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スリーエコ・ニュース (Srieko News)

Vol.47 – スリランカの英雄について!!

January 16, 2015 at 9:04 am

デモ行進...大統領選挙前の街の風景!民衆が道路を塞ぎ興奮した状況が伝わってきます。(ニゴンボ)

皆様

早いもので、新たな年2015年は成人式も終わり、月の半分が過ぎました。

日本全国、寒さも一段落したところが多く、”冬来たりなば春遠からじ“の心境でしょうか?

こちらスリランカは新しい年を迎えてすぐに大統領選、その後はローマ法王スリランカご訪問、仏教上の祝日等、「今日はお店や銀行は平日営業かしら?」とカレンダーとにらめっこの毎日が続いています。Election 2015-6-210

 

さて、今回のタイトルは“英雄について”。

スリランカで英雄と聞いてすぐに頭に思い浮かぶのが、元大統領のジャヤワルダナ氏です。

1952年(調印は1951年)サンフランシスコ講和条約の際、日本が戦争に負け、各国から非難を受ける中、「人はただ愛によってのみ憎しみを越えられる。人は憎しみによっては憎しみを越える事は出来ない...」と述べ、日本を苦境のどん底から救ってくれた“日本国の恩人”といえる存在です。

 

もう一人、スリランカの30年にも及ぶ内戦を終わらせたことで、英雄視されるかと思われた人物がいます。が、国民の反感と非難を背に、10年続けた大統領の座を退く結末となりました。その人の名はラジャパクサ氏。

スリランカの憲法を変えてまでの3期目の大統領をもくろんでの選挙戦でしたが、国民の多くが氏を”英雄“とは対極に位置づけた結果でした。

長い内戦が終わりを遂げたことを、喜んでいない一般国民はいません。

30年の間、何度か(内戦は)もうすぐ終わりそうだ・・と言われながら、それが現実とはならない中、ラジャパクサ氏は、確実にそれを成し遂げたのです。

あまりにも多くの一般市民を巻き込んだ終わり方に問題が上がっているにせよ、歴史に残る瞬間を作った大物であることに変わりはありません。Election 2015-4-210

しかし、2期目の大統領選が終わり、「スリランカは海外旅行先としても、また投資でも魅力の国・・」と少しずつ海外に国名を知られるようになってくるのとは裏腹に、国民の大半は物価の急上昇で生活苦に喘いでいました。

一方で街には衣類から電化製品に至るまで、海外ブランドが次々スリランカ上陸、おしゃれなレストランも商業都市のコロンボを中心に次々オープンとなりました。

土地の値段が内戦中とは一桁も変わったことで「貧困層が以前多いのは事実としても、中間層の幅が広がり、富裕層が増えたせい・・」と結論づけるのが自然な見方でした。

しかし次第に様相が変わってきます。新たにできたショッピングビルの中に入ったテナントは次々と撤退、新たにできたレストランも、半年、1年もすると閉店、割引セールの嵐・・。「コロンボだけが購買力をリードしているのだろうか?」

政府発表の情報、街が華やかになる様子、商品(商店)の売れ方(流行り方)、私の頭の中で、この3つのキーワードが、カチッとはまるトライアングルは成り立ちませんでした。

あたかも片田舎から都会に出てきた娘が、少しずつあか抜けていくように、スリランカの街が“洗練”に向けて動いていくように見える中、凶悪事件も増えていきました。

かつてはあまり巻き込まれることのなかった外国人も同様です。警察の力は弱く、また法の元で解決することは少なく、政治と金の力によるところが大きいと言われていました。

夫も2013年、政治家絡みの暴力事件に巻き込まれました。

大した怪我もなく、大事には至りませんでしたが、多くの目撃者がいたにもかかわらず、外国人を助けてくれる者はなく、数時間たって、ようやく相手にしてくれた警官の一人により、事情徴収が始まったものです。その時の警官の言葉と表情が忘れられません。

相手の車のナンバーをとっさに控えていた私に、彼はそれまでの軽い雰囲気で進める聴き取りとは表情が変わり「これが(この事実)があるかないかで、大きく変わってくるのですよ!」と、言葉以上に目で訴えてきたのです。

