Vol.79 – 大自然のミュージアム・いざ!スリランカ
森の妖精、愛らしいロリスくん@ロリスの森
皆様、こんにちは
楽しかった夏休みも終わり、お仕事に集中できる時期になってきましたが、皆さまいかがお過ごしでしょうか。
今年のスリランカの夏は、例年に比べ涼しく大変過ごしやすい日が続きました。感覚的には一年で一番過ごしやすい11月~1月の気候のようで、日本からのお客さんも「涼しくて過ごしやすかった」というご意見が多く、スリランカ在住の私自身も、忙しくも気持ちよく仕事のできた夏でした。
来年は「避暑に行くならスリランカ」というキャッチコピーを考えているくらいです。(笑)
さて今回は、大自然のミュージアム・スリランカについて。
自然に囲まれ、新潟の穀倉地帯に育った私は、小さなころから動物が大好きで、野生動物のドキュメンタリー番組「野生の大国」を見ては、いつか自分もこんな大自然をターザンのように駆け回り、動物達と触れ合いたいと、小さな心を震わされたものでした。40代前半に長年お世話になった会社を辞め、立場や生活の安定を捨てアフリカ大陸(南アフリカ)へ生活の場を移したのも、どうしても小さい頃からの夢・アフリカというものを私自身の中で消化しておきたかったからです。4年近く国立公園の野生動物と戯れ、大自然と動物達の何たるかを学びました。そして今、スリランカで旅行会社をやりながら、アフリカ時代の経験を活かし、「大自然のミュージアム・スリランカ」を世界中へ発信しています。
旅行会社を始めて8年、内戦後(2009年30年に及ぶ内戦終了)の目覚ましい経済発展の中、常識では考えられないような、いろいろな事に翻弄されてきましたが、相変わらず優しく私達に接してくれているスリランカの大自然と野生動物達には、何度折れそうになった心を癒されたかわかりません...壮大な大自然と野生動物達の変わらぬ営みに触れるにつけ、充電し、いまだに更にもっともっと知りたいという好奇心がわいてくる次第です(笑)。
スリランカには、大自然の中、いろいろな動物達が生息していて、それぞれ紹介したいのですが、紙面の都合上、特に私が好きな動物を5種類(「ビッグ5」ならぬ「スリランカびっくり5」)をご紹介したいと思います。
びっくり1:森の妖精ロリスくん観察
スリランカ・ダンブッラ周辺の森林では、日が暮れると森の妖精ロリスくん達が目覚め活動を始めます。狙いはコオロギ、キリギリスといった昆虫達。昼間期の穴で眠っているロリスくん達は、日暮れと同時に寝ぐらからはいだし、音もなく木の枝々を伝って昆虫たちに近寄り、捕食します。小さな体に長い手、夜行性の特徴である大きな目は愛らしく、夜木から木へ音もなく移動する様は、まさに「森の妖精」という名がぴったりだと思います。
びっくり2:密林の美しき暗殺者レパード(豹)くん観察
世界的に観察する事が最も難しい大型動物の一つレパード、体全体を覆う迷彩色は、他の野生動物さえ気付くことがむつかしい、抜き足差し足で音をたてず獲物に近づき、鋭い爪と、牙で一撃にて倒す...まさに「密林の美しき暗殺者」の称号がふさわしい。その生態は国立公園に限らず、スリランカ全土に広がります。ただし暗殺者ゆえ、人前に姿を現すことは稀、やはりスリランカ南東部(ヤーラ国立公園)、北西部(ウイルパトゥ国立公園)等のサファリに参加するのがベストでじょう。私の経験上、ヤーラ国立公園は、世界一レパードに会える確率の高い公園だと思います。
びっくり3:生命の神秘ウミガメさん産卵観察
スリランカ南海岸は世界のウミガメ7種のうち、オサガメをはじめとした5種のウミガメの産卵を見る事が出来る場所として、世界的に有名です。日が暮れると、母亀は人気のない砂浜へ産卵の場所を探しに上がってきます...時間をかけ安全な場所を探し、一個一個愛情を注ぎながら卵を産み落とす母性は、満天の星空の下、生命の神秘を感じる瞬間です。そして元気な子亀が生まれますようと丁寧に砂をかけ、また時間をかけ海に戻っていきます。やがて大自然のスペクタクルは、幻のようにきれさっぱり波に洗い流されるのです。
びっくり4:インド洋を優雅に泳ぐ世界最大シロナガスクジラくん観察
何度かご紹介していますが、インド洋を優雅に泳ぐシロナガスクジラ観察は、今や世界中に 知れ渡るスリランカ周遊の一大イベント...南海岸ミリッサ港から、10kmの沖合に大陸棚があり、そこで起こる湧昇流によって、周辺はクジラの捕食場になっているらしい...世界の学者達も注目する、赤道直下のシロナガスクジラ!12月~4月の遭遇率は90%以上
びっくり5:大地の鼓動エレファント・ギャザリング観察
夕方になると、森からぞろぞろと水を求めて湖に集まって来る、ゾウさん達の幾つもの集団、母象、小象の群れに、距離を置いて近づく機会をうかがう大きな雄のゾウ...ここは、スリランカ・シギリヤロック周辺の国立公園です。日によってその数200頭以上になる事も、まさに大自然のパノラマを満喫できる場所といってよいでしょう...一方、周り一帯は森林帯と穀倉地帯が入り混じっているため、住民たちとの摩擦が絶えない地域でもあります。
如何でしょうか、私の住むスリランカでは、普通の国ではそうそうお目にかかる事が出来ない「びっくり5」の動物達に、高確率で遭遇する事が可能なのです。
南でオサガメが来たと言えば飛んでいき、コロンボ周辺にフィッシングキャットが生息してると言えば、何を置いても探しに行く...家は、仕事に支障がない程度に、あえてコロンボから少し離れた空港周辺を選び、家の周りには、ヤマアラシくんやマングースくん、ジャネットさんの生息する至極恵まれた!?環境下にて生活しています。
少年の頃抱いた夢を、今も追っていると言えば、聞こえの良い話ですが、実際は、いい歳こいて、ほぼ病気...「大自然野生動物症候群」なる病に取りつかれているかもしれません?...自覚症状がある事がまだ助けとはいえ、しかし何か良いお薬はないものか...同じ症状のある方は周りにそうそういないし...そう言えば、「バカに付ける薬はない」という諺を思い出しました。(笑)
安全に旅してこそ楽しい旅行、Srieko Holidaysはいつもお客様の安全を第一に考えて旅行のお手伝いをしています。
2018年9月1日
山倉 義典