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スリーエコ・ニュース (Srieko News)

Vol.72 – それぞれのお正月! 

January 8, 2018 at 9:51 am

2017年大晦日のニゴンボビーチにて!2018年は戌年だワン!!

皆様、少し遅くなりましたが明けましておめでとうございます。
今年も宜しくお願い致します。

 

お正月は皆さまどのようにお過ごしになられたでしょうか。
旅行に出かけられリラックスされた方、旧友に会い親交を深めた方、自宅でまったり、ゆっくり過ごされた方...それぞれ思い思いのお正月を楽しまれたのではないかと思います。
私達の年末年始といえば、例年訪問客が一年で一番多くなる時期で、お客様への対応で繁忙を極め、ここ数年ゆっくり正月を過ごす機会に恵まれていません...残念ながら私達のお屠蘇気分はしばらくお預け!旧正月が終わりお客様の少なくなる頃になりそうです。

 

さて、今回は私達の住んだ事のある国々のお正月についてご紹介したいと思います。
まずは思い出深い香港、シンガポール!ご存知のように中国人の国ですが、欧米の文化を強く受けるこの両国、お正月と言えば旧正月なのですが、クリスマスも大変な賑わいでした...シンガポールではチャイナタウンという中国人の街があり、旧正月の時期になると豪華な飾りつけの中、ライオンダンスといわれる獅子舞が各場所で行われ、たいへん華やかだったことを思い出します。また香港では返還前に駐在していたので、英国文化を色濃く残しクリスマスの時期から香港島の摩天楼と言われる高層ビル群に大規模に施される装飾は、あまりの豪華さと美しさに驚いたものです。更にその飾りつけが旧正月には更に豪華に衣替えすることに、驚きの連続!!毎年12月になるとクリスマスの時期から旧正月まで施される飾りつけが待ち遠しかったものです。また、旧正月ではアンパオと言われる(お年玉袋)とミカンの交換をコンフェー・コンフェー(マンダリンではコンシ―・コンシ―)と言って行います。自分のミカンがなくなると、こっそりもらったミカンを横流しして済ませたものです。(笑) どちらの国も、爆竹禁止でしたが、たしか香港に近いマカオでは派手に爆竹をならし新年を祝ったこともありました。

 

バンコックの正月は4月のソンクラン!話には聞いていたのですが、バンコック駐在早々いきなり水を掛けられたときには、びっくりしましたが、気が付くと一緒に水を掛け合っていました。なんとも楽しい正月だったと記憶しています。

 

マレーシアのクアラルンプールに駐在していた時期のお正月の記憶が曖昧です。会社のスタッフに中国人が多かったため中国旧正月がメインだったような気がするのですが、ご存知のようにマレーシアはイスラムの国!ハリラヤを皆で祝った覚えもあります...丘の上のバングサに住んでいたので、アパートから見えたKLツインタワーの花火が懐かしいです...いろいろと休みの多い国でしたので、お正月の記憶がいまひとつなのは残念!?

 

そして南アフリカでは、クリスマス&新年休暇が異常に長かった事を思い出します。12月頭から1月上旬まで約1か月間...公官庁をはじめ、スーパー、デパート以外のほとんどすべての機関が休みになり、人々は家族、親戚とバカンスに出かけます。この時ばかりは、やるべき仕事が終わっていようが、なかろうが、白人であろうが黒人であろうが関係なし!一方的に権利を主張して一斉に休暇に入りますので、ある日を境に物事が一斉に停止します。この様な習慣に慣れていないアジア人の私達は、「どうなってんのこの国!?」とあきれると同時に、あきらめの境地に達したものです...常識というものはその国によって違うものなんだな~~と切実に思ったものです。
この時のカルチャーショックが原因というわけではありませんが、やはりアジア人はアジア!と思い、アフリカに骨をうずめようとの思いを、大きく方向転換!南アジアの楽園スリランカの大自然を皆様に伝えたいと、スリランカに帰って来たのでした。

 

そして月日の経つのは大変早いもの、スリランカで8回目のスリランカのお正月(シンハラ・タミル正月)をなんとか迎えられそうです。
スリランカのお正月(シンハラ・タミル正月)は、4月の暑い時期になります。丁度同じ仏教国のタイのソンクラン(タイ正月=水かけ祭り)と重なる時期で、毎年湿度が高く大変暑いので、エアコンを全開にしながら正月を迎える事となります。
新年は太陰暦に従い2018年は4月13日が大晦日、4月14日がお正月の予定、年末年始の行動は星占いに基づいて、縁起の良い時間(オスピシャス)によって決められます。新年が明ける時間も、西洋、日本のそれとは違い0:00ではなく、縁起の良い時間に明けるため、新年と同時に始まる爆竹の競演もその年によって時間帯が異なります。大晦日は大掃除、新年は各家で決まった行事を行い、そしてパーティーが始まるのは日本と一緒...スリランカのおせち料理は、キリパット(ココナッツミルクライス)、ココナッツ油で揚げた甘いお菓子、バナナなど...そしてお屠蘇はやはりアラック(ココナッツ酒)と、まさに南国らしい、ココナッツ尽くしの宴となるのです。私達の家にも、有り難い事に近所からスリランカ風おせちが毎年届きます...このココナッツ味のおせちを頂くと、日本人なのですが不思議と「正月が来たのだな~」という気分になるものです。
またお正月の前後は、日本と同じで会社はお休みになります。この時期に有休を使って長期のお休みを取るスリランカ人が多く、中には3月下旬のグッドフライデーの頃から3週間程休みを取る強者も...ただですら休みの多いこの国で、更にとどめを刺すように、長期休暇を取るのですから、この時期のスリランカは要注意!?全てに渡っていろいろな事が普段以上に進まなくなりますので、前もって準備と気構えが必要なのは言うまでもありません。(笑)

 

30年の内戦を乗り越え、今は仏教徒、ヒンズー教徒、キリスト教徒、イスラム教徒が大きな争いもなく仲良く生活するスリランカには、いろいろな行事があり休みが多く効率的に物事が進まない事が多々あるのですが、だからこそ先進国の人々が忘れかけた、人間らしい屈託のない笑顔や、おおらかさ、優しさが残っているのかもしれませんね。

 

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2018年1月6日
山倉 義典

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