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スリーエコ・ニュース (Srieko News)

Vol.49 – スリランカはこれから!

March 17, 2015 at 1:19 pm

スリランカ経済の中心コロンボ

皆様

 

早速ですが、3月15日に放送された「NHK総合・ホットスポット最後の楽園・最終回インド・スリランカ編」はご覧になりましたか?

スリランカにどのようなご感想を持たれましたか?

自然あふれる国、人々が素朴な国、行ってみたいけれど訪れるにはちょっと心配な国?・・・さまざまなご感想があるでしょうが、今まであまり知られていなかったスリランカという国に、番組を通し、多くの方が興味を持たれたのではないでしょうか?Loris Sri Lanka-2-2-210

弊社が番組のコーディネートを手掛けたことから、兎にも角にもNHKの番組でスリランカの魅力が大々的に日本で紹介されることに感無量でした。

撮影企画から約1年、さまざまな困難がありましたが、今回の番組が無事放送されたことに、夫も私も特別な思いがありました。

スリランカ観光局の発表では、先月2月は2014年の同月に比べ2割近くも外国人旅行者が増加したとか・・。

旧政権だったら「政府が捏造した数値ではないの?」と疑ってかかったところですが、観光大臣も観光局のトップの面々も入れ替わり、汚職撲滅に一生懸命の新政権とあっては、応援する気持ちでいっぱい。さらに観光客が増えるよう、縁あって関わったスリランカのために一助したい、そのためにも日本の皆様にもっともっとスリランカの魅力をご紹介していきたいという思いとやる気に駆られています!

 

さて、この新政権に代わってから国民が動向を見守っていることの一つに、スリランカと中国の関係があります。

旧政権があまりに中国寄り、中国一辺倒で、様々なプロジェクトを進めるための(他国からの援助に比べ)驚くほどの高利の借金は、スリランカの財政を逼迫させていた。

ひいては一般国民が物価高や様々な税という形で驚くほどのしわ寄せを被ることになったと報道されています。

中国絡みのプロジェクトの中で、商業都市コロンボの湾岸埋め立てによるコロンボ・ポートシティ・プロジェクトは、新政権後、存続か中止かで国民の関心を集めていました。Colombo China project-210

「スリランカの地図を塗り替えることになり、環境の面からもあまりに問題があるこのプロジェクトは、中止すべきだ・・」と、ラニル首相は選挙前から公約として掲げていましたが「もうかなり進んでいる以上、このプロジェクトに関しては続けることになるだろう・・」というのが大方の見方であったようです。

スリランカを訪れた方なら「ああ、あの場所か?」と思い当たる方も多いでしょう、5星ホテルが集まるコロンボ3のゴール・ロード沿いに面する海岸沿いです。

この地を埋め立て、リゾートホテルやレストランが集まるお洒落なエリアに造り上げるプロジェクトだそうですが、問題は環境の面ばかりでなく、この地が“スリランカ”ではなく、中国の地になるというものでした。

香港とマカオの関係を思い浮かべて頂ければ、解りやすいかもしれません。スリランカ人がこの地に立ち寄る際、ビザが必要か?という論争までありました。

ただ中国の本当の狙いは、スリランカ全土を取り巻く海洋の魅力、“真珠の輪”と呼ばれるこの海洋を抑え込むことによる軍治目的にあったらしく、隣国インドがこのプロジェクトに猛反対しているとも伝えられています。

 

新政権は様々な党の寄り集まりである連立政権であることから、足並みが合わず、先月2月には「プロジェクトの続行が決まった・・」との誤報までありました。が3月に入ると「プロジェクトは暫定的中止が閣議決定!以後はラニル首相が音頭をとっている環境調査団の報告を待って最終決定となる。また新政権後、ピッチが速まっている中国による建設作業に関しては、この決定に従わない場合、司法に委ねる・・」との発表がありました。

この決定が暫定的なものに終わらなければいいけれど・・。プロジェクト反対派としては動向が気になります。

中国訪問を目前に控えているシリシナ大統領。地元英字紙The Sunday Timesの経済風刺画では「北京訪問後、(中止が)続行に変わらなければいいけれど・・」とありましたが、このニュースが4月に選挙を控えている新政権の“国民への暫定的・贈り物”でないことを願うばかりです。

 

追記)

3月13、14日の2日間、インドのモディ首相がスリランカを訪れました。実に、インド首相の訪問は28年ぶりとのことでした。

モディ首相は、「かつてはコロンボからインドのチェンナイまで、列車とフェリーで行き来ができた(良い時代だった)。Modi Visit Sri Lanka-210

今、両国の行き来をもっと容易に、盛んにしなければいけない。人の行き来は(両国の)人々を結束させ、ひいては経済活動も活発になることだろう・・」と述べています。

エア・インディアにより両国の首都を結んでのフライトが始まるほか、スリランカ人がインドに入国する際のビザ取得も4月から簡素化され、両国の友好的関係が一歩一歩培われています。

またスリランカ北部の鉄道の修復等、大規模な経済協力を約束しています

私的には、小国・スリランカは是非とも隣国であり大国のインドと仲良くしてほしいという思いが強いのですが、何より一番喜んでいるのは、30年にも及び内戦で苦しめられた少数派のスリランカ・タミルの人たちであるはずです。良い時代がついに来たか?

インドとの関係が改善されつつある今、“スリランカ・新時代”の幕開けの予感です。

様々な政府“使節団”を派遣し、プロジェクト続行に躍起になっている中国の出方も、インドがどこまでけん制役となってくれるのか?

この国の新時代を解くキー・ワードは“インド・中国とのトライアングル関係“かもしれません。

 

www.sriekov2.locも宜しくお願いします。

                      2015年3月16日

山倉 理恵子

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