Vol – 08 変化しているスリランカの町並み、その理由とは!?
海辺にあるコロンボの風景(コロンボ)
皆様
8月ももうすぐ終わり。日本はこおろぎの音が美しい季節へと変わっていくのですね。
こちらスリランカは南国。年中暑い国で季節の変化はほとんどありませんが、その分(?)内戦が終結してからの人と街の変化には目を見張るものがあります。
先日も、コロンボ(Colombo : 商業の中心)在住の、経済関係の仕事で駐在している日本人が「最近のスリランカの変わりようはすごいですね。コロンボ郊外に、どんどんスーパーマーケットを建設している。おしゃれなブティクも目立つようになってきた。
レストランに行けば、今までたいして客がいなかったのに、最近は違う。店の人間は客が多いことに慣れていないから、その分サービスが悪くなっちゃって困ったものですね。」と、もらしていらっしゃいました。
コロンボはもともと富裕層の多い街ですが、私の住んでいる、空港にほど近い街ここニゴンボ(Negombo)でも、その変化は目に見えて感じます。(前号の続き)
ではどうして、スリランカ人の財布が膨れてきたのでしょうか?
発展途上国にありがちな、選挙など政治絡みで金がまかれることもあるでしょう。
こうしたことは、国が安定していく過程での“必要悪”として、脇へ置いておくとして、まず考えられることが、土地の価格(地価)の高騰にあります。
内戦が終わる前と後とでは一桁!土地の値段が変わってきているのですから、当然、土地成金も多いはずです。
こちらに長くいらっしゃる日本人男性が「相棒のスリランカ人に、新しいビジネスを一緒にやろうともちかけたら、親からもらった土地を今売れば、一生左うちわで暮らせる、と返す。若いのに、いい意味での野心が全くない・・」と、ぼやいていらっしゃいました。
夫は、店や会社を持っている個人事業主が好景気をリードしている、とみています。
確かに、サラリーマンは物価が上がってもサラリーが上がらず、四苦八苦しているようですが、国が発展・安定していく上で、建設資材をはじめとする、さまざまな需要が増え、それと共に、相乗的に購買力も増え、店や会社の利益も上がるという、よい循環機能が働くことになります。
さらに、もう一つ!!
こちらでは“スリランカ人向け特別価格”が存在します。博物館など公共機関や星の数の多いホテルなどで、料金が外国人や旅行者より安くなる場合が多いのです。
その上、高級レストランになればなるほど「XX銀行のカードで支払えば、15%の割引・・」と言ったたぐいの割引があります。
「いくら使うと、ポイント何点・・」などの、日本のちまちましたサービスが悲しく思えてくるほど「消費するほどには、懐は痛まず・・」と言ったサイクルが成り立つのです。
先日も、初めてスリランカを訪れたという日本の青年が「スリランカ人の友人から聞いていたのと、かなり違います。物価も思ったより高く、それでもホテルや高級レストランなど、金持ちで賑わっているのですねえ・・」と、話していました。
少し前まで「最貧国の一つ」と言われた国が変わっていく様。内戦の前の1960年代には、シンガポールよりGDPが上だったと言われた国が、今後どう変貌していくのか?
私の人生で深く関わることになったスリランカという国を、冷静な目で追っていきたいと思います。
もっと知りたい! ???のスリランカ・ニュース
** ゾウの“国勢調査”行われる**
現在、スリランカに何頭の象がいるのか?スリランカ初の調査が二日間にわたり、国内全ての国立公園で実施されました。
インドとアメリカの専門家の助けをかり、1500の湖や湿地帯などの水飲み場に、3500人のスタッフが派遣されての、大がかりなものとなりました。
スリランカのゾウの数は減少傾向にあり、5000~6000頭にまで減ってきているとのこと。
人口増加に伴い、ゾウの住みかが脅かされていることが一番の理由です。
今回の調査で、もっとスリランカ・ゾウのことが、知りたいゾウ~!!
** スリランカの国花・絶滅の危機に・・ **
国花に指定されている、ブルー・ウォーター・リリー(Blue Water Lily)(青いユリの一種)
が絶滅の危機にあると、スリランカの専門家が警告しています。
外国種との雑種化が原因で、こうした変化がスリランカの至る所でみつかっています。
浅瀬に生息するこの青い可憐な花は、1986年、国花に指定されました。純正と真実のシンボルであり、ほのかな甘い香りのする花です。
仏教寺院でよく見かけますが、5世紀に作られたシギリヤ・ロック(Sigiriya Rock)の壁画の美女たちも、この花を手にしています。
スリランカの”西洋化“は人ばかりでなく、自然界でも進んでいるようです。
** 南部海岸鉄道、一部運航停止**
リノベーションのため南部海岸鉄道の一部区間が9月1日からの半年間、運航停止となります。
区間はインドゥルワ(Induruwa)=ゴール(Galle)間。
この期間は、コロンボ(Colombo)=アルガマ(Alutgama)と、ゴール(Galle)=マータラ(Matara)間のみの運航で、工事区間は特別バスで代行されるとのこと。
インドゥルワ=ゴール間は、ウミガメ、サンゴ礁、ユネスコ世界遺産など、ツーリスト・スポットで有名な所です。
汽車の旅もいいなあ、と思っていらした方は、少々の予定変更が必要です。
次回もSRIEKO NEWSをお楽しみに!!
www.sriekov2.locも宜しくお願いします。
2011年8月23日
山倉 理恵子
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