Vol.97 – コロナ外出禁止令!いつまでも続く@スリランカ
皆様、こんにちは。
1月の頭、中国武漢で報告されたコロナウイルスは世界中にあっという間に広がり、現状感染者約百二十万人以上、死者七万人以上という世界的な大惨事になっています。
日本にも非常事態宣言が戦後の憲法下にて初めて発令されるなど、日本をはじめ世界中が終戦後、経験した事のない不安に包まれている状況となっておりますが、今後の事が更に大変心配です。
私の住むスリランカ・コロンボ国際空港周辺は、周辺6県を含めスリランカの中でも危険地域に指定され、3月20日から外出禁止令が発令されており、すでに3週間目に入ています。
また、空港関係もスリランカ国内全ての国際空港にて、3月19日04:00より商業旅行機(一般旅客機)の受け入れ停止を行っています(出発便は通常運行)ます。
政府はこのように事実上の空港封鎖による水際でコロナウイルスの侵入を防ぎ、外出禁止令によって国内での感染拡大を防ぐ政策を断行していますが、残念ながら感染は少しづつ拡がっています。(参考:人口約2,100万人 感染者200人弱 死者6人)
この状況を受け、スリランカのナショナルフラッグであるスリランカ航空は、減便をしながらも出発便のみ運行していたフライトスケジュールを見直し、4月2日に4月8日から21日までの間、全便休止を決定いたしました。
いつまで休止が続くか分かりませんが、ナショナルフラッグの航空会社が全便休止するというのは、政府が判断した、事実上の鎖国政策だと考えてよいでしょう。
他国と比べても、感染者、死者共に比較的少なく、まだ感染爆発といったものではないと思うのですが、未然に感染拡大を防ぐべく、スリランカ政府はいつにもなく俊敏に真剣に対応しています。
しかし外出禁止令を出されている私達を含めた一般市民は、それこそ大変です。
今出されているスリランカの外出禁止令はかなり厳しいもので、禁止令期間中、公共機関は勿論の事、列車、バス、スーパー、レストラン、お店まですべて閉まります。
開いているのは、政府指定の病院、薬局、銀行の一部となっており、外出は許されず自宅待機、食料はスリランカ政府が自信を持って推奨するスーパーのデリバリーシステムを利用したいのですが、常にビジー、仮につながってもオーダーしてから1週間後のデリバリーと使い物にならないため、もっぱら、許可を得た業者のモバイルショップが不定期に街中を周ってくるのを待ちそこで食料を調達するいうのが主流っとなっています。
こんないつ来るかもわからないモバイルショップを待つ生活を3週間も続けていると、いつ頃パン屋さんが来て、どの野菜屋さん、魚屋さん、肉屋さんが新鮮なものを売りに来るか、だんだん臭覚が鋭くなってくるというものです。
最近はパン屋さんから肉屋さんまで、ある程度の品質を保ったモバイルショップが来るようになり、随分食は豊かになったような気がします。
外出禁止令直後のどさくさに紛れてやって来た、古くて高いインチキショップは淘汰されたようです~(笑)
更に大変なのは、食料調達だけではありません、文字通り外出禁止令ですから、外へちょっとお散歩、ジョギング..というわけにはいきません(外出している所を警察に見つかると逮捕されます)。
我が家には犬課長という「よく食い」、「良く遊ぶ」犬がいて、外出禁止令の前までは毎朝、近所のビーチへ泳ぎに行くのが散歩コースでしたから、これが大変!
犬にはコロナや外出禁止令など関係ありませんから、毎朝日が昇る時間には目を覚まし、ベッドの脇で私と妻の起きるのを待っています。
さすがに禁止令が出ている中、ビーチに連れて行くわけにはいきませんし、まったく困ったものです!!
ということで二人と一匹は、いつものように毎日のお散歩をどうするか緊急対策会議を開きました。..私と妻は「お庭も広いし、当分の間お庭をぐるぐる周るのはどうか」と提案、「どうしても海に行きたい」と言い張る犬課長と意見は真っ向から対立し、一発触発の状況です。..
話がまとまらないまま、とりあえず犬課長を庭のお散歩に連れて行こうとすると、前足を突っ張り犬課長は、石のように動かなくなりました。こうなると犬課長は、結構強情でテコでも動きません。
困った私と妻は、再度緊急会議を開き、「人(警察)のいない時間帯に、家の周りの小さな道をマスクして散歩してはどうか」と犬課長へ提案!
課長もそこまで言うならという事で、気を取り直して翌日から家の周りをお散歩することになったのです。
さて翌朝、人(警察)の来ないうちに早く出かけようと支度をし、犬課長にマスクをしようとすると、激しく抵抗するではないですか..課長さん話が違う!?と言っても、昨日の約束事項を既に忘れているようです..
私が犬マスクを着けようとするのに、課長が手で外すという事を何度か繰り返すうち「仕方がない、マスクをしなくても畜生だから、人(警察)は多めに見てくれるだろう!」と私達はワケの分からない納得をし、犬マスクはあきらめてお散歩に出ることにしました。
いつもは交通量の多い通りも、外出禁止令中だという事もあり、人も車もなく安全です。私達は人気のない道(警察のいない道)を選んで進んでいきます。..
たまに家の前庭に出ている人と目が合い、不審者を見るような視線を向けられながらも、ニコリと会釈をして足早に立ち去る事数回...
先ほど会った人は警察に通報していないか?後ろから警察が追ってこないか?ハラハラドキドキしながら、足早に周ったお散歩は無事終わりました。
「何のことはないじゃん!」これに味をしめた犬課長と私達!人(警察)には気を払いながらも、それから約3週間休むことなく、安全(捕まらず)に楽しいお散歩は続いています。😊
他国の都市封鎖と大きく違うのは、銀行、薬局、スーパーマーケットといったライフラインが一部を除きほとんど営業していない事です。
そしてなんといっても、お散歩、ジョギングなどの心身の健康維持活動に制約を受けている事です。
前者は基本的な生活、後者は基本的人権に関わる問題であり、どうもスリランカ政府はコロナ感染拡大防止に集中するあまり、この辺を疎かにしていると感じているのは私だけではないようです。
某国の「債務の罠」にずぶずぶはまりゆくスリランカ、比較的少ない感染者数の中での外出禁止令の是非は問うつもりはありません。
ただし、こんな時に基本的な生活や基本的な人権を疎かにし、某国に習うことはないのではないでしょうか。
ここはスリランカなのですし、肩ひじ張らずスリランカっぽく自由に寛容にやってほしいものです。😊
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2020年4月7日 山倉 義典
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