今回は、「スリランカの今昔について」考えてみました。

 

最近日本、アジアの国々でも注目されてきているスリランカは、古くから欧米諸国人々が多く訪れるバカンス地として有名でした。常夏で海に囲まれたこの国は、太陽と海が大好きな欧米人には絶好の地!特に冬は暖かくて気候が良いため、数か月単位で避寒や、マリーンスポーツに訪れる欧米人が多くいました。
私達がこの地を訪れ始めた20年前は、まだ幹線道路以外は舗装されておらず、牛やヤギがゴミ溜まりにたむろし、その脇では、はだしの子供たちが石を使って道に絵を描いて遊んでいる...もちろん道はおんぼろ車がたまに通る程度ですから安全です。ビーチに出ると長期滞在客がヤシの木のデッキチェアーで日が暮れるまで好きな事をし、道を歩いていても、たまにオート三輪(トゥクトゥク)のオジサンが声を変えてくる程度、食事もライス&カレー、デビルといった伝統的な郷土料理のレストランが中心でした。もちろん何日も東アジア、東南アジア系の人に会う事もなく、帰国時に空港でたまに見かける程度、まさに東アジア人である私達は開拓民のような気持ちを味わったものです。

 

しかし、ここ10年ほどで随分様子が変ってきました。この国もご多分に漏れず、アジア各地で行われている都市化の真っただ中、港湾建設、ビルの建設をはじめ、まだ十分とは言えませんが、コロンボ周辺の主要道路は舗装され、一部高速道路も開通し随分便利になりました。スーパーマーケットには満足とは言えませんが、十分な食料品、雑貨品が並び、購買力も随分上がっています。更に最近は観光客の影響もあり、食も多様化しているようです。空港近くのリゾート地ニゴンボでは、1年半ほど前からシーフードという看板が急激に増え、ねこもしゃくしもシーフード!シーフードを出さない店は、そのうち閉店!?といった勢いです。カレー中心だった昔ながらのレストランも以前からあるチキンカレー、フィッシュカレーに加え、カニカレー、エビカレー、ロブスターカレー等々をメニューに入れお客様対応に追われているようです。(笑)

 

スリランカを訪問する人々も随分変わりました。私の感覚ですが、インド周辺の南アジア人をのぞけば、以前は99%欧米人だった訪問客が、今は東、東南アジア人が3割ほどまで増えている気がします。現にコロンボやニゴンボの繁華街を歩いていると、中国語など東南アジアの言葉が耳に飛び込んできます。コロンボのスーパーなどでは某国の人々が大型バスで乗り付け、iphone片手に爆買!?レジの周辺では段ボール箱を広げ荷造り...といった光景をよく見かけるようになりました。数か月単位でバカンスを過ごす人々はほとんどいなくなり、旅のスタイルも4~5日で観光地を周るスタイルが主流になりつつあります。訪問者の数が増えるのは歓迎なのですが、訪問者数と滞在日数を掛け合わせた数は、実際下がっているのでは?...この辺スリランカ人が分かっているのか!?...最近のホテル空き状況を見ていると、ピークシーズンはオーバーブッキング、ローシーズンは閑古鳥...この状況を見ていると明るい未来は、まだまだ遠いようです。安定的に訪問客があるよう、観光局をはじめとした、政府主要機関が未来を見据えながらスリランカの魅力を考え開発をしていかないと、気が付いた時には、スリランカらしさが薄れた、亡国の都市にそっくりな国になっているのかもしれません...そして誰も訪れなくなった!とならぬよう、今行っている政策も含め、何がスリランカの未来に重要なのか見直すことだと思います。

 

人々が、便利になり、経済的に裕福になることは良いことだと思います。しかし急激な開発により、産業廃棄物、自然破壊、ゴミ処理など多くの問題がクローズアップされてきました。人々の生活は、どんどん忙しなくなり、田舎で育った私としては、これでいいのか?と感じることもしばしば...多分、誰よりものどかなスリランカ人が面食らっているのではないでしょうか!?(笑)
急激に変化しているスリランカ、発展と環境保護を両立させ次の世代に何が残せるのか...そろそろこの国の人達も真剣に考えなければならないのではないでしょうか。

 

www.sriekov2.loc も宜しくお願いします。

2017年7月7日
山倉 義典

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