犯人は捕まり、夫と私はスリランカの文化を尊重し、和解という形で決着がついたものです。Election 2015-5-210

 

新政権は選挙戦の際、「汚職・凶悪行為(犯罪)・隠ぺい(工作)に正面から向き合おう!」というキャンペーンのスローガンを掲げました。

汚職対策は新政権が掲げる重要な政策の一つです。

シリシナ新大統領はやはり選挙戦の際「今までこの国に汚職がはびこっていたのは事実だが、この数年は目にあまるものがある。今こそ様々な党が一致団結して戦おう!」とサイン入りの記事を発表し、汚職に対しての強い意志を見せました。

今回の選挙では、発展途上国にありがちな贈り物攻勢の“キッチン・ポリティックス”がひときわ横行していると言われ、シリシナ氏側を苦しめていたようですが、スリランカが法治国家から遠ざかっていくことに大きな危機感を抱いた法の専門家たちをはじめ、教職者、芸術家の団体の大半が、シリシナ氏をサポートしたといわれています。

そうした知識層ばかりでなく、どの団体にも所属しない一般市民である市井の人の多くがシリシナ氏を応援したことにより、新政権は誕生したのです。

私自身を含め、“英雄”とは無縁の砂丘の砂の一粒のような存在も、各自身の中に、何かしら信じるもの‐“信念”と呼べる何か‐があれば、そのことを自身の支えとしながら、自信と誇りを持って、生きていくことができるのではないかと思えます。

それは権力と富を長いこと握ってしまったことで、一般国民の本当の姿が見えなくなった ”英雄になったかもしれない“生き方より、尊いことではないでしょうか。

このことをスリランカの人たちから学びました。

私の中で、ふつふつと「スリランカの人たちとこれからも生きていこう!スリランカの魅力をもっともっと日本の人たちに伝えよう・・」という気力が湧いてくるのです。

新政権は複数の党からなる連立政権となり、かじ取りはさぞかし大変だろうと思われますが、様々な困難を乗り越え、少しずつ、確実に、スリランカを人と自然、文化が共存する落ち着いた、質素をむねとする美しい国にもどしてほしい・・、そう願わずにはいられません。新たな英雄の誕生を期待しながら・・

 

2015年1月15日

山倉 理恵子

 

 

<重要なお知らせ>2015年スリランカ・シロナガスクジラ撮影許可関係について

 

Giant Whale -1-500

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

1月8日のスリランカ大統領選挙にて政権が変わりましたが、新政権は今までの反省を踏まえ、「法遵守」、「西側諸国との関係改善」を主な政策として動き始めました。

さて、話題のシロナガスクジラ!昨年来、水中撮影に関するお問い合わせを多数いただいておりますが、新政権に移行したことにより、お客様には以下の内容をご案内しています。

 

1. シロナガスクジラの水中撮影には必ず防衛省発行の水中撮影許可が必要です。BWC Whale-5-210

 

新政権は「法遵守」を掲げており、特権、既成事実を排除し、規制の強化に力を入れるとみられます。

特に重要な観光資源である自然保護には力を入れており、東海岸(トリンコマリー周辺、バティカロア周辺)、北西海岸(カルピティア周辺)、南西海岸では、海軍、海上保安庁による違法船の取り締まりが強化される見込みです。

 

 

 

2. シロナガスクジラの水中撮影の許可関係は、今までの手続き方法が変わり、審査はより厳しくなっております。(申請理由によって許可が下りない場合もあります)

 

新政権になり審査により時間がかかってきますので、お早めに許可申請をお勧めいたします。

 

 

新政権が誕生したことで、西側との関係が修復されるとみられています。スリランカの自然保護に力を入れている西側のNGO等の団体も、これからは大手を振って活動できるのではないかと、Sriekoでは期待しています。

上記の政府による規制強化がもっと早くから行われていれば・・とも思いますが、今からでも遅くはないのです。

Sriekoも、スリランカの自然を保護していくため、一助できればと思っています。

大自然が魅力のスリランカ!この美しい国を次世代へと伝えていくために・・。

 

BWC Whale-4-210

 

 

 

 

 

 

 

 

www.sriekov2.locも宜しくお願いします。

                      2015年1月15日

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